気温は大して変わらないものの風がないだけ暖かく感じる。玄関屋根の板金と板張りの大工が現場に入る。他の現場はないのでここだけに集中できる。この前のボイラー交換の集金が残るのみだ。
板を張るとささらと呼ばれる押さえの縁をつける。息子一人で作業場で加工中だ。板は貼れるがささらは簡単にはつかない。板もささらも無垢材の杉である。加工は正確でも微妙に乾燥したり反ったりする。
ささらはカギ型に斜めに加工をするが斜めが微妙に合わない。結局一段ごとに再加工しながら合わせていく。その手間が恐ろしくかかるのだ。
一周23間で1間に4本つくから92本になる。一本あたり1時間と見て92時間、二人で46時間ずつだから6日ほどかかる。他の仕事もあるから10日は見ないとならない。板貼りも含めて3週間と見ている。
同じ横張りでもささら無しだと1週間以上は早い。鎧貼りと下見貼りの違いは歴然で見た目がだいぶ違う。本格的な和風には必要な仕様でこれなしでは和風っぽく見えない。下見貼りは洋風のドイツ下見と同じだから和風向きではない。
さらに杉板と唐松などの板でも違う。鎧貼りはやはり杉が一番でヒバやサワラもあるが貼り上がった時の感じが柔らかい杉が一番だ。木目も強いので見た目が綺麗だ。