青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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フローリング

午前中は葬儀で支払いで銀行へ行ったり。午後から自宅倉庫にある杉の板を作業場へ運ぶ。途中現場へ寄ったらお施主様と一緒になる。なんだかんだで2時間ほどかかりその間雪が積もってしまった。一度濡らすと凍るのでなかなか乾かない。 
 
外壁用の板なのだが無節を希望されて後で作り直した。ところが生ですぐ使えない。そこで日当たりの良い自宅倉庫で乾かした。3週間ほどで乾燥して今日運んだのだが途中から雪になった。さらに積んだまま現場にいたから濡れてしまった。 
 
外の工事を中止して二階床を張っている。赤松の28ミリ厚リバーシブルだ。いつもだと節のある材料を切って繋いで作る。無節なのだが短いのが細切れで繋がる。今回は6尺(1800ミリ)をそのまま乾燥し加工した。繋がない分見た目は綺麗だ。 
 
良いのだが小さな節や割れが入るのもある。それらを切って使うのだがロスは避けられない。問題はどのくらいロスが出るか読めないことだ。最悪足りないとなると簡単に同じのを用意できないのだ。で、どうするかと言うと短いのを継ぎ足しながら貼っていく。 
 
もちろん他のところが長いのを張っているから見てすぐわかる。いや気がつかない方は気がつかない。しかしこちらとしては大いに気になる。できれば作る段階でどのくらいロスが出るか計算できれば一番良い。板の目や節を確認するのだが乾燥で割れるのまで読めない。 
 
乾燥した良材ばかり買えば良いのだが高い。少しばかり生を買って倉庫で乾燥する。少しでもコストを下げようと思うのだ。こういう努力はお施主様にはわからない。出来合いではない自分で加工したものの良さがわからないと意味がなくなる。素人にはすぐわからないが完成した時に既製品とは違う個性的な床ができる。CIMG5771


デザイン

今日は月末、なので支払い日。あっちの口座から下ろしこちらの口座から振込み…..。毎度お馴染みの資金繰りと言うやつです。午前中はお施主様の工場に作ってもらった煙突カバーを引き取りに行きました。降ろしてすぐフローリングと下地に使う木材を作業場から現場へ。 
 
午後は事務所にて見積もりの整理や図面。工事中の現場も少しずつ仕上げのことも考えないとなりません。キッチンやトイレ、収納、建具デザイン…..。どれも重要なことなのです、仕上げという点で。 
 
設計上のデザインは主に内装や建具のデザインが多いと思う。もちろん全て建材や既製品から選ぶ。デザインと言うより形も含めて組み合わせだね。当社は組み合わせの基となる素材と加工法にこだわる。仕上がれば見た目は建材と似たようなデザインで形も似ている。 
 
どのような組み合わせではなく何から作るかに力点を置くから出来たものは形は普通だ。特に変形とか独自のとは思っていない。ごく普通の家を素材から吟味してどこにもないもので普通の家を作る。 
 
階段なら木の種類や厚さや長さを決める。倉庫にある粗挽きした材から挽き直す。必要数より何枚か余分に用意して割れや捻れをチェックし選ぶ。はじかれたものが大量に余る。抜き材や他の用途で使うから捨てるわけではない。 
 
建材や木材店から買うとその作業がない。選ぶことがないからで欠陥品でもない限りそのまま使う。プレカットが主流だから組むだけだ。 
 
それに対して手間暇をかけたものだけの家はどこが違うかだ。組み合わせに重点を置くのがデザインなら当社は素材そのものでデザインする。材木の目や色、厚み、そう言うもので違いを出す。一見わかりにくいのだが全てが吟味されるとよそで見ることのない家になる。 
 
何度も見学会や展示会を見て歩いた方は当社の現場に驚く。間取りや形は普通なのによく見るとどこでも見たことがないものになる。木の家とか古民家などに興味があればなお驚く。CIMG5758


階段

朝から雪が降り続く。現場も外の仕事はできないので内装に精を出す。外部はささら付けがまだ残っているのだが。二階の床から貼り始めて半分までいった。赤松の厚板を加工して両面仕上げになっている。 
 
赤松はアオと呼ばれるカビが入る。未乾燥で伐った時期が悪いと入ってしまう。いつもなら繋いで作るのだが繋がないで6尺もので加工した。繋ぐ場合は節やアオの部分はカットしてある。 
 
そのまま使う方が綺麗だし自然な感じにあがる。もちろん贅沢な使い方で赤松の無節の良材を使う。赤松のフローリングはいつも繋いで使っていた。これだと余った板や安い材からも採れる。コストが下がる。 
 
今回はわざわざフローリング用に厚板を挽いて揃えた。かなり高くつくのだが出来上がりも素晴らしい。裏側も下から見えるのでこちらも選んで使う。片面だけ無節のものもある。一階天井がある部分にはこう言うのを使う。 
 
