朝早くから事務所へ大工が寄った。外部の板張りのやり方を展示場で確認するためだ。珍しく早めに出勤していたので話ができた。その後現場へ顔を出した。屋根の板金と外のコンクリートの業者と大工になる。借りている駐車場も満杯でお隣も置かせてもらう。
一通り打ち合わせ後作業場へ。息子が一人で加工中で材木の選定や引き直しの引き取りなどで午前中かかる。これからカウンター材や内法材の加工になる。言って見れば当社の一番の見せ所で私が一番こだわる部分になる。これの出来次第で内部デザインはほぼ決まる。どういう素材をどの寸法で使ってやるかが一番の設計になる。
建材で家を建てると外部はサイディングか板張り、内部はクロスと板張りの組み合わせになる。デザインとは言うものの切り張りみたいなものだ。空間や素材の魅力など十分に生かしているとは言い難い。天井高さにしてもプレカットである以上決まりはある。構造を表しにしたりデザインに使うことはやりにくい。
設計事務所はこうした制約の中で切り張りデザインに没頭する。できたものはどこかで見たようなものにしかならない。そう言うものが長期的にどう変わるか言わずもながである。
たまたま国産材の丸太から製材して家を建てると言うのを始めた時に一番の発見は素材の魅力だった。素材を活かせば十分に魅力的な家になることを学んだ。それまでは形や細部デザインとかつまらないところにこだわったものを作っていた。それがすべて消し飛んでしまうほどの衝撃を素材の魅力に感じた。