もう何日も続く雨。外部の塗装屋が毎日半端で進まない。明日からは晴れそうだ。外部は塗装が済むとほぼ終わりで雨樋の交換が残るのみだ。外壁がやっと一部二回目に入る。
今日から大工が一人抜けて二人になる。仕上げ工事が佳境に入り進行速度が落ちて来る。いわゆる見える部分になるので丁寧にやらないといけない。下地の時は見えなくなるので多少は早くできる。仕上げはそのまま出て来るからキッチリと丁寧な仕事が要求される。
不景気とは言いながら職人は大忙しだ。深刻な職人不足で現場を取るより大工探しが大変だ。足りないのは大工だけでなくあらゆる職種で言える。仕事探しで苦労した職人と言うのは今は昔で職人でさえあれば誰でも良い。と言うのは言いすぎでとにかく足りない。
今は絶好調の宮大工たちも職人不足で工期が守れず苦労をしている。当社のようなところにも声がかかる。競争に敗れて潰れかかったところも勝ち組の下請けに廻って忙しい。余っているのは営業と設計事務所くらいのものだろう。
かく言う当社も8月以降はあまり忙しくない。大工たちはそれぞれバラバラにどこかに出稼ぎに行く。現場は出てきたらまたチームを再編成する。フリーの一人親方を集めてその都度チームを組む。
昔に比べて職人が一人前になるのに時間がかからなくなった。電動工具やプレカットの普及で誰でもとは言いすぎだが簡単になった。大工もノミカンナはほぼ要らず丸ノコと電ドルが主力だ。機械化は逆に工具代がかかると言う面もある。
これだけ不足しているのに手間代は余り上がらない。零細工務店が下請け専門になり大手の圧力で手間代を値切られる。大工工務店が元請けをした時代は手間も高くのんびりした仕事だった。それが今では目の前にぶら下がったニンジンめがけてスピードだけが命だ。
全部の工賃が決められているので競争で早く終わることしか頭にない。とにかく早く早くと競馬の馬のごとくこき使われている。総額が決められているので遅れると相対的な工賃が下がってしまう。