青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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古材

日曜は朝市から始まって十和田湖に近いところまでドライブ。家内は孫とぶどう狩りに行きいっぱいお土産をもらってご満足。何だかんだと帰宅したらすっかり暗くなってしまった。 
 
あちこちの産直にも寄って野菜や果物を買い込んだ。近所の田んぼも稲刈りが始まり秋の収穫期に突入した。やはり旬のものはうまい。見れば皆買いたくなってしまう。あちこち廻って産直と呼ばれるところが閉まっている。作った時はいいが後が続かないと言うことか。 
 
いつも思うが過疎地は空き家が多い。だから過疎地なのだが通るたびに増えている。藁葺き屋根の大きな家も放置されて崩れかかっている。解体費も払いたくないのか自然解体になっている。藁は簡単に腐ってしまうし柱だけが残っているところが多い。 
 
古民家ブームと言いながら一方で放置されて腐るところもある。だからと言って解体をするとなると相当な費用になる。普通の家の倍はかかる。そこまでして残そうと思わないので解体材は意外と少ない。 
 
当社の古民家リフォームも古い解体材ではなく新品を使う。曲がりも梁も新しい材を加工している。古材は洗ったり釘を抜いたり手間がかかる。ネットなどでは洗った古材も売っている。ただ安いとか限らない。 
 
結局古民家と言っても本物でなくてもイメージが古いと満足する方が多い。新材を黒く塗って古民家に見せかける。当社も古い材で作らないから本当の古民家とは言えないかもしれない。本物の曲がりや梁材であることは間違い無いのだが。


羽目板

朝は晴れていたのに日中何度か雨が降った。晴れたり降ったり変な一日だ。朝一番で羽目板を引き取りに行った。二階の倉庫から降ろして作業場へ運ぶ。近いので降ろして積むのに時間を取られる。途中雨が降ったり何かと忙しい。 
 
羽目板は何現場かの引き上げらしく少しずつ違う。貼るには大きな支障はないが大工は手間がかかる。手間はかかっても価格がそれなりであれば採算は取れる。数えてみると羽目板は間に合いそうだ。 
 
フローリングは半分しか間に合わないので買うよりない。床は続いているので途中で切り替えはできない。一種類で揃えないとならない。ネットでも買えるのだが運賃梱包代もかかるので高い。
  
何より品質を確認できない。無節と言いながら小節があるとか厚みがすごく薄いとか。羽目板は仕上がりで12ミリは欲しい。12ミリを作るには15ミリ以上の板が必要だ。乾燥機に入れ加工すると11.5ミリとかになってしまう。 
 
ネットで多いのは12ミリなのだが測ってみるとない場合が多い。厚さ10ミリと表記している場合は実際にある。多分15ミリ板を加工して10ミリから11ミリくらいに仕上げるのだろう。 
 
午後から換気扇の故障の現場があって行った。20年経過して掃除をしなかったのかゴミが詰まっている。掃除して直した。時雨雨の中を作業場へ戻り材木のチェック。挽き直しの材をチェックしたら節がある。もう一度別口を持ち込むことにする。 
 
挽き直しは梁や大黒柱が多く見える重要なものが多い。何度も挽きなおすことも普通だ。挽いてからもう一度目を見てチェックする。この作業がいい家の必要条件になる。挽きなおす在庫がないとできないが。


1本買い

雨も上がって晴れる。いつもの散歩といつも通り。朝一で製材所と伐採現場へ行き木を見る。その後宮大工のところへ羽目板とフローリングを見に行く。 
 
羽目板は次の現場で使う予定だがヒバなので手に入らないし高い。宮大工はお寺神社だけでなく古民家のような豪邸も請け負う。そこでヒバの羽目板を使用して残りがあったので分けてもらおうとした。 
 
希少な青森ヒバの羽目板は相当高い。無節だと本当に高くつくのだが田舎の豪邸ではよく使われる。丸太を購入し板に挽いて加工する。使用する量より多めに作るのが常識だから余ってしまう。
 
今回の使用量は少ないので間に合えば買いたい。ただ程度がどうで量があるかが問題だ。豪邸に使用するのは普通の羽目板ではないしものは悪いはずがない。なのだが良いものをはじく訳がないから見ないとならない。 
 
結論として広げて見ないとなんとも言えない。当社の作業場へ運んで選ぶことになった。感じでは羽目板は良いとしてフローリングが足りない。どうするかは見て選んでから決める。 
 
