青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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左官材料

昨夜は寝苦しくて寝られなかった。二階の寝室から一階の和室へ移動して寝た。こちらは開口も大きく軒も深く断熱も新しい。窓を開けて寝ると朝方に寒くて目が醒める。年に何度かしかないのだが今年は暑くなるのが早い。 
 
現場は左官が応援も含めて4人体制になり大分進んだ。一人だと2週間以上かかるかと思ったが早くなりそうだ。今日明日だけでも一気に捗る。漆喰ができる職人が4人も揃うと早い。以前にも助っ人で来てもらったことがある。比較的若いのでこれからも期待できる。 
 
今回はメーカーも仕上げ材に村樫で下地を吉野から別なメーカーに変えた。漆喰は下地の石膏モルタルが仕上げ材の水分を吸ってしまう。そうするとコテの動きがなめらかさを失う。新しい石膏モルタルは吸水しにくいと言う触れ込みだった。 
 
吸水しないと下地を一気に塗ってから仕上げができる。効率よく作業ができる。今までだと一坪下地を塗ってすぐ仕上げする。下地と仕上げ材を常に練っておかないとならない。別々に保管して練り方の作業が増える。 
 
結果はまだ何とも言えないが多少は吸い込みは少ないかもしれない。漆喰など左官材料も年々変化していく。作業効率をアップさせて工期を詰めるのは建材と同じだ。これも時代の流れということだろう。 CIMG6444
 


腐る古民家

リフォームの現場はクロス貼りが最終に入る。職人も4人きて今日でほぼ完成。同じ仕上げでも漆喰はまだまだ5分の一もいかない。漆喰は左官職人でも皆できるわけではない。モルタルの仕上げくらいなら誰でもできる。 
 
漆喰は養生をして下塗り、仕上げとなる。下塗りが完全に乾かないうちに仕上げをしないとならない。乾きすぎると仕上げの漆喰の水分が吸い取られて塗りにくい。だから一気に下塗りとかスピードアップがやりにくい。 
 
仕上げる面積で言うとクロスと漆喰は似たような面積だ。クロスは9人工くらいで漆喰は15人工は入る。できる職人は一人か二人なので日数はかなり違う。クロスならたくさん入れて一気に仕上げることも可能だ。  
 
しかも漆喰は天気や気温に左右される。今の時期は乾きは良いが冬だと暖房をかけないと乾かない。クロスはほとんど気にしなくても良い。漆喰は工程も読みにくいし住宅会社には嫌われる仕上げだろう。しかも高くつくからさっぱり普及しない。 
 
大工が片付けをして作業場で整理した。残材を薪用に積みリフトを借りて積み直す。春以来大掛かりなのは久しぶりだ。どこに在庫があったかわからなくなる程ゴチャゴチャしていた。 
 
作業場の近くに10年以上前から放置された藁葺き屋根の古民家があった。屋根に草が生えて壁の土壁もだいぶ落ちていた。屋根が落ちるのは時間の問題だったが2,3日前に落ちた。多分雨漏りもしていただろうし壁は穴だらけだった。 
 
私の近所にも似たようなのがあって昨年屋根が落ちた。藁葺き屋根は解体費が高いので住んでいないところは放置が多い。建材は使っていないから木と土壁だけだ。腐って放置してもいつかは土に帰るので腐るに任せる。 
 
親が住んでいたが亡くなって他所に住んでいる子供が放置する。藁の処分費が掛かるので解体費は400万円とか聞く。普通の住宅であれば150万円くらいだから倍以上する。腐りにくい建材が少ないので放置して腐らせる。しかも敷地が広い農家がほとんどだからなお都合がいい。CIMG6433
 


手作り

今日も暑い中現場は仕上げの真っ最中。クロスと左官が一緒になり大工も下駄箱を作る。途中で塗装と給排水も来る。借りている駐車場は満杯で強引に道路に止める。今週はこんな感じで進んでいく。仕上げも最高潮と言ったところか。 
 
遅れている大工がやっと下駄箱を仕上げる。厚さが5センチ奥行き50センチとかなり重い。二人でやっと持ち上げる感じだ。無垢材は加工も難しいが取り付けまでの間に狂う。作業場で自動カンナを通して均したはずなのに5ミリはねじれている。 
 
もちろんこれからも狂う可能性があるからガッチリ壁に留めたい。壁の下地の柱も欠いて入れ込む。重い板を持ち上げて入れるのだが狂うと入らない。何度か入れたり外したりして何とか留める。上から栗の板で押さえたり下から金物を付ける。 
 
