青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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山行き

朝一番で現場へ大工と行く。2時間ほどで終わってその後山へ。山師(丸太を売る人たち)から丸太のお誘いが来た。まあまあの太さがだがあまり気乗りしない。午後から現場と作業場へ。戻って図面とか書類作成。 
 
紅葉も散り始めた今頃が伐採のシーズンになる。年中伐るようになって季節感が薄れた。広葉樹とか良い丸太は冬でないと水分が多くて乾燥に時間がかかる。製材所とか宮大工は大量買いするから山一つ買う。こちらは10本とか大黒柱用を1本とか少しずつ買う。 
 
良い丸太が沢山あれば当社のようなところには電話が来ない。少ない量で中に何本か大径木がある時だけ連絡が来る。少しでも高く売るためには合板用とかチップ用よりは建築材に売りたい。普通は土場などに溜め込んで入札にかける。 
 
何度も運ぶより直接売って運んだ方が効率は良い。だから良い丸太が沢山出るような現場の話は来ない。面倒でもセッセと現場を見て選ぶのが良材を集めるコツだ。多く買うと要らないものが増えて在庫が増える。 
 
結局大工たちが欲しいのは節のない太い丸太だ。直径が40センチ以上あるような丸太からしか出ない。山師たちは細い丸太も売りたいから混ぜて売りたい。欲しくないものまで買わせようとする。 
 
欲しいのだけにしたいのとまとめて売りたいのが交渉をする。山師からすると良い丸太が少なく分けて運ぶほどでない時にこちらを呼ぶ。少量買だからだが丸太を買う大工がいなくなって売り先が減ってしまった。どんなに少なくても良いのが出たら買うようにしている。
  
手刻みは乾燥した材木があることが前提になる。丸太を買って乾燥在庫か高い乾燥材を材木屋から買うかだ。少しでもコストを下げようとすると丸太買いしかない。丸太買は在庫する倉庫と運ぶトラックが必要だ。 
 
均して考えたらそんなにコストが変わらないかもしれない。当社が丸太買を続けるのはコストもさることながら材料にこだわるからだ。構造材だけでなく小割材も良材から取れば良いものが取れる。見えないところまで乾燥した良材を使いたいからだ。


無印良品

昨日の日曜は気温が下がり寒かった。朝市に久しぶりに出かけたが寒くて早々に引き上げた。日中も気温が上がらず銭湯に出かけた。比較的新しい銭湯で明るく洗い場が広い。若い人も多く人気もある。 
 
実は見たい住宅があって近くに行った。無印の家の展示場があって一度見たかった。無印は訳あって安いをウリに高品質を安く売るがコンセプトだ。何種類かあって税込1800万ちょっとで買える。坪単価50万円ちょっと。 
 
知名度とシンプルなデザインは若者に人気があると思う。このぐらいで住宅会社に依頼したらもう少し高い。プレファブメーカーは高品質を売りにもっと高い。ブランド力があってこの値段だと受ける。 
 
寒冷地仕様がどの程度なのかわからないが少し心配なところがある。暖房方法と断熱性能次第だろう。しかし難しいデザインだと思う。果たして暖房が追いつくかどうか、結露がないかどうかだ。 
 
逆に同じものを現地で作ると相当厳しいしデザインでは圧倒されるだろう。建て売りに近い値段でこの品質は地元業者には脅威だ。若い設計者などがこう言うデザインをやってもクレームや文句が出るだけだ。 
 
家はデザイン最優先では建てられない。売ることはできてもそれは家でなく住む箱だ。長い目で見ても長持ちするとはとても思えない。デザインのために他を相当我慢しないと住めない。かっこ良い住まいを我慢しても住みたいのはいるとは思う。
 


ソーラー

昨夜雨が降り湿った道路を散歩に行った。所々に水溜りもあってワンコは泥んこになる。事務所で図面の後現場と作業場へ寄る。戻って昼食後に自宅のソーラーパネルを外す。 
 
ソーラーは電気ではなくお湯の方だ。築33年になるが最初から屋根に載っていた。昨年タンクから漏るようになり廃棄を決断した。パネルもおろして屋根も軽くなった。 
 
夏はほぼソーラーだけでシャワーはできた。3人以上になると足りなくなってボイラーを点ける。冬はタンクの湯温が0度以下になることはなかった。天気さえ良ければ真冬でも10度くらいにはなった。 
 
