青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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逆方向

今日も雨、そして寒い。農家にはかなりのダメージになりそうだ。事務所への行き帰りに田んぼを通る。穂が出たばかりで稔のか不稔なのかはわからない。不稔になれば実が入らず不作になる。
 
今は広告もやっていないがどう言うわけか忙しい。仕事は不思議なもので来客が多くても契約が多いとは限らない。逆に来る数が少なくても契約できる場合がある。自営になって思うのは仕事はバイオリズムがあって良い時と悪い時がある。 
 
広告や営業でイメージの高いところは仕事がある。デザインとか断熱とかわかりやすい部分で戦略を立てる。無数にある住宅関連の業者だがイメージ戦略までできるところは少ない。だからフランチャイズに加盟したり大手の下請けになったりする。 
 
今ほどイメージ戦略が差をつける時代はない。職人が手作りする時代はイメージも戦略もなくても仕事が来た。地元の木を使って知り合いの職人に頼むのが普通だったからだ。 
 
職人から建材メーカーに主導権が移って差別化は重要になった。地元の木を使うと山の手入れから次世代の植林までのサイクルが回る。工場で作る時代になれば地元は潤わない。わずかに職人たちの仕事場が出るがそれとて元々は自分たちのものだった。 
 
フランチャイズに加入すると広告から資材の仕入れ営業の展開の仕方まで全て指示される。作ってもらったチラシで営業し現場を取れば仕入れする。ただそのサイクルに組み込まれるだけだ。オリジナルとか自社の特徴なんてのはない。 
 
山の手入れから職人の仕事まで全てメーカーに置き換えられてしまった。職人が足りなくなれば簡単施工の建材を開発しコスト削減する。職人の仕事のやり方から価格交渉まで全てノウハウがある。それに対抗して地元業者が残るのは相当な苦労がある。 
 
ただメーカーの家つくりは基本は建売だから選ぶことしかできない。全くのオリジナルとかこだわりのようなものは無縁だろう。家がそんなもので良いと思えばメーカー住宅で十分だ。個性とか差別化と言われる時代だが住宅は逆方向にいっている。それは違うと思う方もいるわけでそう言う方のために当社は仕事を続けている。


健康第一

今日も相変わらず雨、低気温。もう何日続いているか。午前中は会計事務所来社で午後は打ち合わせ。お盆も過ぎてどことなく閑散としている。スーパーとかも駐車場も空いている。 
 
今年のお盆は天気が悪く冷たい夏になった。いつも親戚が何人か来るので相手をしないとならない。合間に墓に行ったり線香をあげに行くところもある。行かなくてはならないところは年々増えて回るだけでも大変だ。 
 
自分が60代後半に入ると亡くなる親戚も90代以上が増えた。もう少しで100歳とか皆長生きになった。私は母親より長生きして父親とは後10年で追いつく。両親は長生きしなかったと言うことだ。 
 
今まで通りに仕事はするし病気もないから引退とかは考えない。なので特に自分が高齢者に近いと言う感覚がない。なのだが親のことを思うと亡くなってもおかしくない年齢だ。 
 
年金だけでは足りないし貯金なんてあるわけもないし心配ではある。多分両親のように財産は残せない。残せないが元気なうちは働いて何とか周りに迷惑はかけられない。健康が一番なのは当然として精神的に落ち込まないようにしている。 
 
幸いなことに古民家リフォームは好調で仕事が出て来た。相手は同年代だから気が楽なところはある。自分に思い当てれば設計もキモがわかる。さらにこだわりがある方が多いから得意の分野だし仕事自体が面白い。 
 
毎日健康に良いと言われるものは何でも試している。肉やインスタントはほとんど食べない。昔からあるものを優先して食べる。漬物とか甘酒、ヨーグルト、ジャム…作れるものは皆家内に作ってもらう。極めて健康な食事をしている。ただ不健康なものは会社の資金繰りだけである。


手書き

今日から仕事開始、と言っても昨日も一昨日も事務所へは来てましたがね。今年のお盆はヤマセで気温が低く半袖を着る時がない。来客も上着着用でお盆らしくない。そう言えば先日のお祭りも涼しかったのでズッと続いているってことですね。 
 
こんだけ続けばコメには影響が出るでしょうね。休み中の自宅倉庫を片付けには助かりますがね。ちょうど次の現場との端境期で片付けるにはちょうど良いのです。あまりやりたくない仮設トイレも磨いておきました。 
 
今日は朝から明日の会計事務所来訪に備え伝票書き。先月で決算なので膨大な仕事量だ。やっと目処がついてブログを書いている。基本的に伝票は手書きなので指や手が痛くなる。普段はこんなに手書きすることがないからだ。 
 
