今日も現場は混雑が続く。大工、塗装、電気、左官と車が溢れる。大工が目処がついたので次は漆喰がいつできるかになる。いつもの左官屋は3人の職人がいる。普通に考えれば3週間以上かかる。もう一人くらい見つけると少しは早くなる。左官屋と打ち合わせたがそこがポイントだった。
漆喰は下塗りと仕上げの2種類を塗るのが普通だ。下塗りのモルタルは灰色で石膏モルタルなのでセメントほど硬くはない。下塗りは平面を鳴らす意味がある。均した上でないと漆喰は塗れない。手のひらくらいの漆喰で畳一枚分は塗れる。その薄さは1ミリくらいと言われる。
昔ならいざ知らず漆喰はそう現場が出ない。職人は普段は床モルタルの仕上げなどが主で本格的な漆喰は珍しい。年配の職人で熟練者でないと思うようにできない。漆喰は一発勝負なので技術の面で難易度が高い。
消石灰に海藻やスサを混ぜて混合する。今は調合された漆喰を使うのが多い。職人は塗り方とこね方に分かれこね方は塗る時間に合わせ練って手元まで運ぶ。結構な力仕事で足場があると上り下りで相当苦労する。夫婦で壁を塗る職人がいて奥さんがバケツを持って上がり下りをしていた。
後継がいない典型的な職種で漆喰までできるのは稀だ。せいぜいコンクリート打ちのなで方しかできない。そもそも漆喰塗りの住宅は激減したから仕事がないも同然だ。何とか残したい技術なのだが修行も時間がかかるしそのうち誰もできなくなるに違いない。