青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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漆喰

本格的な春の気配が濃厚で現場は塗装も入って活気付く。指定の色とあまりに違うと大工や皆が心配したが間違いはない。重ね塗りを3回予定しているので1回目はすごく薄い。間違えたのかと思うほどなのだ。太陽が当たっていたのもあった。 
 
応援の大工が今日から増えて来週にはまた来る予定になっている。遅れ気味の大工だがボード張りなど少しピッチを上げないと。ボード張りや腰壁張りは面倒な仕事ではない。大工なら誰でもできるから人数次第でピッチが上がる。なんとか遅れを取り戻して今月中に内部の左官を開始したい。 
 
ボードを張るためには床が済んで巾木をつけてからはる。もちろん下地調整も必要で電気配線等も終わらないといけない。ボードを貼ればすぐ塗装をして漆喰になる。塗装はすぐだが漆喰は時間がかかる。まず下塗りをして乾いてから仕上げ塗りになる。下塗りの後4,5日は置かないとならない。 
 
あまり置きすぎると仕上げの付きがが悪くなり綺麗にならない。だから下塗りと仕上げが同時に進行した入りする。塗る職人と練って運ぶ職人に別れてやる。塗りに三人なら練りに一人と言う具合だ。練りも重要な仕事で練ってから置く時間もみて専門にやる。 
 
最近はあまり塗るところも減って左官屋も腕が震えると言う。手のひらに一握り乗せて畳一枚くらいに伸ばす。仕上げは0.5とか薄いので緊張すると言う。家一軒全部漆喰と言うのが滅多になくなって職人は腕が鈍ってしまう。 
 
だいたいどこの左官屋も練りと塗りは専門化している。いつも同じのがやるのが多い。練りは二階まで運んだり結構体力仕事だ。夫婦で左官屋だと奥さんが練りと運搬をやっている。見ていると結構力仕事なのでかなり腕力があるのだろう。慣れるとできると言うが。


小さな積み重ね

気温が上がり春の陽気。朝一番で羽目板の引き取りに行く。約束の日を間違えて向こうを慌てさせてしまった。全く私のミスで月末もあってボケをかましてしまった。すぐ現場へ搬入し壁貼りの開始に間に合わせる。 
 
現場はフローリング張りの真っ最中で一人は壁貼りになる。土曜から始まってやっと半分まできた。昨日一昨日と休みがあって遅れている。作った方の桜から貼り始めている。リブングの目立つ部分から始まったので息子が一人で貼った。 
 
残った部分は廊下キッチンとかバックになるので楽といえば楽だ。やはりリビングは目立つし形も変形で難しい。貼り方は大壁と真壁は違う。柱とか出ていない大壁は上から巾木で抑える。真壁は抑えるのがないので柱など出ている部分はフローリングを差し込む。 
 
その差し込む部分を予めカットしておく。そこに差し込むことで後で浮いたりしなくなる。大壁の巾木の役目を果たす。現しが基本の真壁は手間のかかることが多い。その分後でしっかりした仕上げになって大壁のどこか隙間風が吹く家とは大違いだ。このことを施主様に理解してもらうのは難しいことではあるが。 
 
遅れ気味の大工に対してどうして早くできないのかと言われることがある。端折れば時間は節約できるが当社のやり方ではない。差し込む所は差し入れる部分はきっちり入れる。突きつけが普通のところでもきっちりと溝をつけ入れる。下地を組む時も水平を見てプレーナーをかけるところはやっている。 
 
そう言う小さなことの積み重ねがキッチリとした家になる。どこが違うのかわからないが他と少し違うと言われたことがある。やるべきことを全てやってキチンと仕上げることが当社の家つくりだ。CIMG5879

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外部塗装

気温が上がりすっかり春の気分。現場は大工が休みでお施主様にもお叱りを受けました。明日からフルメンバーでピッチを上げないと。昼近くまで現場で打ち合わせをして内装もほぼ決まりです。あとは完成までフル体制で行くよりありません。 
 
大工もですが外部の塗装が始まります。塗装をしないと日焼けで跡がつきます。着色なのであまり気にならないと思うのですが。今回はシッケンズを塗る予定です。自然塗料とか色々試したのですが耐久性では一番優れていると思います。 
 
自然塗装と呼ばれるものは各種あるのですが劣化が激しくてそう言うものと割り切る覚悟が必要です。塗装と思ったら少し違います。木部の劣化を遅らせるぐらいの効果しかありません。一度塗ったら2,30年持って欲しいのであれば着色の油脂系の塗料が一番です。 
 
過去には柿渋や焼き杉など試したのですがやはり劣化はかなりあります。4,5年で塗った色が取れて古びた感じになります。これで良しとするなら問題はないのですが逆にクレームと思うような方には勧められません。 
 
