青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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割れの進行

今日も大工が最後の仕上げ。二人残って玄関周りと掃除。残材やゴミを片付けて下駄箱だけを残す。息子一人で最後までやる。電気工事と塗装は継続し明日もずっと続く。 
 
いつも最後のゴミ出しは私の担当だ。ピックアップに満載のゴミや残材を積む。もちろん中の清掃をしながらなので一日がかりだ。埃が舞う中の作業はキツい。口の中まで埃にまみれる。なので大工たちはマスクをして作業する。プラスターボードをカットした際に出る粉塵が原因だ。 
 
大工二人は曲がりや大黒の養生を剥がし傷を見てサンダーをかける。ストレッチフィルムを巻いて乾燥を防いでいるが風に当たって乾燥する。割れるということだがこれは仕方がないことでもある。フィルムを剥がしたらすぐ塗装をしないとわれが進行する。 
 
何年乾燥をしても割れるものは割れる。加工をしない丸太のままでも割れる。ましてや製材したものは応力が変化するから割れることになっている。そういう理屈はともかくお施主様は永遠に続くのではと心配する訳だ。 
 
建ててからの割れは2,3年進行する。5,6年すると進行は止まってくる。その後は時間をかけながら上棟時の状態に戻ってくる。その時間経過が10年もかかるからなかなか理解してもらえない。まあ信用しろという方が無理かもしれない。


大工の最後

今朝は冷え込み雨も降る。朝一で羽目板の加工屋に行った。加工する板を見て数を決める。在庫で間に合うはずだったがモノが良くない。だから残っているのだが。たまたま栗の板が在庫してあったので交渉した訳です。 
 
現場は仕上げが急ピッチで進みほぼ玄関を除き完成した。ヒバのカウンターをつけて栗の羽目板を貼れば完成だ。明日から大工が二人になり細々と補修したりする。塗装屋も入っているので余り埃をたてて欲しくないのだが仕方ない。 
 
ヒバの下駄箱カウンターは厚さが10センチ奥行きが50センチある。当社の加工機械に入る最大寸法でギリギリ間に合った。ヒバの厚板は乾燥して反ってくるので反りどめの欅を入れた。縦に横断するように3箇所入れる。こうすると反らないのだが収縮の割れは防げない。端の方から小さなっ割れが入って来た。柱の内に入れて広がらないようにしてはある。 
 
階段手すりもどうやら完成してサンダーをかけて終わりだ。この最後の仕上げが肝心で手触りや見た目に大きく影響する。とかく大工は面をとって終わりにしたがる。これだとどこか仕上げが粗雑に見えるし第一触っても良くない。 
 
応援に来たベテラン大工にほぼ任せきりだったが21週間かかった。当初から息子は2週間以上かかると言っていたがその通りになった。やはり早くとは言っても限度がありやるべき順序がある。CIMG5981

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塗装

今日から塗装屋も入って現場は7人もいて混雑する。大工は傷などの補修やら棚をつけたり最後の追い込みになる。階段の手すりも何とか頑張ってもらってできた。カップボードも箱は完成してあとは組むだけ。一階の腰板がまだなので明日からできそうだ。 
 
写真を撮り忘れてあれだが木は塗装でかなり変わる。目がくっきり出て少し暗い感じになる。広葉樹もサンダーをかけてあるので粉が吹いて白っぽいが塗装ですっかり変わる。本当に生き生きしてくる。 
 
階段と手すり関係が欅なので塗装でさらに良くなる。リビング周りは欅が多いので塗装でだいぶ印象が変わるはずだ。腰板も栗でしかも床はウネウネと模様が強い桜だ。お施主様がすごく気に入っていて養生に隠れて見えないのが残念だ。 
 
塗装が木を生き返らせるとしたら漆喰は引き立て役になる。白と木の色はすごく相性が良くて綺麗だなのだ。板を貼ったり木をふんだんに使っても良く見えるとは限らない。板張りの部屋はただの小屋にしか見えない。漆喰があってこそ引き立つのだ。 
 