手書きをしないと漢字を忘れると言うが略字ばかり書いていると元の漢字が思い出せない。いつもワープロで自動で出た漢字を選ぶだけなので書けなくなる。書くのと読むのとの違いだろうか。 
 
読めても書けない字はたくさんあって増えている。そのうち読むだけになるかもしれない。同じことは他にも言えて車が自動運転になったら手動で運転できないだろうか。高齢化社会には都合が良さそうだが車好きにはつまらなくなる。 
 
叔父叔母が高齢になり免許を返上したのもいる。運転をしなくなると極端に出不足になって時間が余ると言う。まだ自動運転が未発達なので自由に呼べるまではいかないようだ。カーシェアもまだまだだしタクシーでは高くつく。 
 
自分的には何とかボケないで自分で運転したいと思っている。同じように字もかけるようにたまに書くことも必要だろう。もちろんブログのように文章を書いたり設計で図面を書くのは続けたい。あと10年、いやできればもっと続けたい。


手直し

昨日も1日図面描き。今日は午前中はお施主様のところで手直し。午後からまた図面描き。ほぼ1日雨だったので外に出なくても良い。明日からお盆になるし電話も鳴らず静かな一日。 
 
手直しは仏壇脇に故人の写真を並べたいと言うものだった。長押がつかない現場だったので長押がわりの板を取り付ける。ついでに写真もヒートンをつけ釘で止める。ものの2時間ほどで終了。 
 
5月から3ヶ月経って改めて眺めるとキッチリと作り込んだのがわかる。現場は引き渡し前より後の1年後くらいの方が良否がわかるものだ。直後は欠点さがしに忙しく公平に見れない。時間が経って来ると改めてわかることが多い。 
 
建具の滑り具合とか板の塗装の色とか…だ。作った直後は塗装の色だが時間の経過で変わって来る。馴染むと言うか慣れると言うか良いところがわかる。欠点は引き渡し前に必死で探すから後からは無い。 
 
時間を置いて見ると工事中に分からなかった美点がわかる。自分で作ってあれだが良いフローリングだとか建具の開けたてがすごいとか後から気づく。作っているときに考え付かなかったことなのだ。 
 
もちろん新たな問題点も指摘されたりして出て来る。レンジフードの取り付け位置が低くて頭がぶつかる。規定通り付けているが下のガス台が奥行きが小さい。既製品は奥行き650ミリだが600ミリで作ってある。ガスとシンクが並列だから広くしようとした。 
 
奥行きが小さいと前に立つことになりレンジフードに近づく。先端をはね上げない水平タイプなので操作はしやすいが低い。で、背の高い息子さんは頭をぶつける。レンジフードは既製品を使うから高さが決まっている。天井が決まると自然に取り付け位置も決まる。既製品のように奥行きが大きいと近づかないのに製作品は奥行きをし伊作した。 
 
何でも作ると言うは易いが失敗も多い。その繰り返しでノウハウも溜まるのだが過去の方は犠牲になる。いつか何とか直そうとは思っている。建材で作ると言うことはこう言う失敗が少ない。それを上回る魅力があればお施主様は納得するのだが…..。


移動豆腐屋

霧雨が降り続きやませ気味の肌寒い天気。長袖に変えて打ち合わせが午前中あった。午後から事務所で図面作成。4時過ぎにいつもの豆腐屋さんを待って買う。半年も顔を出さなかったので馴染みのおばさん達と話が長くなる。 
 
かれこれ23年くらい豆腐の移動販売から買っている。ご近所のおばさん方も高齢者から順に減って寂しくなった。同時に引き取られたりして空き家が増えた。 
 
おばちゃん達との噂話はほぼその話。子供がどちらかの親と同居をしていれば亡くなると別な親が引き取られる。空き家の問題はほぼ介護のことになるようだ。遠くに引き取られた場合は残ったおばちゃんのところへ電話が来ると。 
 
設計している物件は同年代ばかりだ。リフォームか建て替えかと言うパターンだ。いわゆる空き家になるケースはその後のことだろう。夫婦が元気なうちはリフォームでも何でも前向きだ。 
 
ところが片方が亡くなったりして一人住まいとなると別な話になる。介護も近いから子供が出てきてなるべく金をかけないようにと要望される。60代が設計の最後となるのだ。その後は設計と言うより金を使わないようになる。 
 
同居が嫌で最後まで一人住まいもいてある日突然出てこなくなる。豆腐を買ったのはいつだったか思い出せなくなる。歩けなくなると買いに来れない。そして噂話で亡くなったことを知る。 
 
客ばかりでなく豆腐屋さんも少しずつ販売先を減らしている。あと何年続けられるかとか体調が悪いなどと言い出す。移動豆腐屋もあと何年続くか。