青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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小さい頃から続けることが好きで同じことを繰り返すのが得意だった。夏休みの宿題研究なんてのは苦労したいことがない。『室内』だけでなく車の本とか業者から毎月もらうPR雑誌の類まで全て揃えておく。並べて眺めるのが好きなだけで特に収集してどうしようとか思わない。

『CAR GRPHIC』は高校生の頃から集めていてたぶん40年分くらいはあったと思う。自宅の物置の入れ替えで捨ててしまった。コレクションとか誰かに見せたいとかないので捨てる時もあっさりしている。

業者から毎月送られてくるPR雑誌も啓蒙的な言葉が書いてある雑誌で、トイレの棚に98年から並べている。その前は捨てているのでもっとあったと思う。大事にしようとか何かの時に役に立つとか思う訳ではない。子供がよくセミの抜け殻とか集めるのと大して変わらない。100_3904

仕事も新しい先進的なものより昔からある古民家とか歴史的な建造物とかが好きだ。古いものは作られた当時より評価が高いものと低いものがある。だいたい残っているものは高く評価されているものが多い。だから古い建物は何がしか良い点があって残っている。

設計を仕事にすると法律も技術も年々変わっていく。そういう変化に対応しないで設計はできないので新しいものへの注目は大事だ。好みとか法に触れない範囲での自由な部分はどうしても古いものから学ぶことが多い。

宮大工など古いものの作り手は新しい技術とか材料はできるだけ少なくしたいだろう。あっさり切替えもできないところが難しい。見た目だってそう簡単には変えられないし、古きものを継承するところがミソなのだ。100_3962

住宅にもそう言う昔あったような家に住みたい方がいる。自分が子供の頃見たような家とか古民家風とか、とにかく今風の総二階の建物が嫌だと言う方だ。別に文化財みたいな特別な家でなく、ごく普通の昔の家だ。

当社は真壁で漆喰の昔風の家つくりを勧めている。特に凝った神社仏閣でもなく数奇屋風でもない普通の家だ。別に方に力を入れるような見栄えも材料造作もない。ただ地元の木を使ったできるだけ自然素材て作る家なのでちょい見には違いが良く分からない。

今の家つくりは見た目最優先でスクリーンのある家とか、café風の家とか刹那的イメージが先行している。住み心地とか長持ちするとかどうも旗色が悪い。一生に何度もない今こそ夢の実現と言うことか。100_3943

昔の家つくりは施主が大工に大きさと予算を告げて後は任せることが多かった。今は耐震性とか断熱とか設備関係など簡単でないので設計者が必要になってきた。設計と工事監理が分離されてきた。

家を建てると年代によって使い方が変化する。若い子育てと老後はまったく違う。同じ家に住み続けるにはリフォームが必要になる。その場合は構造がシンプルで丈夫でないとできなくなる。表面的なことばかり優先で構造がお粗末では後で困る。

住宅寿命のロングライフ化を進める政府は長期優良とか色々政策を打っている。デザイン優先の家はどこかを犠牲にして予算を合わせる。外部のデザインは良くてもインテリはすべてクロス張りとかになるだろう。100_3866

もちろんすべてに予算を掛けられないからどこかを犠牲にするののだが、後でリフォームできないのは問題だ。ツーバイフォーやプレカットはギリギリの構造計算で作るからリフォームがやりにくい。

リフォームを施工すると古い家ほどやり易い。新しい家ほど構造材が細く強度がギリギリなのが多い。もちろん強度とか耐震性はわかりにくいので予算を減らされることが多い。

滅多にないが大正、昭和の古い家をリフォームすると断熱はともかく構造材がしっかりしている。金物とか断熱材とかで補強すればしっかりした家になる。部屋が大きく梁などが太いのでリフォームがやり易い。

後で困る家ではなくリフォームに対応できる家が必要だと思う。昔の家はその点も考えられているのが多い。古い家をただ真似をするのでなく、健康や耐震性を考えて取りれると現代でも十分に通用する。