青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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三種の職人

朝一番でリフォームの現場へ材料を届ける。打ち合わせ後新築の現場へ新築の現場へ行って給排水の打ち合わせ。トイレ、キッチン、温水器とリモコンなどの取り付け位置を指示する。取り付け位置によって使い勝手や見た目が違ってくる。 
 
何でもリモコンがつくのが普通になった。取り付けるものとそうでないものがあって似たようなものが多く迷う。リモコンで各種操作ができるタイプが多いので説明もしないとならない。つまり私が皆知っていないとならない。 
 
照明器具は竹カゴの取り付けは私の役目だ。ワイヤーを加工して吊るせるようにした。後で現場で取り付ける。ワイヤーとかヒートン、金具など結構な金額になる。工賃はもちろんかかる訳で職人にやらせたら高い。既製品から見たら高くつく訳だ。 
 
建具がついていないので完成のイメージがまだ湧かない。やはり建具がついて初めて内装の完成だ。どちらかと言うと外部は普通で内部が凝っている。お施主様の好みで自然のものを手作りで生かしたい。できるだけ工業製品を無くしたい。 
 
昔の家は三種の職人で家が建った。大工と左官と建具だ。今回はどれも昔と同じやり方で仕事をした。最後になる建具も杉の無垢材で框を組んで作る。かってはヒバが全盛の時があったが今は昔の話になった。杉は昔からあったのだが柔らかくてキズがつきやすい。 
 
建具屋向けの材木屋があった。主にヒバを扱い杉はほとんど置かなかった。ヒバが出回らなくなって杉も売れなくて廃業してしまった。無垢材の框の建具が簡単に作れなくなった。建具屋が自分で挽いて在庫するよりない。これでは無垢の建具が廃れていくのは仕方がない。CIMG6178


こだわりは高くつく

晴れても気温が低く肌寒い。午前中は申請書類や広告の原稿作成。完了の検査が二つもあって瑕疵担保の保険の申請もある。似たような検査があっていつもこんがらかる。私だけのようだが。昼食前にリフォームの現場へよりスロープの確認。午後から新築の現場でゴミ片付け。ゴミは私のトラックに積んで大工たちは作業場へ。 
 
今日もタイル貼りの左官職人が来ている。四半張りの玄関タイルだがたった6m2に4日もかかる。床面はまだ良い。立ち上がりの巾木部分が面倒臭い。寝転んで張っている。しかも斜めの目地だから難しさはさらに増す。今日中に目地を詰めたいといってはいるがどうなるか。 
 
今回はこだわった部分が多々あって予算的にも相当なものになる。ちょっとしたところにもあれこれこだわると予算はすぐ膨らむ。オリジナルと言えばカッコイイがお金もかかると言うことだ。こだわったオリジナルが気に入ったら万々歳だがそうでない場合は悲劇だ。 
 
今回は刻みの段階から色々こだわりがあって時間がかかった。柱一本ずつと言えば大げさだが全部施主様が自分でチェックした。面倒臭い反面あとでこんな材料が嫌だとかは言えない。高額の材木ばかりなので交換は高くつく。 
 
材木だけでなく照明でもタイルの貼り方でもカウンターの材質でもすべてチェックする。ダメな場合は自分で探して持ち込む。そこまでやった施主は初めてだ。こちらもそれなりに緊張した仕事になるわけだ。まだ終わっていないので総括はできない。 
 
フローリングは片道2時間以上かけて材料と完成品を私が運んだ。しかも使う量の倍近く作った。作る場合は多めに作らないと持ち込んだ材木から歩留まりを計算するのが難しい。出来合いを買うなら買ったぶんの支払いだが作るとできてきたものすべてを買うことになる。 
 
しかも同じものが二度と作れない場合がほとんどで足りないのは許されない。結局使うぶんより多めに作る。あまりは在庫になる。今回は腰板としてフローリングは使い切った。それでも余ったものは棚板として使った。まあ高い棚板になってしまったが。CIMG6163


オリジナルの苦労

大工たちは新築の現場に棚とか養生剥がしに行く。細々と手直しとか色々ある。材料を昨夜積んでおいたので朝一番で届ける。現場には左官も引き続き入っている。昼近くにお施主様もいらして指示を受け説明手直しをする。午後からリフォームの現場へ行ってスロープの土工と屋根の板金が工事。竹製の照明器具カバーを引き取って現場へ届ける。 
 
