青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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画一化

朝から雨、散歩もなし。午前中は作業場で刻みの打ち合わせ。昼は回転すしで昼食。事務所へ戻り図面と見積り等のチェック。瑕疵担保保険の届出書を年に2回提出義務がある。書類を書いて県知事宛に送る。 
 
AIが進化したら世の中が変わる的な論議が盛んだ。いずれにしてAIで仕事が変わるのは間違いない。機械ができるような仕事はAI搭載で増えるだろう。宅配便だってドローンになるかもしれないのだ。 
 
建築界は工場製品化が進んで画一のデザインになった。回転すしのようにディスプレーを見ながら選ぶと完成形が表示されるようになる。見える化は時代の流れで画一化も進むと思われる。 
 
職人不足は工業化で補って営業方法も自分で完成形を選ぶようになる。価格や工期はては細部の仕上がりまで自分で選べる。そうなると営業とか設計が要らなくなりそうだ。現場監督とオペレーターと言うか組み立て機械操作係がいれば良い。 
 
子供の頃未来の街は画一の白っぽいビルでデザインも似たようなものと思っていた。個性化とか芸術的とかが見直されデザインするものが流行った。しかし車や家電とは違い家は高額だ。コストダウンのメリットも大きい。 
 
今また画一化に向かっているように思う。AIはある意味画一の元祖みたいなもので答えが一つしかない。膨大なデータの中から組み合わせて一つに絞る。そのスピードが人間の比でない。 
 
当社のような昔のやり方で家を建てるのはAI化が難しい。山で伐採して製材加工して組み立てる。その方法もいくらもあってそのやり方が個性化とかデザインとなる。画一化とは正反対のやり方なのでバラエティーに富む。 
 
作業場へ行くと墨をつける大工と設計者が喧嘩腰で議論になる。イメージにこだわる設計者と大工の技術の複雑さもあってバリエーションが無限に出てくる。柱優先か梁優先かとかどこから入れ込むかなどだ。

それで仕上げも変わるし大工の手間も違う。コストも管理する設計者である私は大工を説得する。できたものの最終責任者が私である以上常に勝つ。しかし施主の満足は大工職人の方に行くことになる。 


良材の在庫

午前中は晴れたが午後から曇ってくる。明日にかけ雨が降りそうだ。墨付けが始まって作業場の仕事なので天気は関係ない。午前中は図面、午後から作業場で打ち合わせ。 
 
一時は作業場が在庫であふれていたが減らしたのでスッキリした。来年の現場のためにまた在庫を置かないとならない。過剰な在庫はあれだが必要なものは用意しないとならない。 
 
在庫をするのは乾燥させるためだが乾燥材が手に入りにくくなった。あっても高価でとても住宅に使えない。自分で山から出して挽いて在庫するとコストは下がる。地元材の乾燥材を在庫する製材所が減って出回らなくなった。 
 
市場に出てないものは選んだりできない。あるもので何とかしないとならなくなる。節のない良材だけで家を建てるのが難しい。製材して乾燥させるには半年以上かかる。それだけ在庫をするところもなくなった。 
 
自分で山から出して製材すると半分以下に下がる。なのだが出す量が多いのと要らないもの出てしまう。倉庫も必要だし。使う分だけ良材を買うのが良いのだがコストアップする。リスクを取るか在庫を減らすかだ。 
 
在庫が減れば資金繰りから場所代運賃など安くなる。コストアップでも経費がかからない方が良いか迷う。結論を言うと少しずつ在庫をして良い丸太だけを買うことにした。製材すると良材が出るからコストダウン効果が大きい。並材を安くしてもタカが知れている。CIMG6781


自営

朝は冷え込んだが日中は気温が上がった。午前中は以前お世話になった方から現場を見て欲しいと行った。コート付きのテニスクラブの経営者で一部手直しをしたいと。具体化したら見積もりをする。午後は作業場で加工の打ち合わせ。今日までアルバイト君に来てもらった。 
 
見積もりに行った方はサラリーマン時代からの付き合い。トイレの水洗便器の交換か何かでお会いした。その後お互いに自営となったのは同じ頃だった。しばらくは疎遠だったがつい最近電話がかかってきた。 
 
