いつも散歩で会う方がいて私の家の下の田圃の所有者だ。片道5,6キロはあるところから歩いて来る。農家ではないから田圃を見に歩いて来る。すれ違っても挨拶程度しかしないがどなたかは知っている。
我が家の下の家は後継の長男が福島にいる。見事な茅葺き屋根の古民家なのだが空き家になって40年近くなる。屋根は茅の上にトタンを被せたので雨漏りはない。
私が帰郷した頃は親が住んでいたがなくなってから空き家になった。後継は一つ下なので子供の頃は遊んだ記憶がある。中の様子も何度か見たことがある。
馬小屋と同居の典型的な南部の曲り家である。広い土間は冬の作業場と馬の世話用になっている。板の間は囲炉裏が切ってあり天井はない。煤けた梁や柱が丸見えである。
子供部屋を作ったり台所を直したのを記憶している。真っ黒な大黒柱にベニアを貼って大壁に直した。もったいないのだが当時は大壁のプリント貼りは流行りだった。
子供の時以来内部は見たこと見たことがないが酷い状態だろう。兄弟仲が悪いのかこっちにいるものは誰も構わない。長男に頼まれた近所の爺様が草刈りをする。それもここ何年かやらなくなった。
その家の前の田圃を買い取った方が散歩に来る。多分所有地の一番遠い田圃ではないかと思う。近くの田圃は区画整理でほぼなくなってしまった。代換地を買うと税金が安くなるので買ったと思う。