青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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遮熱壁

昨日よりは気温も上がって晴れた。外部塗装も半分ほど終わり今週中には完了しそうだ。その後は雨樋をつけて小壁の漆喰になる。大工は二人は作業場で加工、二人は現場で作業をする。加工も終わって明日から人数も増えピッチが上がる。 
 
来週中で大工が終わると塗装をして内部漆喰になる。大きな吹き抜けがあるので内部足場をかけないとできない。モルタルを持って足場の昇り降りも結構な作業になる。100坪前後はありそうなので3人くらいで3週間ほどになる。 
 
その後の仕上げは各業者一斉に始まるのですぐ終わる。左官屋は外部と内部の漆喰の他に玄関のタイルとストーブの遮熱壁がある。消防の基準があってストーブの大きさや能力で高さも決まっている。 
 
鉄板やタイル貼りが多いが内部の壁と離れているのが前提になる。鉄板は良いとしてタイルは下地のコンクリートが必要だ。ブロックを積むのが多くて簡単で早い。仕上げは今回は十和田石を張る。 
 
十和田石は関東では伊豆石と呼ばれ軽石状の穴があるので加工が容易だ。大谷石も似た様な石だがこちらの方がいくらか緻密で硬い。滑りにくいので浴室の床など用いられる。耐熱性に優れ和風にもマッチする。 
 
ブロック下地に厚さ20ミリで四角い板状のものを貼る。内壁から23ミリ以上離して基本的には壁とはくっつけない。つまり自立して立っている。だから転ばない様に直角に曲げて作る。後ろ側は隙間になってゴミが溜まるとか気にする方もいる。もちろん後ろは塞いではいけない。CIMG5896


一匹狼

昨日の雪が残って一面銀世界。曇って雪がちらつき外部の塗装は休み。大工だけが現場で進んでいく。作業場では今日も二人で加工をする。木曜から二人応援が来るので下地などを加工しておかないとならない。人数が増えると一気に進んでいくからね。 
 
今月に入って大工たちが春の現場までの”空き”が出てきた。つなぎの仕事を求めて当社にも声がかかった訳だ。本当はもっと早くから欲しかった応援ですが仕方がない。今からでも遅くないのでスパートをかけていきます。 
 
職人不足が深刻な建築業界ですが専属の雇用関係を結ばないフリーは今でもかなりいる。当社の大工も基本的には会社雇用はない。仕事が出た時だけ集まって来る仕組みです。無いときはよそで応援として働いている。 
 
雇用関係にないので失業や各種保険類も自分持ちだ。基本的には皆一人親方と言って自営業者なのです。自分で健康保険や年金をかけている。大工はまだ多くいるが他の職種ではサラリーマン化が進んできた。 
 
雇用関係があるので毎日来るとか車や道具も用意してもらう。仕事がなくてもある程度保証されている。大工たちは仕事がなければ無収入な訳です。そこまで一匹狼ではなくサラリーマンと職人の中間的なところもある。 
 
仕事や道具や車は会社が用意して働いた日数で給料を貰うところもある。職人の囲い込みもあって最近は一般的になってきました。ボーナス的なもので優遇する訳です。 
 
当社も一時は息子を中心にそう言う組織を考えたのですが肝心の大工が嫌う。今まで自由にやってきたのがいきなり籠の鳥にはなれないのです。金の問題ではなく自分の働きやすい環境を求めてフリーでいたいのでしょう。サラリーマンには好き勝手に休んだり嫌いな奴がいたら辞めるとか理解しにくいところです。IMG_0078


工期

朝はなんとか保ったが雨に変わり外部塗装は中止。大工は半分に分かれ二人は現場、もうひと組は作業場。今月中になんとか大工工事を終わらせないと工期が遅れてしまう。あまり言わないようにしているがピッチをあげるように指示する。 
 
私はどちらかと言うと工期が遅れ気味でも丁寧な仕事をするようにいつも言う。住宅会社などは念仏のように早く早くと急かせるが嫌いだ。どこか他の部分でツメることを考える。家は大工が半分以上を握っている。 
 
木の家は小さなことでもきちんと作るのが肝心で長く保つ家は丁寧な仕事しかありえない。工期をかけない方法は建材とか出来合いを使うかやるべきことを端折るしかない。どちらも当社には馴染まない。 
 
しかし施主の立場になれば工期を守ることは重大なことだ。大工は今4人いるが明後日から二人応援が来る。都合6人で急ピッチで仕事が進むと思う。次の現場までいてくれる条件で頼んでいる。大工は長期的に契約すると見つけやすい。 
 
今週は壁の仕上げと一階天井を予定している。腰壁が多いのでそれにも時間がかかる。家全体の半分以上が腰壁付きになる。材料もだが手間も半端でない。杉とかであれば比較的簡単だが全て栗になる。腰板は下の巾木と上の見切りがないとできない。 
 
