青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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失敗例

今日は現場や打ち合わせでほぼ一日事務所に戻れなかった。挙句に午後になると携帯の電池切れで音信不通状態。下駄箱のカウンター材のヒバをお施主様が探して来て作業場に運んだ。どうしてもと自ら探して来た。こちらは業者とか製材所を探すのだがヒバ材は割れやすく在庫が少ない。 
 
夕方から現場へ行って色々チェック。大工は軒裏の工事であと少しで終了。息子は外壁のささらを加工中で来週初めにはなんとか外部が終了予定。続けて外壁の塗装になるが今回もシッケンズの予定だ。外部の木部塗装はキシラデコールとシッケンズが多い。  
 
どちらかと言うとキシラデコールは濁り気味でシッケンズの方が木目が出る。外部の木部塗装は透明は保ちが悪い。変色や割れが出てくる。メーカーも着色の塗料を勧めている。過去には知識不足もあって透明を塗ったところもある。今見ると相当劣化が激しくて変色している。 
 
現場をこなすことで覚えることも多い。過去のお施主様には申し訳ないことだが一言念を推しておくべきだった。失敗例ならいくらでもある。建材とかであればメーカーとか建材店からの知識もあるので失敗は少ない。 
 
木の家とか無垢材の世界は先例があったり修行先で覚えるとかしかない。修行もなくいきなり独立は冒険だった。失敗はお施主様に迷惑をかけてしまう。もちろん何度も手直しは経験済みで金額的にも相当な負担になる。そうやって覚えた知識を後継者に伝えることができないのは残念なことだ。 
 
ただ息子が大工と言うのであれば分野は少し違うが伝えることもできる。設計者としてではなく職人として生きていくのだから生きた知識ではない。心構えとか信念のようなものを教えられたら思っている。CIMG5839


キッチン

今日も暖かく昼前から雨が降り始める。外部工事を中止して内部に集中する。大工が法事で一人休んで外部がなかなか進まない。昼前からお施主様と奥様で現場へお見えになりキッチンとかトイレなどを打ち合わせる。この辺は奥様でないと進まない分野だ。 
 
キッチンは洗う場所と火を使うところが平行に分かれている。真ん中を通路にして分けた。製作キッチンなので高さはもちろん奥行きも自由に決められる。枠組みから棚板まで全て杉材で作る。一部Jパネルも使うが基本は杉の無垢材。接いで奥行きをつくり厚みも重ねたりする。 
 
流しメーカーを使う方も多いが無垢のキッチンも根強い人気がある。細部の収納とか金物類が既成のものしか使わないのでそう言う部分はこだわれない。当社に依頼する方の多くは無垢の木にこだわる。たとえキッチンであっても無垢にしたがる。 
 
ご主人もグルメで自ら包丁を握ったりするらしい。包丁刺しとか自分専用の物もある。近年増えた男性のこだわりがキッチンにも及んでいる。奥様に任せきりでなく自ら口を挟む。見た目で言えばメーカーものには敵わない。しかし素材とか自分好みの部分を作れるのがこのやり方の良いところだ。 
 
誰でもこだわる部分はあるもので理屈ではあまり意味がないと思っても自分には大事な部分だ。棚板も無垢にすると言えば簡単そうだが反るのをどうやって防ぐかかなり面倒だ。既成の棚板材なら反るのはもちろん仕上げも簡単だ。 
 
デザインや使い勝手にこだわるのは普通だが一切の工業製品を拒否すると困難が待ち受ける。しゃれた色使いや機能などにほとんどの方が注目する。自分独自の世界ではなく皆と同じと言うのがポイントのようだ。金額は作っても既製品でも機能が同じなら変わらない。変わるのは素材とデザインだろうか。


煙突カバー

気温が上がると体の調子まで良くなる。久しぶりに10度まで上がって雪も溶け春間近と言う感じだ。現場も外部工事が捗りストーブの煙突カバーをつけた。お施主様自ら製作したステンレス製の立派なカバーだ。瓦に雪が積もって取り付けできなかったが今日やっとできた。 
 
カバーがつくと薪ストーブ業者が上部カバーを採寸して製作し煙突工事をする。来週には採寸に来る予定だ。着工後4ヶ月もかかって業者も心配したと思う。催促もきたがこんなに手間取る現場は聞いたことがないだろう。とにかく大工工事が途方もなくかかる現場なのだ。 
 
当初は応援の大工がすぐ見つかる予定で4,5人体制で行く予定だった。しかし短期の応援ばかりでずっといてくれるのが見つからない。やっと一人終わるまでいてくれる人が出てきた。一番最初に応援に来た大工でこう言う現場が好きなのか居ても良いとなった。 
 
大工に限らず職人不足は深刻で概してきつい業種が厳しい。土工とか屋根、水道など全くと言っても良いほど足りない。しかも今いる職人も高年齢になり辞めるのが出て来る。昨日もいつもの板金職人が70歳になったのでやめると。休みながらで良いから働いたらと言ってももう十分だと。
 