ホームセンターなど出回っているのはキシラデコールですが木目が消えるなど濁った感じです。シッケンズの方がいくらか透明性が高いと思います。劣化も優れているので10年くらいでは変化しません。気をつけないとならないのはクリア塗装は劣化が激しいので使わない方が無難です。 
 
過去によく知らなで使ったのですが4,5年で劣化が目立ちます。経験不足を反省するのみです。着色は一種のボロ隠しのようなもので劣化を隠すのです。木は劣化して当たり前と言う方なら問題ないのですがね。CIMG5877


大工の休み

大して気温が上がった訳でもないが日が出て暖かい。現場は大工が二人休んで息子だけ。遅れ気味なのに参ってしまう。大工は基本的には雇用関係にはない。息子は例外としてあくまで日毎に雇っているに過ぎない。だから気が向かないと休んだり他から応援を頼まれると来ない。 
 
サラリーマンならクビ問題だが大工の世界では当たり前のことだ。逆に怪我や病気で休んでも保証もない。まさに日給の世界だ。休むにあたって特に前もって言うこともない。前日にあすはこない…..で済む。 
 
お施主様は細かいところにも注意を払う方なので休むと理由を聞きたがる。こちらは返答に困ってしまう。同じ職人でも他の業種は定着率が高く勝手に休むとかはない。大工それも一匹狼を集める場合だけそうなる。月給制のところもあって仕事の有無に関わらず給料をもらえるところもある。 
 
今日は一階の例の桜フローリングを敷いている。土曜から3分の一ほどできた。桜それも国産桜なので硬さも目も中国産の西南サクラとは一味違う。色もピンクが濃く硬さも硬いような気がする。これが時間の経過で色が濃くなって飴色になって来る。 
 
今度の現場は板張りの面積が多く、今も増え続けている。お施主様の好みの問題だが以前は板を在庫して加工していた。今年から在庫を持っているところからその都度買っている。いつでもすぐ手に入るから資金繰りも助かる。しかも無節で値段も安い。 
 
加工の場合だと板が坪あたり5000円くらいで加工賃が3800円ほどかかる。乾燥する時間や持ち込みの運賃もかかる。できたものがすぐ手に入るならこちらの方が良い。必要なぶんだけ買えるからさらに助かる。在庫の羽目板は今度の現場で相当使ったのであまり残っていない。 
 
作った時は色々な木を加工したのであまりも様々あってポイントで使う場合は便利だった。在庫がないと決まったものしか使えない。ほとんど杉材になってしまう。面白いくて個性的なものを作ろうとすると色々金がかかると言うことだ。CIMG5864


桜の根っこ

朝早くから現場でお施主様と打ち合わせ。ご夫婦と娘さんがに来ていただき各自持分の確認。収納とかトイレは奥様、娘さんは自分の部屋。ご主人は全般、て言うか予算的なこと。とにかく希望を取り入れることが肝心なのだから聞かないとならない。家族みんながそれぞれの意見を持っているのだから。 
 
こだわりの大部分はご主人の木に対する部分だ。今日から一階の床を貼り始めた。私が在庫で持っていた桜の根っこのフローリングだ。ヤマサクラとか中国産の西南桜など各種の無垢材がある。どれも一般的な模様で当たり障りのない柄になっている。誰が買うかわからないから当然だが。 
 
私の桜は公園の伐採で出た根っこに近い部分だけの桜だ。普通は製材も難しいし歩留まりも悪いので誰もフローリングにしようとは思わない。ウネウネと模様が強く相当な癖がある。普通は手に入らないだろう。 
 

種類から言えば吉野桜だと思うがヤマ桜に比べやや柔らかい。公園の木だから横に伸ばして詰めているから短い。根っこの部分だけだから太いのは太かった。中心が腐っているのも多く製材の歩留まりは非常に悪かった。つまり高くついた。 
 
今回の現場が決まって最初に思いついたのが桜だった。この現場こそ似合うと強引にお施主様を口説いた。いや口説くまでもなく快諾してもらった。今後月日が経って赤みを帯びた桜のフローリングは硬くて傷がつかないし宝物のようになるに違いない。もちろんこの世に二つとないものでもある。 
  
大黒柱や曲がりの梁も貴重なものだ。しかしどこかで見ることがあるものではある。予算さえかければ誰でも似たようなものは造れる。このフローリングは二度と作れないから価値は断然上だ。 
 
そう思ってくれそうな施主が出たら使おうと3年近く積んでおいた。置き過ぎて腐りかかったのもあって歩留まりが落ちて損をした。そのぶん価値があってそれを面白いと思ってくれたら本望だ。これからは加工屋もないし在庫することもないのだから。CIMG5873