テニスをやらないのでテニスクラブなるものがどういう仕組みなのかも知らない。コートを用意して貸すだろうの知識しかない。御多分に洩れず厳しい環境であろうとは思う。 
 
私は建築、彼は広告屋と商売は違うがそこは同じ自営。苦労の連続だろうとは思う。私が厳しいからと言って一緒呼ばわりは迷惑か。個人でクラブハウスとコート3面を用意するのは大変だと思う。 
 
初対面から35年ほど経つ。お互いに歳をとり白髪になったが自営同士で話は合う。サラリーマンだとこうはいかない。分野は別でも最後は似たような心境になるのだろうか。 
 
忙しさにかまけているうちにトラックが38万キロを超えた。ゼロが揃った瞬間を取るつもりが少し過ぎた。6ヶ月から8ヶ月で1万キロ走る。来春に39万キロにいくだろうか。40万キロが来年中にいくかもしれない。仕事が忙しければだが。CIMG6779


激減する手刻み

典型的な秋の空で時折雨が降ったり風が強くなったり。作業場では息子とアルバイト君が材木を運んだり鋸屑を抜く。トラックを借りて牛舎に運ぶ。藁の代わりに床に敷く。 
 
次の現場のために使用材を引っ張り出す作業が続く。1本ずつ無節を確認して自動鉋をかける。曲がりや反りをとって規定の寸法に仕上げる。手刻みには必要な作業で製材しても寸法が狂っている。 
 
構造材は基本は4寸になるが製材したものは大きめになっている。乾燥させる際に曲がるのも反るのもでる。直角に寸法を統一しないと墨付けができない。墨付けがいい加減だと建てた時に壁などの通りが狂う。 
 
自動鉋はどこの大工も持っている訳ではない。高額なのと鉋くずが大量に出るので搬出装置が必要だ。それを設置した作業場は100坪以上ないと難しい。直線で12mの作業スペースとリフトなどが回れる広さもだ。 
 
普通は直角を取るのと厚みを決める二つの自動鉋盤を用意する。どちらもないと仕事が捗らない。これらが用意できないところは手押しの万能機と呼ばれる機械一つでやる。しかし正確にできないのと体力がいる。 
 
しかも狭いのでリフトも入れないし全て人力でやることになる。高齢化が進む大工にはしんどい作業だろう。そうすると人手を増やしてやるのだがコストアップになる。機械の償却の方が高いが将来のことを考えたら投資は必要だ。 
 
現状で宮大工を除くと用意できる工務店は数える程だ。あるにはあるのだが動くかどうかわからない。機械はメンテナンスにも費用がかかる。そこだけ考えても手刻みはやるところが激減するはずだ。


双方のメリット

雨が降ったり晴れたりの変な一日。午前中は図面と打ち合わせ。午後から現場へ既存建物の測量。その後作業場へ。今日は息子の友達が助っ人に来た。いつもアルバイトでゴミ片付けとかちょっとした手伝いを頼んでいる。 
 
月曜に宮大工のところからヒバの羽目板とフローリングを運んだ。お寺はヒバが多くて羽目板も大量に使用する。板材を加工して作るので現場ごとに余りが出てくる。捨てる訳にはいかないし持ち帰る。 
 
何年かするとあちこちの現場での余りが溜まってくる。ある程度の量になれば使えるのだが加工品はその都度微妙に寸法が違う。見た目は同じに見えるが実の形状とか板の厚みがロットで違う。 
 
生きている木の加工は同じ寸法の板を加工してもその時によって違ってくる。工業製品だってそうだがロットで並べてみると違うのだ。ましてや手作り品となれば同じわけがない。同じ加工屋に頼んでもそうなる。 
 
だから現場ごとに厚みや仕上がりが似ていても続けて使うことはできない。腰板と天井と壁で見た目は同じ寸法でも違う羽目板を使うことになる。非常に面倒くさいし手間がかかってくる。 
 
ところが当社のように一部屋が小さくなおかつ壁天井で分ければなんとかなる。面積も大したことがないしいつも余りを工夫して使っている。しかしお寺はそうはいかない。面積が膨大で目地や仕切りがないから連続して貼る。 
 
宮大工にすれば半端でも当社にはなんとかなる量だ。処分したいところと安く手に入れたいのと双方にメリットがある。同じことは材木にも言えて彼らには半端な太さでも当社には十分すぎることが多い。で、向こうがいらない丸太が当社にはぴったしと言うこともある。