ただタンクの温度は上部のセンサーで測るので下は冷えている。夏は60度以上になっているが下は水だった。300リットルはいるタンクは少なくとも上部で50度くらいあるとボイーラはいらない。 
 
30年以上使って夏のシャワーはほぼ間に合った。ポンプ交換とメンテナンス費用だけだった。今は夏もボイラーを使うし灯油代が月5千円くらいだから33年だと150万円にはなる。工事費が120万円位だったので元が取れたかもしれない。 
 
実は費用や効果の他に屋根の傷みもある。パネルを載せている架台から錆が出て屋根がもらい錆をしている。このまま放置すると穴が開いてしまう。屋根には載せないのが一番だと思う。これが修理する気にならなかった理由だ。


新しい古民家

気温も上がって秋晴れの気持ちの良い一日。地鎮祭があって朝から現場で準備。終わってすぐ遣り方を出したり仮設水道を立てたり。連休中は休みだが来週から地盤調査後に基礎工事開始。 
 
墨付けをする息子は土台の刻み寸法を知っている。図面など見なくても遣り方を出せる。今回は変形寸法が多く刻みは面倒なはずだ。並みの大工なら文句タラタラ不貞腐れてしまう。 
 
職人に限らず自分の能力を超えた仕事はできない。こんな面倒なのはできないと文句を言うか間違って墨を付ける。だからと言って能力に見合ったことばかりさせても伸びない。どんな複雑な現場でも墨をつけれないと棟梁とは言えない。 
 
自分の能力に合ったものしかやらないと器が小さくなる。施主の好みやデザイン上の変形寸法は多い。これからはそのようなものにも伝統的な技術を駆使した墨付けをできないとならない。 
 
そのような高度な技術を持ったところしか生き残れない。スマートハウスなどこれからの住まいは電化が一気に進む。同時にデザインとか性能は画一化に向かう。工業化住宅と言うことだ。 
 
時代が変わっても人と違うものを望んだり地域材とのコラボを望む方もいる。電化とは違う価値観を持つ方もいる。そう言った方に独自の住宅を提示したい。ただの古民家ではなく地域材を使った新しい古民家のようなものを作りたい。当社はまだ発展途上だと思っている。CIMG6896


コストを下げる

今朝は暖かいのでワンコの散歩。最近は昼食後に連れて行くのだが時間があまりない。どうしても距離が短くなりがちだ。晩秋の落ち葉の積もる道路はワンコには嬉しいのかしきりに転げ回る。 
 
午前中は事務所、午後から作業場。刻みは墨付けが終わって加工に入っている。現しの梁とか大黒柱は棟梁である息子の専門。ややこしい仕口ができるのは宮大工だからだ。梁と柱の連結も金物に頼らず雇いサネを入れて固める。 
 
金物だけで作ると完成後に隙間が空いて来る。別に構造上問題があるわけではないが見た目が悪い。キッチリと隙間なく組むのが大工の腕だから手抜きはない。知識のある限りできるものは全てやっている。 
 
加工だけでなく材料にも厳しい。乾燥材は当たり前で狂いやすい材木は弾いてしまう。経営者としてはコストもあるので痛いところだが仕上がりには妥協はできない。サラリーマンには理解できない職人のこだわりだ。 
 
もっと言えばわがまなのだが原価意識はほぼない。可能な限り良い材料と手間をかける。道具から腕から全て違う。仕上がりが良くてコストが下がれば理想だがそうはいかない。 
 
少しでもコストを下げようと丸太買いをしたり大量に買って安くする。資金繰りもあるのでかなり危ない方法なのだが安くはなる。今も自分の山から木を出して挽く予定だ。自分の山だから木の代金はないと考える。 
 
本当はおかしいのだが原価が下がるのは間違いない。色々な努力でコストを下げる。材料費を下げても手間をかけすぎては何にもならない。職人たちに言うのだがなかなか言うことを聞かない。良いものができるから良いかとなってしまう。CIMG6888