青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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HA化

今日は荒れ模様の天気で雨になった。左官は休みで大工が二人。今月中の完成なので早めるところは急ぎたい。外部の左官もあと何日かかかる。基礎の仕上げも整地作業も残っている。 
 
今日あおもり産木材地産地消ガイドブックの本が届いた。木の家に暮らす会の三上氏が編集した本である。氏はこのガイドブックを8年つくり続けている。当社もずっとおつきあいせてもらっている。 
 
こう言った取り組みにもかかわらず相変わらず市場には外材の集成材が溢れている。大手はもちろん地元業者もほぼ集成材プレカットの家だ。増えると予想されるホームオートメイションなどに対応できるかどうかだ。 
 
職人不足は工期短縮もあってますます工場で作る傾向が強くなる。少しずつ職人手間が下がりその分建材メーカーの取り分が増えた。当然工期短縮に対応したものばかりだ。 
 
HA化は車の自動運転と両輪で進むに違いない。まるで遊園地のような機械仕掛けの家になるかもしれない。そんな家つくりにあって個性の強い家を望む方も出てくる。 
 
当社としては地元産にこだわり手刻みや手つくりを進めていく。HA化とは逆の方向になるかもしれない。今後法がどのように改正されるかにもよるが一般的にはならないだろう。それどころか絶滅するかもしれないのだ。 
 
家は大工と建具と左官が大事だ。彼らが持つ技術が廃れない限り当社はつくり続けたい。減り続ける他業者のせいか引き合いが増えている。曲がりも在庫したし仲間の製材所が潰れない限り続けたい。


塗料

今日は暖かく晴れて春近しの感がする。明日は少し荒れそうだから現場養生をしっかりしないとならない。大工は今週でほぼ目処がつき来週後半には塗装に入れる。外部も防凍剤入りの仕上げをする。 
 
鎧貼りの外部は塗装をウッドロングエコと言う塗料を使った。これは素材が自然素材でできており土壌汚染や水質汚染を引き起こさない。仕上がりも自然な感じで匂いもほとんどない。 
 
塗り始めは無色透明で少しずつ濃いグレーに変わる。木材保護材なので表面に膜を作る従来の塗料とは違う。外部デッキとか肌に触れるようなところでもあまり害はない。経年変化で少しずつ色が変わり膜のように剥がれることはない。 
 
しかも水性で塗りやすく工賃も安くなる。建材の外壁材などのように表面の膜が破れると劣化する性質のものは違う。古民家のような古臭い色という感じに仕上がる。欠点は雨のあたる部分とあたらない部分が色が違ってくる。どの塗料でも言えることだが。 
 
内部は基本的に木部だけに塗る。杉材はアルコールで溶くニスをヒバ材は白木用のワックスで仕上げる。どちらもウレタンのような艶があまりない。自然な感じなのだが床だけはウレタン塗装をする。強度も違うし汚れがつきにくい。 
 
シンナーの溶剤で塗るラッカーは乾燥が早く工期が早い。艶なしもできるが基本は艶がある。薄い膜を作るので無垢材は陽に当てると剥がれてくる。着色する場合が多いので自然な感じに仕上がらない。 
 
今の住宅は無垢材仕上げより集成材とかベニアになる。無塗装仕上げはほとんどなく何らかの塗料を塗らないと日焼けしたり割れたりする。無垢材の無塗装は汚れやすいだけで仕上がりに違和感はない。アトピーとかの方に多い。


丁寧な仕上げ

いつも通りの冷え込みで朝は寒い。日中にかけて穏やかになってきた。明日は春の陽気になるのかもしれない。大工が最終にかかって仕上げ急ピッチで進む。外部も小壁の下塗りが始まった。 
 
外部の左官は防凍剤を入れたモルタルで下塗りをする。下塗りは十分な乾燥が必要で中途半端仕上げをすると中から割れてくる。下塗りが済んだら中塗りをして下地を調整してから漆喰になる。 
 
