青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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Jパネル

朝早くから現場へ。気温は高めで雪解けが進む。電気と板金、大工が入る。打ち合わせ後事務所へ戻り業者との打ち合わせ。発注やら伝票を整理しブログ。 
 
現場でキッチンとか下駄箱の作りつ家具の打ち合わせをする。こちらの意図する作り方とは違って大工たちと揉める。揉めると言うかお互いの思い込みが違っていたようだ。当社は作り付け家具が多い。キッチン、洗面、下駄箱カウンター、以前は風呂も板張りがあった。 
 
初期の頃は家具屋とか建具屋に制作してもらった。そうすると無垢ではなくフラッシュと呼ばれるベニアを張り合わせた製作法を主張する。栗が生じるからだが当社には似合わない。どうしても無垢の杉とかカラ松を使いたいとなると拒否されたりする。 
 
いつの頃からか家具屋が無垢を使いたがらなくなってきた。いい材料がないとか手間がかかるとか後でクレームが生じやすいなどが原因だ。逆に無垢の家具は高いものとなって一般的でなくなった。 
 
作り付けは大工が箱を作り建具や引き出しを嵌めるやり方になってきた。家具職人から大工に変わってきた。当社だけでなく作り付けは増えている。無垢のいい材料がないので乾燥が不十分なものとか節が多いものが使われて問題になる。 
 
杉材を3枚張り合わせたJパネルと言うのが登場して大工の仕事が楽になった。狂いが生じにくく加工も簡単だ。値段的にはフラッシュの方が安いのだが無垢の風合いは捨てがたい。


オリジナルの加工品

打ち合わせがあって朝早めに現場へ。内部の仕様とかキッチン、収納を考えていかないとならない。家族で現場へきていただいて自分の持分は自分で決める。全体のバランスさえ取れればご主人は任せる。大雑把な感じで把握していただいて後で決める。 
 
午後から作業場へ行って加工の様子と製材所へ寄って残材を引き取る。丸太買いをしていた頃は製材をした後の残材が大量に出た。製材所にすれば皮の部分を残されると処分費がかかる。賃挽きの工賃にはゴミ処分費が含まれない。原則自分の分は持ち帰る。 
 
溜まってくると製材所から運べと催促がくる。古いものは乾燥して軽いが生は重い。今日の分は2年前のものだったのでカラカラに乾燥している。樹種はクルミとシナ、桂。皮の部分とは言っても厚さは5センチほどもある。生だったら持てる代物ではない。 
 
薪にする部分と使える分をチェンソーで切りながら積む。使えそうなものは作業場へ下ろし残りは自宅倉庫の薪置き場へ。暇なときに適当な長さに切って積んでおく。薪ストーブ設置のお客様のところへ配ったりする。自家消費ではとても使えきれない。 
 
伐って積んである分だけで自家消費の2,3年分はある。現場の残材だけでも使いきれない。それに製材所からの持ち帰りだから余るわけだ。そのほかに解体やゴミ処分を頼まれて材木は薪にする。それも馬鹿にならない量だ。 
 
それとは別に使える部分を集めておいて加工に出していた。フローリングやちょっとしたカウンター材などに使う。土台の栗を挽けば必ず皮が出て集めると結構な量になった。羽目板やフローリングになるのだがこの頃は丸太ではなく製品買いにしたので皮はでてこない。 
 
加工業者の廃業で集めても使い道がない。今回の現場でオリジナルのフローリングは最後になる。材料も加工屋も目処がつかないしせっかく使ってもあまり喜ばれなくなってきた。既製品の方が出来も良いし値段も安い。私的にはどこでも売っていないオリジナルに価値があると思うのだが安ければと言う風潮には勝てない。CIMG5821


家事

今日も曇りで雪がパラつく。自宅倉庫と作業場にあるフローリングを現場へ運ぶ。途中雪で濡れるので積み降ろしも気を使う。明日も天気が悪いとフローリングを張る予定だ。だから今日運ばないとならない。 
 
午後はお施主様と作業場で材料の打ち合わせ。内部も少しずつできて収納とかキッチンになる。奥様が参加しての打ち合わせが始まる。私の現場はどちらかと言うとご主人の主張が強い傾向がある。木の家とか女性には馴染まない方もいる。 
 
その所為か打ち合わせもご主人との方が多い。もちろん家は奥様の在宅時間が長い。その意味でも情勢の意見は重要視しないといけない。正直言うと他の住宅会社よりは負けている部分かもしれない。流しとか風呂とか洗面と既成のもので簡単に済ませているケースがそうだ。 
 