大工も似たようなものでいつまでたっても息子が最年少だ。住宅会社の現場へ行けば何人か若いのがいると聞いている。手刻みとか旧式の大工仕事となるとトンといなくなる。修行年数がかかるのが嫌われるのか力仕事が多いからかとにかく少ない。 
 
いずれ手刻みの家は希少価値が出て趣味の家つくりになるかもしれない。建材やプレカットは大工技術のレベルを下げたが同時に若者の参入も促した。大手の住宅会社などは自社の大工養成までやっている。伝統的な家つくりはごく少数の変わり者しか継ぐのがいないからもうすぐ廃れてしまいそうだ。CIMG5834


ブログ

夕方にかけて少し気温が下がった。今日は大工が二人所用で休み。息子一人で掘り込みのテーブル穴を作った。中にヒーターを埋め込み暖房する。遅れている外部工事がやっと外壁が終了し軒裏を残すのみ。 
 
HPの閲覧数が昨年夏以来増えている。半年ほどで倍増している。2015年の6月から現在のHPに変えた。2年ほど鳴かず飛ばずで増えもしなければ減りもしなかった。それが半年前からジワジワと前月を超え始めた。とにかく月を追うごとに増えるのだ。 
 
考えて見るとHPもブログも15年を超えた。最初のは自分でソフトを買って自作した。手作りと言えば格好がいいが下手くそなものだ。基本的な部分は同じだが少しずつ変化をつけ12年も続いた。それでも有難いことに閲覧数は増えて現在の半分ほどだった。 
 
伸び悩みがずっと続いて14年も変わらなかったのが今頃伸びてきた。思い当たることと言えば現在工事中の現場の写真を掲載したことぐらいだ。思っていることをザックバランに正直に書いてきたつもりだ。トラブルめいたこともあったがまあ平凡なものだ。 
 
自分をアピールするのはネットのおかげで簡単にできるようになった。ツイッターやフェイスブックフェイスブックもあるし手段には事欠かない。仕事用に考えたのでブログ以外はやっていない。 
 
家を建てるのが仕事だから建築以外のことはほとんど書かない。そんな面白くもないブログを読み続けてくださる方には感謝のみだ。誰が読んでいるかはわからないのがブログだが相手先のプロバイダーはわかる。同じ方が読んでいるのだろうぐらいしかわからない。 
 
以前建て方とか読んでいると言われたりするが基本的には誰なのかわからないのだ。なんとなく建築関係の方とか仕事で付き合いのある方だろうとは思う。本音を言えばこれから仕事に結びつくであろう方に読んでもらいたのだ。こう言う家の建て方もあるとかこだわりのある方とかそんなことがきっかけになれば良いと思っている。CIMG5828


AI

朝一番でメーカーと打ち合わせ。現場へ行く途中で板金屋と打ち合わせ。現場へ着いて電気と大工と打ち合わせ。残材を積んで作業場へ下ろし昼食。午後一で塗装屋へサンプルを作ってもらう。キッチン図面が遅れているのでセッセと描く。あっという間に夕方になりブログを書いて終わり。 
 
ネットのニュースを見ていたら10年後の世界のことが載っている。コンピューターの世界になるのは漠然と考えていた。現実にどう変わるかよくわからなかった。 
 
私たちの世代はビルなどの大型建造物や新幹線のような乗り物に感動した。街や物の外見上の未来に夢を抱いてきた。これからの10年後はネットの中の変化になって外見では分かりにくくなって行く。あらゆるものにチップやセンサーが埋め込まれそれがネットに繋がりAIが発達して行く。 
 
AIとロボットが社会の仕事を処理するようになると人間のやっていたものを奪って行く。その実態は単純労働とか工場作業のように一部に限られる。逆にAIでできないこと仕事が増えて行くだろう。 
 
建築の世界では大工や現場作業員は建材や機械の進歩で置き換えられる。設計とかデザインは人間しかできないし現場の管理も必要だ。2,30年前から見ると機械化が進み現場監督やガードマンも増えた。実際に働く職人は現場の人員の半分になった。 
 
住宅でもAIは確実に進歩してスマホと連動した機器が増える。冷蔵庫は中身を把握して不足するものを教えてくれる。空調はもちろん掃除とか風呂を沸かすとか素人でも思いつく。そう言った便利な機能は増え続ける。 
 
住まいは単なる箱ではないから癒しの空間とか趣味を生かす空間とかが必要だ。顧客の思い描くイメージ通りに図面化するのはAIにはできない。今でもその傾向があって自分の思い描くイメージの通りに家を建てたい方が増えた。イメージであるから具体的に理解するのも時間がかかる。 
 
住宅の業界は建売と自分のイメージにこだわる時間のかかる注文住宅に二極化している。その流れはますます加速して表面的なものから素材や工法までこだわるようになった。業界の人間が言う”ウルサイ”客が当たり前になった。CIMG5824