朝晩は霜がおりて起きると下の犬小屋が見える。夏は少しでも音がするとワンコが起きてこちらを見る。寒くなるとさっぱり出て来る気配がない。ワンコも寒いと億劫になるのだろうか。現場も周辺が凍るようになって溶けると靴に泥がついて中を汚す。
来週は別な組の応援で大工がいなくなる。今週中にサッシがついて外部が塞がる。瓦屋は来週から予定しているのでとりあえず雨雪のの心配はない。玄関の下屋を加工しないとならないので少し現場が遅れる。10時に金物検査があって外部の断熱材を貼れるようになった。
今度の現場は屋根が現しになっている。二階天井がそのまま屋根なりに勾配になっている。材木も手間もかかるので予算次第でいつでもとはいかない。杉材で組むので野地板も含め全て杉になる。ほとんど無節なので薄いピンクが壮観で綺麗だ。
このやり方をやったのは今度で二度目だ。やりたいのだが上りに掛ける垂木も無節の105角だし野地板も節がない。とにかく無節のオンパレードなのだ。もちろんカンナがけから刻みも組み立ても手間がかかる。その代わり普通の家では見ることのない美しい構造を見ることができる。
数寄屋とか和風では構造材を見せることで美しさを表現する。見せるのは材料だけでなく技術も見せることでもある。刻みからカンナがけ、込栓まで見られることを意識している。女性と同じで見られることを意識するから綺麗になる。隠すことを前提にする大壁の家では楽屋裏は見られたものではない。
私はどちらかと言うと外観より内部を重視する。外観では構造材の美しさを見せる部分が少ない。特に断熱が重視されるようになり外部の真壁が不可能になった。屋根垂木も内部は現しなのに外部は塞がれている。ことほど左様に大壁の家のような作り方を前提の断熱とか耐震は和風には向かない。今できる最大の努力で下屋部分だけ構造現しになっている。