青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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古民家の風合い

午前中はなんとか晴れたが午後から雨。外部塗装中でなかなか進まない。それでも塗装屋は雨のかからない部分をせっせと塗る。内部足場もかかっていよいよ吹き抜け部分の工事にかかる。 
 
内部の壁が少しずつできてイメージがわかるようになった。プラスターボードを貼って柱梁のかたをつけると漆喰の出番だ。木部塗装は柿渋に松煙を混ぜて塗る。これでいきなり古民家風になるのだ。 
 
いつもは柱型は幅4寸でやるが今回は4寸5分にした。梁の型も大きいのでバランスをとる。梁だけがやたらと太くて柱が細いと変なのだ。胴差も同じでやや太くなっている。最後に貫型をつけると完成だ。吹き抜けは足場がないと施工できない。 
 
こう言った型は杉の厚板で作る。今までは4寸幅で製材し3寸8分で仕上げた。気持ち細く感じるのと迫力がない。やはり木は太くて大きいに限る。インテリアとしても目を引きつけるには太さは重要だ。ただ大きいだけでなく木目の曲がり具合も大切だ。 
 
ここは杉板ではこうはいかない。ケヤキとか広葉樹の木目の美しさは格別だ。たとえ板であっても幅40センチの厚板は本物なのだ。ただのプリントではこうはいかない。 
 
だんだんと仕上げもできて来ると少しずつ全体のイメージがわかるようになる。この辺まで来ると素人であるお施主様にもわかるようになるだろう。さらに塗装や漆喰ができると古民家の出来上がりだ。CIMG6362

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古民家リフォーム

朝から肌寒くヤマセのような天気。現場は大工と電気が入る。和室や梁の仕上げなどは息子一人で仕上げる。外部サッシの内側の障子は二枚引き込みになる。上枠や戸当たりなど仕上げるのは難しい。 
 
外部も塗装やコーキング処理が入るが雨で遅れる。外部だけでも完成させたいのだがなかなか進まない。まだ屋根の妻に格子をつけるが塗装してからつける。これもまだできていない。来週はピッチを上げて進めたい。 
 
内部は足場をかけて吹き抜け部分を作る。大工が済んでも塗装をして漆喰を塗る。足場はそのままかけっぱなしになる。その間に建具や照明器具をつける。そして一気に完成させる。床の養生を剥がすと完成になる。 
 
漆喰を使ったリフォームは珍しい。技術的なこともあるしそもそも似合いデザインが必要だ。今回も塗装は柿渋を松煙を混ぜて塗る。松煙は松の煤で柿渋に混ぜるといきなり古い建物のようになる。 
 
おそらく柿渋はおろか松煙を使うことはよそでは滅多にない。調合し塗るのだが柿渋は後から色が変わる。塗った当初はただ黒いのだがだんだん赤っぽくなり古民家のような色になる。 
 
新築の現場では経験があるがリフォームではなかった。真壁風につけ柱をして仕上げたことはない。梁もケヤキの厚板を貼って塗装する。曲がりも入るがこちらは本物だ。樹種により着色したり透明だったりする。古民家リフォームは今までの新築での経験が生かされている。CIMG6355


外部塗装

昨日の暑さとは一転して午後から雨になる。気温も急激に下がり上着が欲しくなる。外部の塗装中の現場は午後から中止。午後一番で製材所へ材木を取りに行き作業場へ搬入。現場を終えた息子が加工に来る。 
 
外部は正面の一階はささら付きの鎧張りだ。駐車場の物置も同じ仕上げになっている。道路から見ると一体で和風の仕上げになる。二階部分は三角の妻が見えている。そこも杉の小割で格子を作る。 
 
リフォーム前はサイディングのみのごく普通の仕上げが板張りや格子で和風の風合いが強くなる。玄関引戸も片引きの断熱ドアだ。同じ色に塗装予定なのでグッと一体感が出る。 
 
建材ではなく手つくりになるので風合いは良い。下見板を張ってからささらを付けたりするのが手間がかかる。今は上の妻部分につける縦格子を製作中だ。原寸を測り格子を組んで塗装をしてから取り付ける。 
 