下駄箱やテレビ台は製作を頼まれる。材料があるのと大工は作り慣れている。以前は家具職人に材料持ち込みで頼んでいた。作業場で作って現場搬入するのだが取り付けができない。建物が狂っているから合わないのだ。 
 
結局大工を入れるから高くつく。息子は無垢材の加工は慣れている。もちろん作り付けなのでうまく取り付けできる。家具職人はフラッシュ家具が多く無垢材はあまりやらない。加工するカンナ盤も刃幅が小さい。当社は50センチまで通せる。 
 
色々考えてみて大工が作って塗装は家具塗装屋に頼んでいる。キッチンなどもそうだがそれぞれ専門の職人が分業で作って合わせる。アッセンブリーさえうまくやれば何でも作れる。特に材料が無垢材でこだわると自分でやったほうがうまくいく。 
 
モノつくりは材料と職人の手配次第でどんなものでも作れる。建材のように全てメーカーにお任せに慣れると自分で作る考えが浮かばない。ただ合理性に欠けることが多いから安いわけではない。


時間と手間

今日は暑い。朝から現場で打ち合わせ。左官が今日から入る。多分工期に重大な影響を及ぼしそうなのが左官。下地処理から下塗り、仕上げと続くのだが乾燥時間がかかる。時期としては良い時ではあるが。

大工が下駄箱の製作に入る。カウンター材を付け敷居鴨居中しきりと棚板をつける。書くと簡単そうだがカウンターはケヤキの一枚物で厚さ5センチ長さ3m奥行き50センチある。無垢材でこれだけあると置いておくだけで捻れてくる。

まずはかんな盤に通すのだが重くて一人では出来ない。午前中息子と二人で加工した。3時頃現場へ搬入し取り付け工事に入る。脇の板を最初に付けてカウンター を載せる。

そこまでは一人では出来ないので現場に居合わせたものに手伝わせる。左官屋しかいないから重いカウンタを持ってもらう。あとは一人で出来る。これだけ大きいと3日はかかる。

デザイン重視なら既製品の方が選べていいかもしれない。しかし手つくりだと同じものがない。そういったものに価値を見出さないのであれば意味はない。手間と材料費がかかって高くつく。

左官も似たようなもので種類が豊富でカラフルなものができるクロス貼りが安くつく。下地が多少デコボコでも弱くても柔らかいので穴は開かない。左官ではこうはいかない。

そんな面倒臭いことの連続が手つくりの家だ。古民家リフォームも基本的には同じやり方だ。何でもクロスで覆ってしまうリフォームとは一味違う。CIMG6428


工期と職人

今日は朝から暑い。現場へ顔を出し夕方ゴミ片付けをする。床屋へ行って昼に自宅へ戻る。解体の現場へ下調べに行く。電気と水道の切り離しが必要だ。打ち合わせで来週後半からゴミ片付けから入る。 
 
リフォームの現場は今日も大工が残りをやっている。細かいところが多くなかなか進まない。週末には左官とクロスはりを入れる予定だ。とにかく大工が片付けてもらわないとならない。材料や機械がまだ置いてある。 
 
電動工具の普及は現場の作業効率を上げた。その代わり道具代と置く場所が大変だ。建材だけの家だと工具は限られる。カンナなどはほとんど必要ない。建具枠とか全て電ドルだけで取り付けする。 
 
現場は道具置き場ではないから使うたびに持って来ればいい。なのだが残った部分でまた使うとなると置いておきたくなる。そうやって工具とそれに使う釘、針がドンと置かれる。掃除もできないし第一触るとえらい怒られる。 
 
大手の現場だと有無を言わせずに現場は管理されている。その日に使うものだけ持ち込む。あとで使うものはまた持って来ればいい。大工がきちんと管理されていない現場ではその辺が甘い。次の業者を入れる予定すらたたない。 
 
手作りの家はある意味では職人中心に動いて行く。一つの職種が終わらないと次が入れない。順序があるからでしかも他業種が邪魔するとできないのが多い。いわゆる工程とか工期を読みにくい職種が幅を利かす。 
 
効率よく動かしたいのだがそう言うのに馴染まない職人が手作りが得意だ。建材で効率よく早い仕事が嫌いだと言うのばかりだ。現場管理としてはそんなことは言ってられないが端折れとは言いにくい。きちんとした仕事が売りなのでやるべきことはきちんと手順を踏んで一つ一つやるしかない。 
 
たまに腹が立って職人にきつく言うことがある。次からはあっという間に雑な仕事になってしまう。お施主様には言いにくいことだが工期が遅れ気味なのと掃除が行き届かないところはある。仕上がりで見て欲しいと思っているが契約違反だと怒られることもある。