木の家がウリの当社でも建材店から仕入れる金額はかなりのウェイトを占める。断熱材とか下地の石膏ボード、外壁材…..諸々ある。
全て自分で加工したりするとトンデモナイ金額になってしまう。やらない方もいるがベニア類も屋根下地や床下地に張っている。
野地板よりも合板の方が強度も優れて施工も早い。床だって大引の上に根太を流すより厚い合板を貼れば強度も施工スピードも段違いです。作業する大工も仮敷きのベニアがいらないし。
施主との打ち合わせで決まるのだがどこまでこだわるかだろう。徹底的に昔のやり方で通したら手間賃も材料費も増えてしまう。
健康に配慮という流れに沿って言えば構造そのものからちゃんとやらないと無理だ。表面的な仕上げのみ無垢でもあまり意味がない。しかし内部までこだわって無垢にすれば相当違ってくる。
そこで問題になるのは金額的にどこまで見るのかということだろう。住宅会社のように建材多用のところとこだわったところがどのくらい違うかだ。
数字で表れなくても実感できることに満足しようと思えば出来ることもある。構造を無垢材にして仕上げも漆喰にすればクロス貼りとまったく違う。
そいう家でも断熱材も床合板も使っている。建具は無垢だがキッチンは既製品というのだってある。ユニットバスや洗面台も既製品も多い。
外壁もモルタル以外は建材になるが室内にはあまり影響がない。肝心なのは構造材の無垢と仕上げの漆喰だけは外せない。
キッチン、洗面台と並んでノリなどで作るのは内部建具だ。無垢材ではなくフッラシュと呼ばれるベニアの貼り合わせで作る。
扉とか無垢はあるが裏板まで無垢はない。オールステンレスとかホーローとかうたっていても引き出しとか細かいところは違う。接着もノリを使う例が多いので製品の扉を開けて匂いを嗅ぐとすぐわかる。
大事なのはメーカーのカタログを鵜呑みにしないと言うことです。予算もあるので無垢の製作品との差額を考慮しないとならない。
終戦後住宅が雨後の筍のように建ち始めた時に不足する材木の代用品として建材が出てきた。無垢板の代わりに登場したベニアは床壁天井とほぼ仕上げを覆い隠した。
時代を経てベニアの家は安っぽさから印刷や装飾で無垢風になってきた。突板など本物を貼る偽物が主流になった。これに左官仕上げからビニールクロス張りが登場して現代の家が完成した。
突板やクロスは下の素材を覆い隠してしまう。何が入っているか分からないのが問題になる。真壁にして外断熱にすれば一番わかりやすい。
突板やクロスは接着剤を使って施工する。規制が進んで安全と言われるノリでも大量に使えば前と変わりがない。
最小にするには無垢を使える部分は使うしかない。そうやってできる部分から少しずつ減らしていく。
建材を一切使わない家は難しい。減らした家を作るよりないが予算もあるのでできる部分を考えていくしかない。