久しぶりの伐採のお誘いで子供の遠足気分で出かけた。農家の周りのケヤキなどの伐採現場だった。杉が主で赤松樅が多く用材としては価値が低い。中に7mほどのイチョウの大木があった。 
 
細い方で50センチ角は取れそうで大黒柱向きだ。ここ何年か長尺の大物を買っていないので在庫がない。1本だけなら価格さえ合えば買おうと思っている。もうすぐ自分の伐採もあるので杉など広葉樹はあまり興味がなかった。 
 
杉は構造材や仕上げ材に使うからいくらでも欲しい。あまりの在庫は資金繰りも大変だし控えている。今までは山主から直接買って挽いて在庫した。これだと欲しくないものまで在庫がたまる。 
 
今後は1本買で良いものだけを買うようにしたい。資金もいらないしバラエティーに富んだものを買える。その方が古民家リフォームなどでも有効な使い方ができる。CIMG6777

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早い遅い

今朝は久しぶりに雨。よってワンコの散歩は中止。気温も一気に下がり上着がないと寒い。事務所へ寄って雑用を片付け作業場へ。材木の選定の続き。 
 
昨日は5時過ぎに早く帰宅した息子は昨日からさっぱり進んでいない。大工は考えたり判断することが不得意だ。リーダー向きの大工なんて聞いたことがない。いてもすぐ独立開業して職を変える。
 
で、息子は独立開業には不向きらしく段取りが遅い。私が午前中に帰ったままでちっとも進んでいない。製材所からは修正挽きの材料を早く持ってこいと催促がきた。叱咤激励してあそこにはこれあっちにはあそことテキパキと決めて行く。 
 
早くしないと来週から相方の大工が戻ってくる。他所に出稼ぎに行っている。だから仕事ができるように段取りしないとならない。大工手間は時間なので仕事がなくても手間賃は同じだ。 
 
当社は基本的に常雇なので日当制だ。他所は現場ごとの金額を決める。工期を早めるためにニンジンをぶら下げる方式だ。会社は急かさなくとも大工が焦って端折るなり急ぐと言う訳だ。 
 
常庸方式は進行速度に関わらず手間は一緒だ。その代わりゆっくり丁寧にやりたがる職人が集まる。ニンジン方式になじまない昔気質の職人だ。ただし管理が甘いとさっぱり働かないこともある。長く雇うとわかるのでそう言うのはクビだが。 
 
現場は早くて粗末か丁寧で遅いかだ。早いのが絶対的に価値があるのではゆっくり派は排除される。手刻みとか伝統的な仕事は丁寧さが価値を持つ。早い遅いに関係なく出来上がりに価値がある。


家の強度

午前中は晴れたが午後から曇ってきた。午前中は倉庫で次の現場の材料の拾い出し。リフトで在庫の山を広げて抜き出す。どこに何を使うかを決める重要なお仕事。2,3日はかかるが修正挽きもあるので来週いっぱいは揃わない。 
 
軸組は真壁造りの家では最重要課題で設計者と言えども大工の意見は無視できない。梁と柱の刻みの方法とか大工でないと理解しにくい。またそこを端折ると強度や耐久性に影響がある。四方から梁がかかる柱は頭が割れてしまう。 
 
集成材を使うプレカットでは基本的には短ホゾやぶっつけの繋ぎ方をする。蟻や実加工は機械はできない。補強には金物を用いる。しかし金物はあくまで水平もしくは垂直しか補強できない。 
 
地震の揺れは上下四方から複雑に揺れる。一方からの補強は強い揺れで破断する恐れがある。木材同士のしなやかな揺れの吸収効果は期待できない。基準法ではその効果は認められていない。 
 
ビルでも以前は剛構造が主流だったが今は柔構造に変わった。このように基準は変わっていく。木造もどちらかと言うと強度よりは加工や施工の省略化に重点を置いている。年々施工が早くなり工賃も下がっている。 
 
職人不足なので省略化をしないと現場が進まない。どうしても強度面で問題があっても金物を増やすとかして対応する。施工が簡単かどうかが基準になっている。複雑な仕口を作るより金物を増やす方が早い。金物メーカーも儲かるし。 
 
かくして上下のない集成材の柱、伸び縮みするビニールの張り物。これらは施工技術の簡略化と技術の低下を招く。結果として工場生産品、メーカーがシェアを占めて儲かるようになってしまった。