青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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施主様の驚き

昨日から雨の1日。金曜には基礎のコンクリートの打設があった。今週はベースと縦の型枠をつけて打設。月が変わってから建材、仮設足場、仮設電気、クレーンの発注をする。 
 
工程の遅れもなく来月末には上棟になる。作業場では大工が刻みの真っ最中。在庫の修正挽きも終わってプレーナーもかけた。在庫は135ミリ角に挽いて乾燥した。それを125ミリに製材所で修正挽きをして歪みを直す。 
 
さらに大工が自動ガンナでプレーナーをかけて120ミリにする。ここまでやるのに2,3週間かかる。そこから墨付けをして刻む。一人が墨付けをして一人が加工していく。この墨付けで形がほぼ決まる。 
 
どこの柱にどの材を使うか、表しはどこに使うか、仕上げ材の厚みによってホゾをつける。全てがこの段階で決まってしまう。仕上げ材を変更したり柱位置や梁を変えたりできなくなる。 

せいぜい色を変えるぐらいしか変更できない。上棟までの2ヶ月ほどはお施主様にとって不安が多い時期でもある。上棟してしまうとある程度形がわかる。この間がさっぱりわからないところでもある。 
 
変更が多いのもこの時期なのだがほぼできない状態になっている。せっかく刻んだ材木を捨て新たに刻む。ホゾ穴があれば埋めて新しい穴を開ける。手間と無駄が生じてコストがアップする。 
 
出来るだけ変更のないようにしたいが設計の段階でイメージを理解させることが大切だ。当社の場合は大黒柱とか使う。ない家が普通なのであまりの迫力に驚く。別な意味で施主様を驚かせる。IMG_1522


地域材の困難

土曜から気温が低い日が続いたが今日は暑い。午前中は会計事務所の来社で、午後から作業場。刻みも材料の選定が終わり加工に入る。1年前から在庫して乾燥中の角を挽き直す。現場が出ると次の現場の分を丸太から挽く。 
 
乾燥した角はほぼ手に入らなくなった。集成材が全盛で無垢材、それも節のない表し用の角は市場に在庫がない。自分で丸太を買って大きめに挽いて在庫して乾燥する。使うときにもう一度挽き直して使用する。 
 
現場が終わる毎に次の分を挽く。結局毎回現場分を挽くのと同じ金額になる。そんな面倒な手刻みをやる業者が減ってきた。地域の製材所が廃業してしまったのが物語っている。使う大工がいないと製材所は仕事がなくなる。 
 
自然素材とか健康に良いものをとか色々あるが究極は地域材で建てることだろう。地域の活性化はもちろん山の荒廃防止、さらには花粉を減らす効果もある。もちろん地域材を使うことは表しにしてこそ意味がある。 
 
仕上げも板貼りとか漆喰とか健康に配慮した工法がやりやすい。集成材のプレカット工法は仕上げもビニールクロスとかベニア類が多い。その建て方では健康的とは言い難い。理想はともかく現実は地域材に困難な時代が進む。 
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手刻みの家

暑い一日、作業場は窓も小さく猛烈に暑い。午前中は打ち合わせで午後から製材所の製材の立会い。在庫の栓を修正挽きをしたが割れも多く使えない。新たに製材所の在庫から挽くことに。 
 
杉の角や梁は在庫分で何とかいける。新たに在庫分をまた挽いてもらうが次の現場でないと使えない。来年の春以降だと大丈夫だろう。いつもこうやって今使うものと在庫分を一緒に挽く。常に在庫があるようにする。 
 
手刻みに使う材木は乾燥したもので狂わないように芯去りに挽く。中心が入ると割れやすく強度的には優れるが表しには使えない。手刻みは基本的に柱や梁を表にする。見えないようにボードで覆うのを大壁という。 
 

プレカット全盛の今は表しは基本的に無い。無理に出して塗装したものもあるが例外だろう。黒く塗装して本物に見せるやり方もある。集成梁や柱をそのまま見せて古民家風にする。真壁の家とはとても言えない。 
 
一口に製材した材木を手に入れるには材木店とか製材所から購入する。ところが材木店も製材所もほぼ全滅に近いので探すが大変だ。現場配達があたりまえのプレカットに慣れると運搬や加工ができなくなる。 
 
作業場やトラックが必要で揃えるのには金がかかる。競争激化の中でこれを用意できるのは容易なことでは無い。将来的に材木店も製材所も減るのは確実だ。手刻みの家は限りなく減っていく運命にある。


キアゲハ

昨日から仕事開始。今日から作業場で大工の刻み開始。午前中は作業場で午後から事務所。お盆の頃から夜は座敷で寝ている。窓を開け放して寝ると朝方には寒くて起きてしまう。 
 
だいたい夜中の1時過ぎになると気温が下がる。毛布一枚しか被っていないと朝方まで保たない。しようがないので窓を閉めて寝る。寝入りばなは暑いがじきに慣れる。
 
事務所へ朝行くと蝶が落ちている。カラスアゲハで2,3日前に死んだのか羽が一部欠けている。子供の時は夢中になって追い掛けたものだ。似たような蝶にキアゲハがある。こちらは池とか水たまりのところへ行くと取れた。 
 
大きさも違うし滅多に取れなかった。タモを持ってそこいら中歩き回った。池に行くとキアゲハとかオニヤンマがいた。オニヤンマに似たトンボにギンヤンマがある。こちらも珍しく大きいので見つけた時は感動ものだった。 
 
夏休みの宿題に取るのだがギンヤンマとカラスアゲハがないと冴えない。まあ王者の風格があった。紙の菓子箱にピンで留めて並べる。カラスアゲハとギンヤンマがあれば決まる。 
 
タモを持った子供も見ないし虫取りなんて流行らないのだろう。コロナのせいで親が出るなと言うのだろうか。夏休みの孫は暇を持て余し事務所にまで押しかけてくる。エアコンの効いた部屋でゲームに興じる。 
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コロナの後

スッキリしない天気なのに暑い。午前中は現場で崖部分の計測、午後から図面。お盆前の中途半端な休みで忙しくないから良いものを無駄な時間が過ぎる。明日は確認とかフラットの申請書類を作る。 
 
テレビも新聞もコロナの報道に明け暮れる。気になるこれからの経済情報はあまりない。ネットで自分で調べるほかない。3、4月ごろの夏以降は回復なんてお気楽な予測は消えた。 
 
与えた打撃は予想以上で今年いっぱいの回復は期待できない。来年以降それも後半からは回復基調に乗るだろう。それまで保てばいいのだがと言うのが実感だ。 
 
現場の激減で職人不足は大幅に緩和された。以前のようにいつ入れるかはっきりしないなんてことは無くなった。2,3年はこの状態が続くだろう。その後はかって無かったような職人不足が来る。 
 
もちろん今のやり方でいけばと言うことだ。建材化は進み規格化が徹底されて水回りとかコストの高い分野はそうなるだろう。差別化はますます難しくなり同じ部材なら仕入れの差が利益の差になる。 
 
今頃になってあれだが国産材の手刻みとか仕上げ材を加工するなんてのが無理になる。製材所や加工業者が廃業してどう足掻いてもできなくなる。それがいつ頃からになるか後何年できるか問題だ。