完成間近で様々の手直しとか取り付けがある。だんだんと小さなことが増えてそれはそれで手間がかかる。部品一個がなくて取り付けできないとかどこかとぶつかるとか…。合間に完了検査の手続きや書類を作る。本業が何だかわからなくなるほどだ。 
 
現場からはひっきりなしに電話が来る。問題が起きるたびに職人たちは指示を仰ぐ。携帯の電池が午前中で切れる。車から充電できる器具を取り付けているのですぐ充電する。これは重宝する。 
 
手間がかかるのはオリジナルとか手作りが多いことによる。照明器具一つ取っても中身の器具と延長のコードと竹製のカゴとカゴを吊るすワイヤーと……面倒臭い。挙句に取り付けが難しくて時間がかかる。電気工事の職人が2,3日でできる器具付けが何日もかかる。 
 
様々な苦労はあってもお施主様が喜んでくれるなら報われる。それほどの出来でないとか気になる箇所があるとか普通なら有り得ないトラブルのネタが多く発生する。手直しに時間がかかるが熱意とど根性で乗り切るよりない。そこはお施主様もわかってくれる。CIMG6169


山の手入れ

時折雨が降る変な天気。朝一番で新築の現場へ行ってタイルの打ち合わせ。キッチンと玄関がタイルでストーブの遮熱壁が十和田石。張り方や入荷日を確認。玄関の四半張りが半分ほど終わった。昼には作業場の大家でもある製材所の葬儀に出席。その後リフォームの現場で玄関スロープや内部床貼りの打ち合わせ。 
 
現場が重なって資材の手配やら業者との打ち合わせが忙しい。合間に森林組合にお願いしていた自分の山の手入れを見に行った。35,6年の杉が3000坪ほどあって一度間伐をしている。二度目の間伐をしてまた間引きをした。2mほどの間を4m以上に離す。 
 
直径が30センチほどになり合板用として売れる太さになった。間引いた杉はベニア用として販売し経費にした。残った杉はあと30年もすれば直径が60センチくらいになり使いごろだ。もっともその頃に製材品を使って手刻みする現場があるかどうかだ。 
 
せっかく育てた良材も買うのがいないと値が下がる。今でもどちらかと言うと合板用が順調で建築用材はあまり売れない。価格も上がる気配がなく当社にはいい環境になっている。しかし山主の立場で言うと時間と金をかけたのに売れないのは困る。 
 
集成材や合板用であれば60年とかの樹齢でも使える。あまり太いと逆に売れない。この傾向は変わらないから建築用材として育てても旨味はない。さっさと売ってしまった方が良い。または広葉樹とかに切り変えた方がいいかもしれない。 
 
もう一つの山はケヤキを植えてある。広葉樹は成長が遅く草や蔓などで死んでしまう。手入れの費用もかかると言われる。杉など違い最低5,60年以上にならないと売れない。私が植えても孫の時代でないと売れない。先の長い話ではある。CIMG6151

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四半張り

昨夜来の久しぶりの雨。風が強くて現場が少し心配だが足場屋がネットを外しておいた。やっと足場も取れて全体が見れるようになる。今日も左官屋が漆喰の残りと玄関タイルを貼る。四半張りと言われる斜めの貼り方で手間がかかる。 
 
朝はリフォームの現場で打ち合わせ。昼頃から新築の現場へ。左官はタイルと遮熱壁の石張りが残る。今日から玄関の四半張りが始まっていよいよ仕上げの終わりになる。張るのに難しいのと材料が多く入る。インパクトのある張り方でそれなりに予算がないとできない。 
 
壁にはなまこ壁と呼ばれて斜めに貼る方法がある。目地を盛り上げて左官の技術だけで作る。タイルも斜めに張る四半張りと言うのがある。今まで試したことがなくいつかはと思っていた。玄関の広さと何と言っても風格がないとできない。 
 
もちろん黒っぽいタイルで目地は灰色になる。濡れると目立たないが乾くと目地が浮き出て来る。和風が多いが壁だと洋風にもある。インパクトのある広さを強調する張り方だろう。 
 
実は15年前に一度やったことがあった。普通の家で特に和風ではなかった。玄関に斜めに上がり框をつけたのでタイルも必然的に斜めになる。小さくて何と言うこともない玄関だったが斜めのタイルは印象に残る。本格的な四半張りは今回が初めてだ。 
 
左官屋も3週目に入り終わりに近づいた。今週中にも終わらせて来週は各種検査も予定している。左官屋がいる間は道具も多く砂やセメントで現場を汚す。彼らがいなくならないと掃除もできない。CIMG6150