いつも通りの冷え込みで朝は寒い。日中にかけて穏やかになってきた。明日は春の陽気になるのかもしれない。大工が最終にかかって仕上げ急ピッチで進む。外部も小壁の下塗りが始まった。
外部の左官は防凍剤を入れたモルタルで下塗りをする。下塗りは十分な乾燥が必要で中途半端仕上げをすると中から割れてくる。下塗りが済んだら中塗りをして下地を調整してから漆喰になる。
大工たちが終われば塗装屋がニスや白木ワックスを塗る。その後また左官屋が石膏モルタルを塗って漆喰を仕上げる。内装はプラスターボード下地なので下塗りがない。木部には漆喰は塗れない。
建具、器具の取り付けはその後になる。各業者ごとなので一斉に仕上げる。現場監督としては一番気が抜けないところではある。後先が逆だったり器具の入荷が遅れたりと心配のタネは尽きない。
当社基本的に現場が重なる時はない。ひとつ終わったら次にかかる。だから管理も楽と言えば楽だ。一人で設計監督なのでそれなりに忙しい。もちろん前からずっと続けてきたことだから当たり前のことだが。
同時進行で一気に工事するところもあるが気が散るし間違いも出る。一つずつ丁寧に進めた方が結果として早い。何棟同時着工をして職人をあちこち動かした方が効率は良さそうだ。しかしこのやり方では設計監督するものは手間がかかりすぎて混乱する。
キッチンや洗面すらも手つくりするから発注も膨大な手間がかかる。メーカー任せの既製品を使えば電話一本で現場へ配達してくれる。日程の連絡だけしておけばあとはお任せだ。楽だがいいものを作ろうとすればこのやり方では無理がある。