今日は現場や打ち合わせでほぼ一日事務所に戻れなかった。挙句に午後になると携帯の電池切れで音信不通状態。下駄箱のカウンター材のヒバをお施主様が探して来て作業場に運んだ。どうしてもと自ら探して来た。こちらは業者とか製材所を探すのだがヒバ材は割れやすく在庫が少ない。
夕方から現場へ行って色々チェック。大工は軒裏の工事であと少しで終了。息子は外壁のささらを加工中で来週初めにはなんとか外部が終了予定。続けて外壁の塗装になるが今回もシッケンズの予定だ。外部の木部塗装はキシラデコールとシッケンズが多い。
どちらかと言うとキシラデコールは濁り気味でシッケンズの方が木目が出る。外部の木部塗装は透明は保ちが悪い。変色や割れが出てくる。メーカーも着色の塗料を勧めている。過去には知識不足もあって透明を塗ったところもある。今見ると相当劣化が激しくて変色している。
現場をこなすことで覚えることも多い。過去のお施主様には申し訳ないことだが一言念を推しておくべきだった。失敗例ならいくらでもある。建材とかであればメーカーとか建材店からの知識もあるので失敗は少ない。
木の家とか無垢材の世界は先例があったり修行先で覚えるとかしかない。修行もなくいきなり独立は冒険だった。失敗はお施主様に迷惑をかけてしまう。もちろん何度も手直しは経験済みで金額的にも相当な負担になる。そうやって覚えた知識を後継者に伝えることができないのは残念なことだ。
ただ息子が大工と言うのであれば分野は少し違うが伝えることもできる。設計者としてではなく職人として生きていくのだから生きた知識ではない。心構えとか信念のようなものを教えられたら思っている。