青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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本年もよろしくお願いします

本日から業務開始、なのですが3日より図面やら見積もりで仕事はしていた。電話も鳴らず捗るのだがいまいちピリッとしない。今日もお施主様と顔合わせとお叱りなど。年末に挨拶しそびれて気にしていたがそのことは何もなし。 
 
昨年は悲喜交々色々あった。廃業の危機もあったりで正直あまり思い出したくない。夏から少しずつ運も向いてきたのか何とか仕事も出てきた。苦労は減ったわけではないが今年は昨年よりは良くしたい。仕事が順調に行けば何とかなりそうだ。 
 
資金的に苦労して必死だった時期もあって当たり前に仕事が来るのがすごく嬉しい。これまでは少し順調すぎたのか世の景気がそうなのか仕事量は減っている。初めて建てる若い世代にはすっかり見放された感がする。 
 
代わりに増えたのが中高年の新築、リフォームだ。古民家リフォームは当社の売り文句だが限りなく新築に近いリフォームになる。初めてと違って建ててもらった大工ではなく色々模索する方が増えたのだ。提案や設計能力など施主の思い通りになるだけではダメでそれ以上のものを望む。 
 
どうすると良いのか、自分たちの立場になって考えてもらう、そう言う視点だ。人生の最後まで自宅で過ごすのが増えそうだ。子育てや付き合いなど大きく変わって家の用途も大幅に変わる。同年代なので自分のことを思って提案も現実に即している。 
 
下請けの業者も人手不足なのか忙しいところが増えた。大工なども貸して欲しいと言うのが増えた。オリンピックが近くなるともっと激しくなるのだろうか。相変わらず工事価格はデフレ気味でさっぱり上がる気配がない。今年は何とかリフォームで乗り切りたいと思っている。エコリフォームの補助金も今月から始まる。cimg5669


今年もありがとうございます

今日も事務所で残務整理、色々溜まった仕事を片付ける。午前中で終えて午後は家のことで忙しい。息子も今日も作業場で最後の仕事をしている。色々あったが今年も明日で終わり、また新しい年が始まる。 
 
3年ほど現場数が少ない状況が続いた。その中でトラックを処分したり在庫を圧縮したりした。スリムになったと言うことだ。業界も大手の安物住宅のアオリで潰れたところもある。その中で当社は古民家とか地域材とかをウリにしてきた。手間と材料にこだわり見た目ではなく中身で勝負してきた。 
 
言うは易しでいくら当社が頑張っても現場が取れなければ始まらない。営業力、ブランド力の無さが原因なのか苦戦してきた。いくら良いものを作ると言っても世間に認めてもらえなければ駄目だ。仕事が余ってと言う状況は夢のまた夢でかろうじて現場が繋がっている状態だ。 
 
よその会社だって勢いがあるのはほんの一握りだ。どこも倒れないように必死で頑張っている感じだ。自社の恥をさらすようだが親子で最小限の設備で何とか続いている。 
 
普通ブログは本音をさらすようなところはない。危ないと思われれば仕事も獲得できない。しかし当たり障りのないものばかりでは面白くない。そう思っているのは私だけかもしれないが。 
 
私は毎日ブログを書いている。2006年ごろからだから10年になる。思ったことをストレートに書いているから続くのだろう。色々脚色したり嘘をつけばどこかで辻褄が合わなくなる。と言うより面白くないから続かない。 
 
今年はこれで最後だがまた新年は5日から書く予定でいる。少し愚痴めいたことを書いたが決して腐っている訳ではない。今の仕事に誇りを持って息子と長くやていければ良い。まだまだ老け込むには早い。幸いなことにブログの閲覧数は伸び続けている。この調子で仕事も順調に行くように頑張る。


古民家の見積り

早起きでフローリング引き取り。片道2時間かけて積み込んで作業場へ下ろすと2時。午後は大工と作業場で加工の手伝い。と言っても後片付け程度ですがね。朝は晴れていたのに午後から雪になる。途中強く降ったところもあって積んだ荷が濡れるのが心配だ。 
 
現場は今日は誰も入らず閑散としている。明日から休みに入るので周りを見て電気のブレーカーを下げる。昨日大工たちが空ける積りで片付けてあったので綺麗になっている。お施主様にも明日から休みに入る旨伝える。5日から仕事開始で4日には息子と二人で材木を運ぶ。 
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年内に外壁に着工できるはずだったが未だできず。少しずつ現場の遅れが出て当方としては焦らずやりたい。とは言ってもお施主様次第なので来年はプレッシャーがかかるかもしれない。今日も最後の挨拶に行ったら現場の進行がどうなっているかと言われた。 
 