塗装も格子は塗る面積が大きく時間がかかる。さらにピッチが細かいので数も多い。荒い格子では上品さが違って来る。この格子と下の板張りが外観のポイントになる。 
 
塗装は住宅会社の現場だとコーキングぐらいしか仕事がない。当社の現場では板張りや内部も現しなので塗装が多い。だから現場へ来る日数が2週間にもなったりする。普通ではありえない。左官屋と塗装はセットで仕事が多い方だろう。CIMG6351CIMG6353


普請道楽

今日も暑い。午後は少し蒸し暑い。展示場や事務所の草刈りをした。駐車場もあっという間に草だらけになる。除草剤を撒けば良いのだが何となく体に悪い気がして気が進まない。隣の公園は何度も草刈りをして綺麗になっている。 
 
事務所は平成6年に建てて展示場は22年に建てた。事務所は24年目に突入で展示場も7年目になる。月日が経つのは早いものでトラック同様あっという間だ。しつこくトラックも使い続けるし事務所も安っぽく建てたわりにはもつ。 
 
順序から言うとトラックが最初で次が事務所、さらに展示場になる。その間自宅も増築したし倉庫も建てた。我ながらよく建てたと思う。だから借金があると言うことだが。 
 
普通は一度か稀に二度しか家を建てない。私は自宅を29才に建てその後増築した。自宅裏には倉庫まで建てた。その間に事務所展示場だから家を建て続ける一生と言っても良い。最初の家は息子夫婦が建て替えをしている。 
 
驚くことに自宅には親の家もあって今は私が住んでいる。とにかく建物が好きでせっせと建て続けたことになる。親の家も私の自宅後に私が建てた。親の資金も含めてだが建築工事費の合計はすごい金額になる。倉庫や息子の家も含めれば7回になる。
 
これも一種の普請道楽とも言えるのだろう。自分の技術や設計能力に合わせてその都度違う建て方をしている。最後が展示場で古民家風になっている。言わば最後の究極に理想の家だ。今もその路線で仕事をしている。CIMG63482


曲がり

比較的時間が取れる一日。午前中は現場で化粧の梁の取り付けを見る。午後から作業場と打ち合わせ。途中伐採の話で山に行く。事務所へ戻りブログの後また製材所へ。 
 
新緑の山はミズキが白い花を咲かせて目立つ。ヤマボウシも似ているがまだ早い。遠目には似たような木だ。雑木林の天然林。栗、ナラ、山櫻、イタヤ….どれも径が30センチ前後と梁や柱にはまだ早い。しかし適当に曲がって曲がりの梁には向いている。 
 
結構曲がった木は市場に出てこない。買い手がいないのでチップ用に出される。よほど太くない限り2mに切ってチップ材になる。建築用材に出せば単価は3倍になる。もちろん太さとまっすぐかどうか重要だ。 
 
曲がり材として買うなら長さ4m一曲がりが条件になる。一曲がりと言う所が重要だ。製材して形の良い曲がりになるかどうかだ。直径30センチ前後は滅多に出てこないから山で買うしかない。50センチとかになるとたまに出るが。 
 
古民家には栗や松の曲がりが多く使われる。手に入りやすいのと加工が容易なのだろう。やはり少し変わった木の方が仕上がりも断然良い。槐とか山サクラは色も黒かったり赤かったり綺麗だ。赤松とは比べるべくもない。 
 
そう言う丸太が手に入ったら両面だけ挽いて乾燥させる。その際皮をつけておくと虫が入る。直径5ミリほどの穴で結構深く入る。何年も死なないので穴だらけにされる。皮を剥けば入らない。 
 
そんな木がある伐採の現場で直接交渉して買い取る。皮を剥いたら倉庫で2,3年は乾燥する。しっかり乾燥しないと割れたりしやすい。また虫に食われたら虫穴に薬を入れて確実に殺す。後で蛾が飛んだことが何回かあった。