朝から雨で気温も低い。午前中は作業場で大工と打ち合わせ。今月と来月で刻みを終了させる予定だ。11月には上棟になるがまだまだ刻みは続く。上棟後は大工が4,5人必要と思っているがまだ目処がつかない。
10年ほど前に建てた現場を見てからお施主様には決め手になった。それもあって応援の大工を前に建てた大工たちを呼ぶ予定だった。しかし急遽仕事が入り年内は難しくなった。お盆前には仕事がなくてと言うことだったからだ。
職人たちは仕事が安定的に続くのは少ない。あまり早くても急すぎてもうまくいかない。当社のような仕事は好き嫌いがあって誰でもと言う訳にはいかない。道具も違うし来てもらっても仕事がない。
予定していた組はブログの職人の世界に登場する大工だ。大工その2に登場するオトーサンのところだ。最初に曲がりとか大黒とか古民家に本格的にのめり込むきっかけになった。ほぼ10年ほど付き合いがなく久し振りの仕事になるはずだった。
珍しくと言うか当時の大工たちがまだいると言うことだった。仕事の変化もあって長く同じ大工がいるとは限らない。気ままにあちこち渡り歩くのが普通だ。
オトーサンのところは大工が小学生の頃から住み込みで修業する。学校に通わせながら大工修業もする。今では聞くこともない昔の世界が生きている。だからオトーサンは単なる親方でなく親そのものだ。
親が生きている限りは子はどこへもいかない。子と言ってももう50代になるし子もいる。オトーサンは正月にはお年玉は何人に配るのかしれない。そういう世界だから仕事ぶりもレトロで古臭くノンビリしている。
新しい古民家と言うか合理的なものを考えて別な大工に乗り換えた。いろいろあって息子が大工となり縁が切れてしまった。息子以外の大工が安定しなくて応援にオトーサンのところを訪ねたわけだ。今回はダメだったがいずれまた一緒に建てる時がくるような気がする。