今日も暖かく昼前から雨が降り始める。外部工事を中止して内部に集中する。大工が法事で一人休んで外部がなかなか進まない。昼前からお施主様と奥様で現場へお見えになりキッチンとかトイレなどを打ち合わせる。この辺は奥様でないと進まない分野だ。
キッチンは洗う場所と火を使うところが平行に分かれている。真ん中を通路にして分けた。製作キッチンなので高さはもちろん奥行きも自由に決められる。枠組みから棚板まで全て杉材で作る。一部Jパネルも使うが基本は杉の無垢材。接いで奥行きをつくり厚みも重ねたりする。
流しメーカーを使う方も多いが無垢のキッチンも根強い人気がある。細部の収納とか金物類が既成のものしか使わないのでそう言う部分はこだわれない。当社に依頼する方の多くは無垢の木にこだわる。たとえキッチンであっても無垢にしたがる。
ご主人もグルメで自ら包丁を握ったりするらしい。包丁刺しとか自分専用の物もある。近年増えた男性のこだわりがキッチンにも及んでいる。奥様に任せきりでなく自ら口を挟む。見た目で言えばメーカーものには敵わない。しかし素材とか自分好みの部分を作れるのがこのやり方の良いところだ。
誰でもこだわる部分はあるもので理屈ではあまり意味がないと思っても自分には大事な部分だ。棚板も無垢にすると言えば簡単そうだが反るのをどうやって防ぐかかなり面倒だ。既成の棚板材なら反るのはもちろん仕上げも簡単だ。
デザインや使い勝手にこだわるのは普通だが一切の工業製品を拒否すると困難が待ち受ける。しゃれた色使いや機能などにほとんどの方が注目する。自分独自の世界ではなく皆と同じと言うのがポイントのようだ。金額は作っても既製品でも機能が同じなら変わらない。変わるのは素材とデザインだろうか。