今の中高年はいつの時代も人口ピラミッドの肥満に貢献してきた。団塊の世代を中心に上下10歳前後が含まれる。平均余命も伸びて定年退職後30年は生きる。現役で働いた期間は私で38年位のものだ。退職後が思ったより長い。
年金生活で一番金がかかりそうなのは住まいだろう。40歳前後に郊外に新築して子育て終了で夫婦二人になる。定年近くなると関心は子供から自分たちの老後の家だ。
当時の作り方は部屋数優先で子供部屋が多く居間も狭い。バリアフリーなどない時代だったので階段は急で廊下も狭い。二階の寝室ではとても老後向きとは言えない。
水回りや外壁の傷みを補修するのがきっかけになりどんどん夢は膨らむ。ちょうど退職金もあることで話が大きくなっていく。誰でも考えるコースで建て替えとリフォームの二刀流で計画が進んで行く。
建て替えとリフォームでは金額差が意外と違わない。とは言っても土地代の差は出る。リフォームは断熱が重要だから外壁とサッシの交換になる。内装はもちろんやり変えだが大概居間を大きくする。限りなく新築に近いリフォームと言うことだ。
勤め先によるが用意できる資金は3000万円くらいのものだろう。土地購入の上新築だと少し足りない。リフォームだと土地代がないので余裕がある。土地価格も下がる時代だがそれなりのところはまだ高い。
建て替え組には便利なところに老後は住みたいと言う大きな希望がある。夫婦から一人になる可能性を考えれば離れた郊外より中心街に近い方が良い。友人付き合いにしても病院通いまで何かと便利だ。
子世代に既存の家を渡して自分たちは新築も考えられる。しかし学校の問題や通勤で街を好む傾向が強い。甘やかされて育ったので親よりも新築志向があって贅沢なのが多い。若い世代が中古住宅を買ってリフォームは思ったより少ない。
既存を売却して資金を得る方法がある。しかし古い家のまま売却は無理で解体するのが普通だ。中古住宅として価値があるのは築15年くらいまでだ。土地代にもよるが解体費も100万円以上かかるのであまり残らない。
もし土地が広いと二世帯住宅も別棟も可能だ。土地購入でも親子でローンを組めば可能だ。二世帯が可能ならば税法上からもメリットがある。別棟ならもっと理想的かもしれない。
どのケースでも土地の有無と資金次第なので余裕があれば新築になる。数から言うと郊外の小さな家に住む方が圧倒的に多い。売却も子世代同居も難しいと言うのが普通だ。こういう方はリフォームになる例が多い。
家を新築しても家族構成や環境の変化で直したりしないとならない。子供たちも家を出て独立するし結婚と親の退職が同じ頃になる。家族ごとにいろいろな事情で新築やリフォームの要因が決まってくる。
二世帯住宅も2棟やったがタイミングが難しい。親世帯が退職を機に未婚の子と親子ローンで建てた。3年後子供は別なところに新築して大きな家は無駄になった。もう一つは子が建てて親を呼ぶのだが2年経っても同居していない。二世帯住宅は難しい問題があって別棟の方がいい場合もある。私も息子も別棟で建てているのでその良さがよくわかる。