月曜日から天井の下がりの修理をしている。1階の天井裏が下がって来たのだが梁が折れたか曲がったものと見られる。大工が天井を剥がし梁を剥き出しにしてチェックする。
原因は梁と梁を連結する部分が割れて下がったのだ。そもそも梁と梁が同寸法で梁欠きをしたら割れるに決まっている。築50年も経って大工がよく検討もしないで梁組をしたせいだ。
こう言う場合は柱で連結するのが常識で梁同士はない。プレカットの現場なら受ける方の梁は欠かないで梁受金物で繋ぐ。昔の大工はって言う話だが古民家などの刻みのやり方とは違う。
本格的な古民家風の刻みと外材が普及し始めた過渡期のやり方だ。仕口などの修行経験のない中途半端な大工がやったものだ。金物も普及以前で仕口で繋ぐ方法しか知らなかったものと思う。
現代のプレカットの家作りは大工は設計はしない。専門の建築士が計算の上決定している。大工はただ組み立てるだけなのだ。プレカット以前は大工が木組みを決めて刻みをした。
専門知識もなく過去の経験やうろ覚えの知識でやる。当然構造強度とか綿密な計算などしない。梁間と上の荷重だけで梁成を決める。年数が経つと下がるとか割れる可能性がある。
施主の要望が高度化するとたちまち手に負えなくなる。大工は次第に衰退し住宅会社に代わり今日に至る。アフターとか修理もほぼ無いに等しい。建てたら終わりと言うのが普通だ。
昔の大工が建てた家の補修工事は今でも時々ある。建て替えや大掛かりなリフォームができない場合は修理しかない。大工の激減でなかなか難しくなってきた。当社のようなところまで仕事が来るようになった。