昨日の雪が残って道路も凍って滑る。大工たちは現場を抜けて作業場で外壁の加工。板をカンナ盤に通し仕上げる。板の数はザッと600枚。ササラと呼ばれる押し縁も加工する。板を通すだけで1日でできない。明日までかかって何とか仕上げることができるかどうか。
節のないものを希望する施主様だが全て無節は難しい。なんども言ってあるが実際出来上がるとどうなるか。塗装を黒っぽくすると節はあまり目立たない。黒塀とか黒いのが多いので特に問題にもならなかった。今回はあまり黒っぽくしたくないとの意向なので節は目立つ。
長い板を切って節のない部分をつなぎ合わせて貼っていく。ササラで隠れるから見た目は問題ない。しかし赤身と白太が並ぶと変だしせめて6尺でつないでいきたい。普通に板を製材すると無節の確率は10%くらいのものだ。節を取り去り半分にすると確率はグンと上がる。
さらにうまい具合にササラの部分に当たるとラッキーだ。そうした努力で節のない綺麗な鎧張りの外壁が出来上がる。ただ無節の材料を買って貼るなら簡単だ。材料費もグンと跳ね上がりコストがかかる。多めに用意するから余りがでる。
大工たちに面倒な仕事をさせることになるがそれも含めてやれるのが減った。建材が当たり前の外壁材だが手つくりの板張りはすごく手間がかかる。できたものを見れば手間ヒマと材料の綺麗さが実感できる。