青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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見晴らし

昨日も土地探しのお客様に付き合って仕事。事務所近くで似たような3角の土地がある。何せ私の事務所を気に入って買いたいと言うくらいだ。見晴らしが良いところがご希望らしい。結婚式がもうすぐで年内に新居をとのことだ。お嫁さんの父上が金と口を出す。 
 
伐採と丸太運搬が職業で前からの知り合いだ。もちろん国産材の家つくりであることは間違いない。ただお婿さんが忙しく来れなかったので直ぐ決定とはいかない。見晴らしにこだわるのは父上だけのようだが。 
 
郡部のT町に住んでいるので都会的なゴチャゴチャしたところは好かないと。周りがあまりくっついていない方が良い。しかも見晴らしがよければなお良しだ。私の事務所はその点では申し分ないのだが売るわけにはいかない。 
 
今日も朝一で現場へ行き打ち合わせご事務所へ。図面を書いて午後は作業場で打ち合わせ。太い柱と貫のデザインを確認。材料の手配をしてまた現場で確認。 
 
昨日までの寒さが消えて今日は春本番の暖かさだ。現場もホコリも舞わないしゴーグルをして解体したのが嘘のようだ。この調子で雨雪がなければ良いのだが。あすから基礎も始まるので天気が気になる。
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ショールーム

解体工事も佳境に入ってほぼ柱を残して終わりに近づいた。今朝も大工が4人で壊して大きなゴミ専用車の荷台に積む。すぐ近くにお施主さまが部屋を借りたが毎日ご覧になっていると思う。 
 
建材店の展示会が倉庫であって顔をだした。消費税上げの駆け込みをなんとか優位に取り込みたいのだろう。展示会と言ってもとくにめぼしいものがあるわけでもない。顔を出して他所の業者の様子を見た方が面白い。大工工務店らしきのが多かった。 
 
大工でも新築工事ともなればお施主さまには現物を見せなければならない。何でも見たがる傾向が強くて水回りを中心にショールームに行かないとならない。展示品を見せることでより高級なものにメーカーの力を借りて営業する。 
 
見れば欲しくなるのが人の習いだから何も努力なしで金額がアップする。ショールームのお姉さんがたも手練手管で施主に売り込みをする。実物の力は大きくてほとんどが高級品に乗り換える。 
 
午後から作業場でウッドデッキを頼まれたので材料をチェックする。在庫で間に合えば利益確保の点でも助かるのだが。カンナ盤があるので加工は直ぐだし工賃と塗装だけで済む。在庫があるし加工も簡単にできるのでこういう仕事を増やしたいのだが…..。お施主さまも想像しなかったようなぶっとい材木でがっちり作るから喜んでくれる。DSC_5052DSC_5055


銘木

今朝も朝早くから現場へ行き打ち合わせ。その後作業場へ行き打ち合わせ。曲がりや大黒柱を選び修正挽きに持っていく。製材所が大家で同じ敷地にある。在庫の山から引っ張り出して選ぶだけで昼近くになってしまう。 
 
午後一でドアの交換の現場へ業者と行き採寸。小屋の現場の照明器具の取り付け確認。戻って事務所で先日の東京でのセミナー打ち合わせ。東北電力の主催で例のパナソニックの体験などに行った件です。来年もまたあるようですが仕事の状況次第でしょう。 
 
実は2年ほど曲がりや大黒柱の現場がなかった。だから倉庫をひっくり返して選ぶのも久しぶりだった。5mも高く積み重ねてあって奥にあるのはホコリで何があった見えない。フォークリフトで引っ張り出して広げて見る。材木は4mが基準で長ものや曲がりは木なりに伐るから変則だ。6m,8mと長かったり曲がっているので積みづらい。 
 
4寸5寸は規格だから高さも揃い積みやすい。太さ長さが不揃いなものは積むのが非常に面倒臭い。崩れると大事なので高く積めない。しかも捩れているので挟む桟が安定しない。息子は宮大工なのでこの手は扱い慣れている。 
 
