青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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みぞれ混じりの冷たい雨。現場は誰も入らず閑散としている。大工は今日まで加工で外壁の板をカンナがけする。私も作業着に着替えて手伝い。明日はできた材料を運ばないとならない。 
 
用意した板は700枚以上。使う予定は600枚前後か。後から節のないのを買い集めたので増えた。残ったものは別な用途で使う予定がある。何箇所から別々に集めたので目は良いが生だとか乾燥は十分だが小節があったりとか。なかなか思うようにいかない。 
 
今回はこだわりのお施主様なので万事細かく打ち合わせをした。板もご自分で納得しないものは外して余分に集めたのです。木にこだわる方は節のないものが好きな方が多い。大黒や梁も全て自分で選び加工中も何度も確認にいらしています。もちろん工事中も毎日のように現場へいらっしゃるわけです。 
 
ご自分の山から出した材で家を建てるのは究極のこだわりだ。誰でも使える丸太を持っている訳ではないし乾燥期間もある。現場近くにご自分の山の木で建てている方がいて生っぽい節だらけの材木が多いと思いました。他所様のことなのであれですがもう少し乾燥期間があった方がよかったのではないと思います。(全く余計なお世話でしょうが) 
 
こちらのお施主様も実は山を見に行ったのです。樹齢40年ほどで使うには少し早すぎたので諦めました。もし立派な木があれば使いたかったでしょう。当社は伐採の手続きや買取もするので検討はしてみたのです。伐採は家一棟分だけとはいかなくてかなり多めに伐ることになります。 
 
つまりご自分の山の木で建てる方は余りを売るしかない。当社では買い取りはしますが製材乾燥と時間がかかるし製材してからも材木が余るケースがある。業者にすれば余分な材木や丸太が在庫になる。安くないとメリットはないので普通は出た丸太を市場などで売却してもらう。 
 
何だかんだと山を持っていてもプレカットで建てる方が多いご時世です。住宅会社とか工務店はこう言うのはやりたがらない。結局プレカットが増えていくことになります。自分の山の木で建てたいと言うささやかな希望も業者に説得されてあっという間に吹き飛んでいく。