青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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今日は午後一番で県民局のバスツアーが来る。中は危険なので外から見ていただく。予想通りと言うか材木の太さにびっくりしたようだった。なかなか見ることのない現場なのでさもありなんと言うところだ。現場は大工と水道屋が入る。屋根が何とか塞がったので雨が降っても大丈夫だ。 
 
ここの特徴に屋根の垂木現しと二階床現しがある。昔の家は二階が屋根垂木現しが普通だった。天井があるのは一回のみで二階は個室か物置と言う扱いだった。蔵や大きな倉庫の二階などは皆そうなっていた。大きな梁や垂木は丸見えだったのだ。cimg5519 
 
屋根垂木は普通は二つ割を使うがこちらは3.5寸角を45センチピッチで登りでかける。野地板は現しだから仕上がっている。見せるのだから無節で羽目板加工をしている。突きつけでなく填め込むようになっている。あとで乾燥して隙間が出ないようになっている。 
 
それが7間の幅いっぱいに連続する。部屋の天井になっているのもあるしロフトになっているところもある。全て見えて仕上げが同じだ。施工する側から言えば材料費と手間が膨大だ。無節の角をカンナがけして見せる。振れ止めは束に貫を通して込栓をする。 cimg5514
 
二階の天井はレトロな仕上げの塊なのだ。私は二階の造作に一番力を入れている。普通の家では到底味わうことのないレトロでリッチな空間が広がる。もちろんすぐ近くには太い曲がりがあって薄暗い天井の迫力を増している。この面白さは見た者しかわからない。