青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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今日は午前中から雨、時折強く降る。来週にはまた台風が来るとか。幸いなことに外の現場は今はないのでどうと言うこともない。朝から今日も作業場で大工と打ち合わせ。 
 
大工は誰でも同じで図面を渡されて初めて現場を知る。普通であれば図面を見て概略がイメージできるまでは1週間以上かかる。その頃までは細部の打ち合わせなど無理でイメージできない。だから話が通じない。 
 
まずは必要な角が何本か在庫で間に合うかそこら辺からスタートする。作業の中でどこにどのような材木が入るか分かってくる。その数すら分からない段階では細部はおろか梁材の数も出せない。 
 
こちらは設計者で半年以上も前から図面を引いているので細部まで把握できる。自分が分かるからと大工たちに伝えてもさっぱり通じない。逆にトンチンカンなことを聞いてくる。だから墨付けをする者がどこまで理解したかが打ち合わせのポイントになる。 
 
お盆前から始めてやっと昨日あたりから土台の墨付けが始まる。こちらは納まりの寸法を出して仕上げ材を発注したい。設計と元請けであるから発注は大事な仕事だ。在庫を使えるか安く手に入るかが重要なことなのだ。 
 
設計者としての顔と請負の顔は時として相反する。私はどちらかと言うと設計者としての顔が強い方だ。原価無視まではいかなくとも仕上げ第一で考える。大工への指示もそうなるから良い材料念入りな手間になる傾向がある。 
 
やらなくても良い仕上げ方を大工から聞いて端折ると不満そうな顔をする。原価を無視できない請負者としてはメリハリを付けたい。何でも理想的にやりたいのはやまやまだが落とすところも必要だ。 
 
現場を理解し始めた大工が理想のやり方に傾くのは仕方がない。しかし決められた予算の範囲で最高のものを作る義務があるこちらはつい言い合いになることがある。棟梁が息子であるのは他人よりも激しくなることもある。
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