作るキッチンもあるのにこれで良いのかと思うこともある。作る場合でも細々意見を取りれているつもりだがデザイン的にイマイチなのもあった。女性にとってキッチンは自らの職場のようなものだ。華やかさとか明るいイメージが大事だと思う。 
  
私自身が料理とか家事に疎いからそうなるのかもしれない。男性でもデザインや使い勝手に口を挟む方もいる。普段から料理とか家事をそれなりにこなしているからだろう。尾籠な話で恐縮だがトイレも洋式トイレに男性でも座ってするのが増えた。 
 
いつもトイレの設計で壁との距離がなくて汚れるのが気になっていた。座ってすれば解決する。左様に今までだったら考えないことも当たり前になってきた。住宅の設計もなりなりに変わっていく。なのにこちらが旧態依然では時代についていけなくなる。


流行り廃り

昨日に続き陽が出て暖かい。と言うより今までが寒かったと言うことだろう。今日も大工は外部の板貼りにかかる。午前中は葬儀があって午後から材料を積み現場へ行く。おろしてすぐ作業場へ戻り積み込みまた現場へ。戻ると5時過ぎでブログを書いておしまい。 
 
今日の葬儀は父の友人で仕事もお世話になった方だった。元公務員でどう言うわけか燃料店を独立開業をする。60年ほど前は公務員と言っても今のようではなかった。父の話では給料も安くアルバイトのような身分だったそうだ。 
 
当時はセメント、化学肥料、漁業などが全盛期。給料も高くテレビや車など出始めの頃から所有できた。だから公務員を辞めて独立と言うのは当たり前だったようだ。薪を仕入れて売る商売からプロパンガスが普及し始めて軌道に乗った。 
 
一度入るとよほどのことがない限り店は変えない。客が増えれば儲かる理屈でどんどん規模拡大をした。リフォームにも進出して社長から何回か自社で手に負えない物件を紹介してもらった。 
 
しかし本業が安定していることは逆に新しい分野に本気になれない。中途半端なストーブ交換とかガス器具の交換の域を出れなかった。リフォームも新築並みのデザインとか設計を求められる時代である。 
 
ここ20年ほど前から電気のIHヒーターの普及が始まった。建て替えやリフォームのたびにLPガスから電気に変わる。ガス店の危機が本格的に始まった。一度電気になると二度とガス店には入り込むことができない。 
 
何の商売でも流行り廃りがある。車のスタンドも将来は危なくなってきた。電気の時代が来るとコンビニの充電器で用が足りる。どうやってそれを乗り越えるかが一番の悩みのタネだろう。建築だって同じで限りなく建売に近くなって注文住宅の需要が減ってきている。少ない物件を獲得できるのはどう言う業者なのだろうか。それがわかれば苦労はないのだが。


部屋のイメージ

先週の厳しい寒さに比べると暖かくなった木がする。大工たちも今日から外部の工事に戻る。息子は一人作業場で加工。支払いや図面作成後午前中かかって作業場の板を積み込む。現場へ午後から配達し余ったフローリングを積んで倉庫へ。 
 
明日配達予定のフローリングを出して準備する。ついでに倉庫をチェックして栗の羽目板があるのを発見。腰板や天井に使えそうだ。今回の現場へ各種の羽目板の残りを使う。部屋ごとに別種の木で天井とか腰板を考えている。 
 
お遊びの要素も含め設計とかデザインは面白い。在庫であるものはコスト面からも有利だ。それでお施主様も喜ぶならそれに越したことはない。トイレ、洗面、玄関等狭い部屋を用途ごとに変えてみたい。 
 
私はどちらかと言うと外部は平凡だと言われる。内部はその割には面白いと言われる。別に意識しているわけではないが外部はパターンが決まっている。古民家風とかでは板貼りと漆喰が多い。 
 
それに比べると内部は部屋ごとにイメージを少し変えても良い。床、壁、天井を微妙に変えたり腰板をやったりする。和風のイメージさえ崩さなければ何でもできる。たった1種類で統一するのもアリだが床材は同じでも壁天井が別とかもある。 
 
腰板は部屋の中には使いづらくなるのでやらないが廊下部分はよくやっている。腰板は古臭いイメージがあって特に杉などはモロに田舎臭くなる。赤松や広葉樹を使ったりするとグッと面白くなる。素材は統一して寸法の違う板を使う手もある。 
 
今回はお施主様の希望もあるので色々試したりしている。それを面白がるならこちらもあらゆる手を考えてやっていこうと思っている。CIMG5814