板が栗なら巾木見切りも栗なのでかなりの量を必要とする。幸いなことに土台を挽くと皮から板が出て来る。これを長年溜め込んでいるのでたくさんあった。フローリングを作るには不足する量で板材で在庫してあった。それを加工すれば作れる。 
 
もう一つはサクラと赤松のフローリングを作ったが栗も少し作っておいた。次の現場にと思っていたが腰板に使うことを思いついた。腰板は羽目板を縦にして使う。羽目板は目地が大きいがフローリングは突きつけになる。貼った感じが大きい面積だと中々面白い。


薪ストーブ

朝から曇りがちで雪がちらついてきた。朝一番でアフターの現場へ行った。建具の調整で済んだ。その後現場へより今日は塗装、大工、電気と総勢14人もいる。もちろん車は溢れ久しぶりの大盛況だ。大工は一階の巾木をつけたり内法をつける。月曜から応援が二人来る予定でボード貼りをする。 
 
アフターのお宅はスラブヒーターを設置した現場で朝方だけエアコンをつけている。オール電化なので電気代が気になるが2万6千円前後という。 
 
私は電気とガスと灯油で冬は過ごす。真冬の時期なら3万円はかかる。夏は1万5千円くらいだがオール電化は7,8千円だと言われる。大震災以来電力会社はスラブヒーターの設置は控えるように指導している。省エネエアコンの設置に熱心だ。 
 
電気に限らずエネルギーは時代によって変わっていく。電気が高い頃は暖房も灯油が普通でガスと灯油の組み合わせが多かった。時代変わってガスと灯油が電気になってオール電化の波が押し寄せる。 
 
大震災以降は省エネの志向が強くなりヒーポンとかエアコンの時代になった。太陽光が普及するといよいよ省エネ志向になって薪ストーブが大流行りだ。当社の現場も薪ストーブが多くて冬になると現場の残材が人気であちこちから頼まれる。 
  
薪ストーブは暖かく薪さえ手にはいれば安くつく。ところが住宅密集地でお隣に煙が流れてトラブルになるところもある。郊外とか広い敷地とか条件がいいところでないと無理がある。もちろん薪を自分で作るとかであればなおそう言う土地が必要になる。 
 
チェンソーとかトラックも欲しくなるし積む場所も必要だ。そう言った仕事を楽しみと思うような方でないと難しい。やってみると意外に重労働で体が痛くなる。ほとんど薪ストーブとなるとできたものを買うことも検討しないといけない。それはそれで相当な金額になるし安上がりとは言えない。 
 
使って良いなと思うのはやはり暖房能力が大きいので家中暖かい。輻射熱で一度味わうと他の暖房では我慢できない。その魅力に勝てずせっせと薪作りに精を出すことになる。 
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手間暇part2

徐々に気温が下がり夕方には雪もチラつく。午前中は図面、午後から打ち合わせ。合間に振り込みや支払いなど。月末の忙しさが過ぎてもまだ発注やら加工の打ち合わせが続く。ひっきりなしに携帯が鳴り各職種から問い合わせでこんがらかる。 
 
こんがらかるなんて言ってられないのだが次の基礎の打ち合わせの最中に今の現場の水道屋から電話がなる。すぐに頭が切り替わらずトンチンカンなことを言って職人に怒られる。4,5年前には常に2,3件はやっていたから少し老化が進んだと言うことか。 
 
倉庫に溜まった在庫のように役にも立たない知識が増えてきた。お施主様にカッコいいことを言ったが大工に無理だと言われる。慌てて訂正に走るが喜びも大きい分落胆も大きい。しこたま嫌味を言われて落ち込む。 
 
少しでもこだわった家をと思い在庫である材料を使って見積もりにない仕様を考える。考えただけだったら済むことがお施主様に言ってしまうと義務になる。後で材料が足りないとか使えないとかで言い訳する。こだわる方は喜ばせた分落胆も大きくてしばらく険悪な雰囲気になる。 
 
もちろん悪気なんてなくて少しでも良くなると思い提案するのだが早トチリしてしまう。在庫をチェックしてから言えば良いものを営業トークもあって喋ってしまう。辻褄を合わせるためにあちこち在庫を聞いたりなんとか納めるように走り回る。んで、うまくいけばハッピーエンドなのだが世の中そうはうまくいかない。 
 
ただこう言うやり取りの中で少しでもお施主様の意向が確認できたり良い方向に転がることもある。羽目板で言えばどんな種類があるかなど施主が理解する。その中から自分が選択できることになる。通りいっぺんな当たり障りのない仕様よりよっぽどマシだろう。 
 
普通はこんな面倒くさいことは業者はやりたくない。サッサと済ませたいのが本音だが施主様の立場になると違いは大きい。こだわる方は満足度が違う。それは大きなことばかりでなく些細なことにも言えるから限りなく手間暇を開けると言うことになる。大工の手間暇だけでなく設計も手間暇をかけている。CIMG5886