昨日より暖かくなって道路の雪も溶けた。現場も少しだけゆったりした空気が流れる。二階の床を終わって下地を組んだりロフトの床の準備をする。ロフトも床現しなのでリバーシブルを貼る。赤松を予定していたが割れや節が多く半分は杉にする。
リバーシブルは作ったものしかないので足りないと大変だ。多めに作ったつもりがロスも多くギリギリ間に合った。本来は杉を使わず赤松だけで間に合うはずだった。いつもは赤松は節や割れを除いて繋ぐ。出来高がわかればロスはない。繋がないで加工すると不良品が必ず出る。
加工業者も減って当社も在庫もなくなった。今後は作ることは考えていない。もちろんお施主様の意向次第だが在庫はしない。ネットや加工業者からできたものを買うことになる。値段は高くなるがロスや手間がかからない。
材料を挽いて在庫して業者に持ち込む。もちろんこちらで運ぶ。さらに出来ると引き取りに行く。余るように加工するから余ったら持ち帰る。これだけの手間をかけないとオリジナルができない。その価値がわかってくれるとやりがいもあるが既製品の方が良かったと言われるとやる気がなくなる。
加工品は工場生産品でないから品質検査がない。バラツキはあるし梱包もしないのでキズも多い。目や色も選べない。極端な色や模様は除いているがその分も経費はかかる。材料費と加工代は安いがロスを見ると安いとは言えない。
なぜそんな苦労をしてまで作るのか。自分だけの他所では手に入らないものが手に入る。結局これしかメリットはないしそれだけを目的で作っている。言わばこだわりを超えた趣味みたいなものだ。喜んでくれるお施主様がいなかったらやる意味はない。
古民家とか手刻みと言っても相当な予算がないとできないのと同じでオリジナルは普通の家作りでなくなっている。古民家風がいつのまにか当たり前になって誰も本物を追求しようとはしない。経費を考えると採算が取れるとは言いにくい。ライバルが減って行くのは当然のことかもしれない。