青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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今冬一番の冷え込み。昨夜は雪も降って道路は凍る。現場へ行く途中は空いていて良いのだが大工たちは休みで息子一人。職人はこう言うところがルーズでサラリーマンには理解不能だろう。 
 
理解不能と言えばいつも頼んでいる大工がいる。最近でこそ息子が主流になって活躍の場が減った。彼は自分の生家の郊外の町に住む。どこにでもある老人だらけの過疎の町だ。 
 
毎年のように彼は地元で家を建ている。その地域の新築需要をほぼ独占と言ってもよい。建て主は幼馴染みで同年代の60代が多い。建てる家も地元材を使ったごく普通の昔風の田舎の家だ。
 
農家がほとんどでお世辞にも裕福には見えない。老夫婦しか住んでいないところが多い。子供と同居かと思えばそうでもない。建て替えの必要性がないようにも思える。
 
まず最初に仮住まい用の小屋を新築する。そこに引っ越すと母屋を解体し新築となる。60坪くらいが多く大きいのは70坪を超える。そこに住むのは老夫婦だけ。 
 
今までの慎ましい暮らしぶりとは似つかわしくない大きな家を建てる。昔風の天井の高い柱も1尺(300ミリ)もあるような豪快な農家住宅である。長年なぜこんな家を同居もしないのに建てるか不思議だった。 
 
隣近所に負けないような立派な家を建てるのが農家のステイタスなのだと言う。若い時から家を建てるために必死で貯める。やっと60代になってほぼ全財産をかける。家は理解不能な理由で建てる方がいる。