本格的なヤマセで暖房が必要なほどだ。冷たい雨が降ったり止んだり。今日も1日事務所。図面が設計の核心部分なので集中していやる。雨が降るとどう言うわけか業者もあまり来ない。なので邪魔されないですごく良いのだが。古民家風の住宅なので細部に渡って図面を描かないといけない。
古民家はどこでもやれるものではない。材料と職人と設計のノウハウが必要だ。時間の経過とともに変わっていく知識も不可欠だ。10年以上建て続けてきてもまだまだ未熟だと思う時がある。文字通り赤字を食いながら苦労して溜め込んだものだ。材料と借金が溜まる一方で知識も溜まっていく。
技術的な知識は確実に溜まっていくのだがどうやって客を見つけるかは難しい。一般的に古民家風は高額である。なので裕福な方たちだ。職業は多岐にわたるが自営業が一番多い。年代も50代から60台が大部分だ。
苦労して商売を続けてただ辛抱の一生と言う方が普通だ。親からもらったラッキーのもいるが大手のメーカーを好む方が多い。辛抱して資産も増えて念願の家を建てたいとなる。いくら資産があっても墓に持っていけるわけではない。
夫婦で一緒の方が多くて奥さんを喜ばせたいのもある。苦労したのは自分だけではないからご褒美みたいなものだ。子供のために土地や家を買ってあげても自分達は古い家に住むのが普通だ。人生最後の奥さんへのプレゼントと言うのがあった。
苦労した方は無駄な金を使いたがらない。ケチなのだが家だけは立派なものを考える。孫子の代まで使えるものを要求する。イメージ的には昔の家のほうが長持すると思う方が多い。だから古民家風が好まれる。
メーカー住宅は金さえ出せば誰でも買える。古民家風は一般的に業者も少なく設計者も知識がない。同じ予算であれば古民家風の方が数も少なくステイタスとなる。さらに自分だけのこだわりを取り入れるからますます個性的になる。
自分が長年頑張ってきた証を家にして残したいと言うのがある。孫子の代まで使えるなら安いとも言える。時間の経過は古民家には価値の値下がりを意味しない。人生最後の自分の生きて来た証を家にして残す。こう言う層に古民家は一番支持される。