私のお施主様は大概木が好きな方が多い。なのでついどこもかしこも板を貼ったりする。しかしバランスが悪いと何の変哲も無い小屋になってしまう。そこを説得したり誘導するのがこちらの仕事なのだ。施主は素人なのだからよくわからないのが当たり前だ。 
 
木を組むだけでなく目や乾燥度を見て適切な選定が最初の仕事だ。次が加工で後で隙間が開かないように刻みもノウハウがある。そして組み立てで組んで行くまでが大工の仕事だ。その後は塗装や漆喰など設計者の仕事が多くなる。これからも木の抜けない期間が続く。CIMG5974


屋根裏

今日も現場は大工の最後の追い込み。5人がかりで何とか今週中にめどをつけたいと思っているがどうなるか。明日から内部塗装が入って二階から開始する。今日は二階を終わらせるために養生を剥がしサンダーをかけたり仕上げた。 
 
吹き抜けの工事がやりやすいように内部足場を組んだ。二階天井が野地現しなので勾配がある。雲筋違代わりに貫を通し込栓ををする。曲がりの上に柱が乗り貫で振れ止めにする。昔の家はそうやって屋根裏の野物や梁を固定した。 
 
現代の住宅では天井は水平と決まっているが昔は天井そのものがなかった。農家であれば藁葺き屋根の裏がそのまま見えたわけだ。今回は構造や野地板をそのまま見せた。安上がりなのかと言った方もいたが手間も材料もとんでもない。 
 
ほとんどこう言う建て方がなくなって水平に天井を張って隠している。本当は屋根裏部屋のような面白い空間が隠されてしまう。一階は天井が高く二階は構造現しの低い天井になっている。いや低いのではなく勾配だから平均高さは結構なものだ。 
 
一階の豪快な大空間と二階の屋根裏部屋の比較で住む方には飽きないだろう。もちろん二階の現しの材料は無節だから構造の美しさを存分に楽しめる。二階の個室から一階に降りてくる途中で屋根裏の構造を毎日見れるのだ。これは住む方にとってこの上ない喜びになるに違いない。CIMG5967

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ヒバと欅

昨日よりいくらか冷え込んで肌寒い。日中は気温が上がって作業場は中の方が冷たい。息子は下駄箱とカップボードの加工の真っ最中。下駄箱は総ヒバ造りで天板は厚さが10センチある。奥行きも50センチとかなり大きい。 
 
ヒバは割れやすく縮むし反る。やっかいな木で加工もそれなりに経験がないと難しい。50センチも幅があると反るので反り止めを何箇所か入れる。加工をしている最中でも割れてくるくらいデリケートな木だ。お施主様たっての希望なので難しいと断れない。 
 
リビングの中にカップボードを作りつける。こちらは総栗造りで天板は厚さが9センチ幅が36センチある。もちろん無節の良材で乾燥も十分だ。最初欅でと思っていたが腰板が栗なので同じにとなった。中の仕切りや棚も全て栗だ。今回はキッチンを始め作り付けが多くて大工が加工するので手間がかかって遅れてしまった。 
 
息子はそう言う加工が得意なのだがこれだけの数になると毎晩遅くまで加工しないと間に合わない。日曜もほとんど加工で孫が遊んでもらえないと文句が出た。木が好きで加工したりするのが好きでないと当社の現場は務まらない。 
 
応援の大工たちは欅の階段手すりに精を出す。柱に直接穴を掘り作るのだが非常にやりにくい。欅の手すりを相手が大黒や欅の柱が多いのでなお面倒だ。掘るのも入れるのも全て欅なので硬くて加工が難しいのだ。やり慣れない大工だと直ぐ音をあげる。 
 
応援の大工は年配の親の方が専門に加工する。今日で1週間になるがまだ4,5日かかる。夕方になるとフウーと息を吐くのが聞こえてくる。ベテランと言えども欅の加工はシンドイのだろう。あと4,5日頑張ってもらわないと。CIMG5952