古民家に限らずこだわった家つくりは手間の塊のようなものだ。たかが下地と言っても膨大な量を加工する。見積り外がどんどん出てきてかなりオーバー気味になっている。こう言う家を作り慣れないと大赤字間違いない。これもノウハウで相当多めに木材を見なければいけない。かと言って高ければそれはそれで仕事を取れなくなる。cimg5664
お施主様の御希望と予算があって現場は成立する。こちらの都合による予算や見積りでは最後はトラブルになる。しかし赤字ではこれまた困ったことになる。古民家風の見積りで難しいのは大工の工賃と材木だ。あとの業種は図面作成後に見積りをする例が多いのでそのなりで仕上がる。 
 
大工の工賃は手間のかけ方や設計者のイメージがどの程度難しいか判断することになる。二階の床を一階天井にするなど簡単そうで手間がすごくかかるものがある。木材費が節なしの角だと途方も無い金額になる。大工がカンナがけと刻みにどの程度見るか。経験がないとすごく難しい。


フローリング

いつもより早く作業場へ行く。息子と材木を積み込んで現場へ。大工たちは直接現場で瓦屋も来る。下屋部分のルーフィングを貼って瓦桟をつける。降ろし終わってそのままフローリングの引き取り。戻って作業場へ下ろし事務所へ戻ると3時になっている。 
 
今回はフローリングが4種類になる。一階は桜と栗、厚さが15ミリで合板下地に貼る。二階は4寸角の根太を45センチピッチにして赤松と杉の27ミリを直張りする。お施主様は栗より桜が気に入って買い増して桜のみになった。余った栗は腰板に転用する。 
 
二階も杉は柔らかいので赤松を貼る。一部どうしても赤松が足りないので杉も混ぜる。今までは赤松は節をカットして繋ぎ直していた。今回は繋がないで1.8mのままで使う。現場で節の部分があればカットしながら貼る。だからどのくらいカットされるか読めないので使用量が掴めない。 
 
多めに用意したのだが貼ってみてどうなるか。確実に余るのは杉のフローリングになる。あとは使い切る予定だ。そのほかに腰板が足りないので在庫の栗の板も総動員する。幅や長さがマチマチでどこにどう貼るか悩ましい。 
 
作って貼るのは多めに作るから在庫が常に溜まる。一部屋張るほどの量でもなく一部の腰板などで使える量だ。それも幅長さ厚みと色々だ。繋いで使えないのが在庫でたまる理由なのだ。いつも持ち帰るのは暗い倉庫へしまっておく。日に当てると焼けて使えなくなる。たまに大掃除して珍しいのが出ると無理やり現場で使ってしまう。


究極のこだわり

みぞれ混じりの冷たい雨。現場は誰も入らず閑散としている。大工は今日まで加工で外壁の板をカンナがけする。私も作業着に着替えて手伝い。明日はできた材料を運ばないとならない。 
 
用意した板は700枚以上。使う予定は600枚前後か。後から節のないのを買い集めたので増えた。残ったものは別な用途で使う予定がある。何箇所から別々に集めたので目は良いが生だとか乾燥は十分だが小節があったりとか。なかなか思うようにいかない。 
 
今回はこだわりのお施主様なので万事細かく打ち合わせをした。板もご自分で納得しないものは外して余分に集めたのです。木にこだわる方は節のないものが好きな方が多い。大黒や梁も全て自分で選び加工中も何度も確認にいらしています。もちろん工事中も毎日のように現場へいらっしゃるわけです。 
 
ご自分の山から出した材で家を建てるのは究極のこだわりだ。誰でも使える丸太を持っている訳ではないし乾燥期間もある。現場近くにご自分の山の木で建てている方がいて生っぽい節だらけの材木が多いと思いました。他所様のことなのであれですがもう少し乾燥期間があった方がよかったのではないと思います。(全く余計なお世話でしょうが) 
 
こちらのお施主様も実は山を見に行ったのです。樹齢40年ほどで使うには少し早すぎたので諦めました。もし立派な木があれば使いたかったでしょう。当社は伐採の手続きや買取もするので検討はしてみたのです。伐採は家一棟分だけとはいかなくてかなり多めに伐ることになります。 
 
つまりご自分の山の木で建てる方は余りを売るしかない。当社では買い取りはしますが製材乾燥と時間がかかるし製材してからも材木が余るケースがある。業者にすれば余分な材木や丸太が在庫になる。安くないとメリットはないので普通は出た丸太を市場などで売却してもらう。 
 
何だかんだと山を持っていてもプレカットで建てる方が多いご時世です。住宅会社とか工務店はこう言うのはやりたがらない。結局プレカットが増えていくことになります。自分の山の木で建てたいと言うささやかな希望も業者に説得されてあっという間に吹き飛んでいく。