階段も側板が加工ができて仕上げをしている。これからささら桁の加工なのだが側板より何倍も難しい。階段の細工の見せ場でもある。ルーターとか機械に頼れないのでほぼノミだけで作る。これに段板を差し込むのだが隙間がないように加工するのは難しい。 
 
何組も使って来た大工だが階段を作れない棟梁もいた。側板は何とか加工できてもささら桁ができない。仲間に威張っていた手前止める訳にもいかず泣きながら加工していた。建材の出来合いだけしかできなくなっていた。もちろん今ではプレカットが主流で墨付けからできるのは何人もいない。CIMG5764


ショールーム

フローリングを運ぶため早めに事務所を出て作業場へ。積んで降ろしてあっという間に昼。午後からショールームへお施主様と一緒に行く。二ヶ所回って戻ると6時近く。昼には現場へ来たお施主様と話しているからほぼ一日しゃべってばかり。
 
何ヶ所かあるショールームだが対応は様々だ。人員も豊富でしっかり相手をしてくれるところもほったらかしもある。メーカーの意識の持ちようで差がある。しっかり対応してくれるところで決めたいのは当然だろう。 
 
効率一辺倒で人員も少なく無愛想なところは商品も気のせいかチャチに見える。私自身もメーカーの営業マンだったから実情も何となくわかる。売り上げに貢献しない部門は減らすのは当然とは思う。 
 
ショールームは素人である施主が品定めに最初に行くところだ。そこでの印象は商品の良し悪しよりも強い。施主が直接購入するのではないから遠慮がある。価格も定価しかわからない。交渉もできないから商品の説明くらいはしっかり聞きたい。 
 
そこにまるで部愛想な応対はマズイ。競争に勝ち合併や買収で規模だけは大きくても組織がしっかりしていない。水回りに特化し施主に訴えかけることに熱心なところもある。まず施主に気に入ってもらい業者に注文してもらうやり方もある。 
 
ほとんどのメーカーは業者や問屋しか眼中にない。決定権は業者と決めている。施主は所詮素人とナメているかのようだ。まあそれも一理あるし事実そうなのだろう。素人にいくら勧めても業者の都合が一番大きい。そちらに営業をかけた方が効率はいい。 
 
私はショールームでしっかり施主に説明して納得させてくらるところで決めたい。こちらの仕事の一部を担ってもらうと言うことだ。専門知識はメーカーの方が上だ。いくらこちらが勉強したところで追いつかなものを持っている。もちろん自社の都合もあるから丸ごと信じる訳にはいかないが。


大工不足

今日二回目のブログ。午前中は葬儀があって午後から現場へ。午後から久しぶりの雨が降って外の仕事ができない。階段作りに精を出す息子は側板とささら桁が付いた。これから踏み板を入れ込む加工や仕上げがある。柱や胴差に入れ込むための加工をする。 
 
重いケヤキなので一人では到底持ち上げられない。相棒に手伝ってもらいながら差し込みの穴の加工ができた。これからは踏み板の入れ込みの加工になる。ささら桁の両面を削って差し込むように入れる。口で言うと簡単そうだが隙間ができないようにキッチリと加工する。 
 
昔から階段は棟梁の仕事でこれができて一人前だ。近頃は階段もプレカットなので技術も何も必要ない。それでなくても技術の低下は著しい。自分で階段どころか請負に走る者もいる。 

社長と呼ばれノミカンナを捨てた元大工だ。乗用車で現場に乗り付けあれこれ指示して立ち去る。ゴルフや夜の接待ばかり得意で技術の方はあまり得意ではない。 
 
それでも人のつながりや口が達者だとそれなりに仕事が取れた。近頃はデザインや宣伝力がものを言うようになりさっぱりと言うところもある。若い世代には全く相手にされない。下請けや地域のつながりのようなもので食っている。 
 
デザイン的には住宅会社もどきが多くフランチャイズに加入するのも多い。手数料を取られるから経営的には苦しい。自力でしかも他社に負けない技術があればそれなりに仕事は取れる。 
 
親戚や知り合いをまわれば仕事が来た時代にメーカーに乗せられれて利益率なんてのを覚えた。儲けることに夢中になり技術や体制を作ることを忘れた。今売れていると言う住宅会社風になって建材とプレカット以外はできなくなった。 
 
着工数は確実に減っていくのに大手が進出してくるから大工ははじき出された。張り合う技術もなく客に満足な提案もできない。近頃はさらに進んで大工不足になり下請けの仕事がいっぱい増えた。猫も杓子も下請けの仕事に走って職人不足は深刻だ。 
 
かく言う当社も大工が簡単に探せると思ったら全く見つからない。住宅会社の下請けが忙しくて大工集めが決め手のようだ。大工は仕事が切れてもすぐ見つかるから少しも困らない。息子が大工と言うのは安心して仕事が取れる。CIMG5761