朝は寒さが残ったが日中は暖かい。現場の雪も溶けて足場の解体と瓦の配達が届いた。大工は作業場で下屋の加工。夕方から手直しで息子と現場へ行く。せっかく作った押し入れの中間棚を撤去して欲しいと。使い手に不便があったのだろう。
今日届いた瓦は三州瓦で愛知から直送できた。何箇所かあった瓦屋も一箇所だけになった。仕事が集中して景気が良いかと思えばそうでもないと。職人も減ったし営業がいたのにクビになっている。仕事量が激減したのだ。
大震災の時は瓦屋は仙台に行ったきり帰ってこなかった。あちらは瓦葺が多い。職人は仕事がありすぎて瓦メーカーが全国の職人を集めた。相当な高賃金で集めるのだが2,3年で騒ぎは収まった。で、瓦屋は元の状態に戻り人数を減らした。
城のような瓦を乗せた大きな家が減って田舎では仕事がなくなった。洋瓦が少し増えても大げさな瓦を乗せた現場には追いつかない。瓦だけで小さな家を建てるのできるほどかける。工期も何ヶ月もかける。断熱も耐震もクソもない見てくれだけの家だ。
隣近所との見栄の張り合いのような家は天然記念物のように激減した。瓦は仕事が大幅に減って業者数も減る。全国的に見れば主流なのだろうが当地では珍しい。もう十年にはなる付き合いだが職人が減る一方だ。そのうち廃業しないとも限らない。
瓦自体はなくなることもないだろうから業者が遠くから来るようになる。メンテナンスやアフターがどうなるか心配だ。メーカーが主導するような体制になるだろうか。何にしても古民家にはなくてはならない業者だ。仕事を増やそうにも予算的な事情が許さない。将来が心配な業者だ。