大工たちが終われば塗装屋がニスや白木ワックスを塗る。その後また左官屋が石膏モルタルを塗って漆喰を仕上げる。内装はプラスターボード下地なので下塗りがない。木部には漆喰は塗れない。 
 
建具、器具の取り付けはその後になる。各業者ごとなので一斉に仕上げる。現場監督としては一番気が抜けないところではある。後先が逆だったり器具の入荷が遅れたりと心配のタネは尽きない。 
 
当社基本的に現場が重なる時はない。ひとつ終わったら次にかかる。だから管理も楽と言えば楽だ。一人で設計監督なのでそれなりに忙しい。もちろん前からずっと続けてきたことだから当たり前のことだが。 
 
同時進行で一気に工事するところもあるが気が散るし間違いも出る。一つずつ丁寧に進めた方が結果として早い。何棟同時着工をして職人をあちこち動かした方が効率は良さそうだ。しかしこのやり方では設計監督するものは手間がかかりすぎて混乱する。 
 
キッチンや洗面すらも手つくりするから発注も膨大な手間がかかる。メーカー任せの既製品を使えば電話一本で現場へ配達してくれる。日程の連絡だけしておけばあとはお任せだ。楽だがいいものを作ろうとすればこのやり方では無理がある。


設計の基本

今日は法事で午前中はお休み。午後から現場と作業場。次の現場の下見と現地調査。確認申請に必要なデータはいろいろある。現地の状況を図面化して行政に納得してもらう。 
 
3m以上の崖の上に建てるには条例がある。有効な擁壁とかあれば問題ない。また10mとかになると敷地境界から離れなければならないこともある。斜線制限も道路と隣地からの離れがある。 
 
設計の基本はこのようなことをクリアするようにすることだ。当たり前のことだが確認申請で一番問題にされるところだ。デザインとか断熱性能で業者を選ぶ方も多いが行政の見方は違うところを見ている。 
 
先日の熊本地震で今の基準で確認を取った建物が崩壊したいところがあった。この頃多くなった広いリビングキッチンが一階にある場合などが該当する。壁量計算は問題がなくても大きな揺れが来ると崩壊する。 
 
数値上はクリアできてもバランスが悪かったりギリギリの場合だろう。一階に車庫があって二階にリビングと言うのもあった。これもどうしても弱くなる例だろう。特に車庫は中間柱がない方が使いやすいし電動シャッターで大きな開口を取る。 
 
デザインや使い勝手はお施主様の要望があれば取り入れざるを得ない。補強のために予算が増えるとかいろいろ障害が出る。まあ安易に妥協するケースがある。後で困るのはお施主様の方だが。


職人探し

昼頃から雪が降って一面真っ白になった。10センチほどなのですぐ溶けるだろう。現場はこの程度でも影響を受ける。昨日小壁のフェルト貼りをしておいてよかった。今からだと雪が溶けきるまで仕事にならない。 
 
大工は中だけなので影響はない。ゴミを出したり材料の搬入が手間取るだけだ。小さい現場なので中にゴミや材料を入れると身動きが取れなくなる。こまめに出し入れしないとならない。 
 
応援に来てもらっている大工が田子町から来ている。先日ガリステご飯を食べたところである。作業場はさらに浄法寺方面に奥に入る。以前田子町の大工に仕事をお願いしたことがある。秋田県境に近いところまで通ったこともある。 
 
大工は仕事を求めて人口の多いところへ通う。片道1時間くらいは普通で雪でも降ったらもっとかかる。基礎業者も岩手県から来る。仕事さえあればどこまでもと言う感じだ。 
 
東京へ出稼ぎに行くことを思えば良いのだろう。オリンピックのおかげで出稼ぎも増えそうだが職人確保は苦労する。今から手を尽くしてコネつくりをしないとならない。客探しも大変だが職人探しも年々深刻になりそうだ。