引っ張り出した材木を割れや捩れを見て修正するのだが寸法が細くなってしまう。どこまで挽き直すか製材所へ伝えなければならない。挽いてみると意外に割れが深かったり思いがけない節や腐れがあったりする。言ってみればバクチなのです。 
 
ところが節のない規格のものに比べてこちらの方が味があると喜ばれたりする。こうなるとどういう風なものを選ぶかどういう風に挽きなおすかがセンスになる。手刻みや古民家風はこの辺のセンスがないとうまく作れない。大工たちは節や割れのないいわゆる銘木の類を好む。往々にして素人である施主は銘木でないものに感動する。ここら辺が職人ではない設計者である私の出番というか才能になる。
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古民家リフォーム

暖かい日が続くと例年並みになると寒い。解体工事はホコリと寒さでしんどい仕事になる。ゴミ処分業者の大型カゴが届いてそれにゴミを詰め込む。解体材もベニア類もすべて持って行ってもらう。       
 
午前中は小屋の残り工事のチェック。ベランダの見積もりの提出。勝手口のドアが腐って交換して欲しいとのことで現場確認。ガラスとサッシの処分で業者のところへ。製材所へ木材の発注と作業場の在庫確認。 
 
広告を掲載してひと月になる。施主ではなく業者の反応がすごい。大工、設備業者、ローンの業者、看板屋、床暖房業者、地元の銀行数社。広告は何度も経験がある。あるが施主ではなく業者がこんなに来たのは初めてだ。 
 
広告は誰が見ているかわからない。掲載のやり方により対象とする客が決まる。リフォームであるから中高年向けに新聞広告にした。しかも月7,8回の連続だ。スペース的には小さいが数で勝負する。 
 
ライバルも何社か載せている。大概は新聞社のデザイナーにお任せのものだ。だからどこか似てくる。ところが当社は自分でデザインをした。素人くささが逆に目立ってしまう結果になったようだ。 
 
何よりそのものズバリ「古民家』と入れたのが良かったようだ。自然素材とか木の家とか癒しの空間とか回りくどい言い方よりそのものズバリだ。小さい上に一瞬で意味が通じないとダメだろう。よその業者も安いとか引き付ける何かを入れている。 
 
当社は古民家風に力を入れてやってきた。曲がりなりにも知名度も少しばかりある。そこをダイレクトにうたったのが良かったかもしれない。念願のリフォームのお客様も出てきた。


癒しの空間

解体現場は給排水、電気、大工とゴチャゴチャ車が集まる。建物本体の解体は今日から始まった。各職種ごとに打ち合わせが進み現場を離れたのは10時過ぎ。事務所へ戻り請求書を作成して小屋の現場へ行く。 
 
昼食後雨漏りの現場で金物の取り付け。以前見積もりした客のところへその後の挨拶伺い。なかなか厳しい。戻って図面を書いたり先日のセミナーのアンケートを書いたり。また解体の現場へ夕方行った。 
 
今回の小屋の現場は小屋と言うにはそぐわない程趣味の部屋に近い。下手な住宅のリビング以上に趣味的な要素が詰まっている。施主は薪ストーブをつけながら趣味の木工に熱をあげる。作業場なのだが薪ストーブの暖かさと板張りの癒しの空間になっている。そこにいるだけで快適な時間が過ごせる、施主のお言葉です。 
 
こう言う空間作りを夢見ている方は多いに違いない。いつもそう思っていたが具体的に提案や見せる機会がない。見れば欲しくなる方が多いと思っていた。デザインとか断熱とかそう言う言葉で表せない空間が作れる。 
 
少し高めの天井と土間空間の作業スペース。暖房は薪ストーブなので輻射熱のほんわりとした暖かさは格別だ。いや、今施主が気がついたと言うことですが。小屋や作業場を欲しいと言われたら大抵はコストを切り詰め安く上げることを考える。できた空間は癒しも何もない建物にすぎない。 
 
住宅でもデザインと言う名のもとに建材、クロスでの切り張りに終始する。素材から吟味したものては大違いだ。出来たてはともかく時間の経過とともに安っぽくなっていく。それをうまく説明するのが難しい。しかも安くなるわけでもないとなればパーになる確率が高い。