青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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ショールーム

フローリングを運ぶため早めに事務所を出て作業場へ。積んで降ろしてあっという間に昼。午後からショールームへお施主様と一緒に行く。二ヶ所回って戻ると6時近く。昼には現場へ来たお施主様と話しているからほぼ一日しゃべってばかり。
 
何ヶ所かあるショールームだが対応は様々だ。人員も豊富でしっかり相手をしてくれるところもほったらかしもある。メーカーの意識の持ちようで差がある。しっかり対応してくれるところで決めたいのは当然だろう。 
 
効率一辺倒で人員も少なく無愛想なところは商品も気のせいかチャチに見える。私自身もメーカーの営業マンだったから実情も何となくわかる。売り上げに貢献しない部門は減らすのは当然とは思う。 
 
ショールームは素人である施主が品定めに最初に行くところだ。そこでの印象は商品の良し悪しよりも強い。施主が直接購入するのではないから遠慮がある。価格も定価しかわからない。交渉もできないから商品の説明くらいはしっかり聞きたい。 
 
そこにまるで部愛想な応対はマズイ。競争に勝ち合併や買収で規模だけは大きくても組織がしっかりしていない。水回りに特化し施主に訴えかけることに熱心なところもある。まず施主に気に入ってもらい業者に注文してもらうやり方もある。 
 
ほとんどのメーカーは業者や問屋しか眼中にない。決定権は業者と決めている。施主は所詮素人とナメているかのようだ。まあそれも一理あるし事実そうなのだろう。素人にいくら勧めても業者の都合が一番大きい。そちらに営業をかけた方が効率はいい。 
 
私はショールームでしっかり施主に説明して納得させてくらるところで決めたい。こちらの仕事の一部を担ってもらうと言うことだ。専門知識はメーカーの方が上だ。いくらこちらが勉強したところで追いつかなものを持っている。もちろん自社の都合もあるから丸ごと信じる訳にはいかないが。


大工不足

今日二回目のブログ。午前中は葬儀があって午後から現場へ。午後から久しぶりの雨が降って外の仕事ができない。階段作りに精を出す息子は側板とささら桁が付いた。これから踏み板を入れ込む加工や仕上げがある。柱や胴差に入れ込むための加工をする。 
 
重いケヤキなので一人では到底持ち上げられない。相棒に手伝ってもらいながら差し込みの穴の加工ができた。これからは踏み板の入れ込みの加工になる。ささら桁の両面を削って差し込むように入れる。口で言うと簡単そうだが隙間ができないようにキッチリと加工する。 
 
昔から階段は棟梁の仕事でこれができて一人前だ。近頃は階段もプレカットなので技術も何も必要ない。それでなくても技術の低下は著しい。自分で階段どころか請負に走る者もいる。 

社長と呼ばれノミカンナを捨てた元大工だ。乗用車で現場に乗り付けあれこれ指示して立ち去る。ゴルフや夜の接待ばかり得意で技術の方はあまり得意ではない。 
 
それでも人のつながりや口が達者だとそれなりに仕事が取れた。近頃はデザインや宣伝力がものを言うようになりさっぱりと言うところもある。若い世代には全く相手にされない。下請けや地域のつながりのようなもので食っている。 
 
デザイン的には住宅会社もどきが多くフランチャイズに加入するのも多い。手数料を取られるから経営的には苦しい。自力でしかも他社に負けない技術があればそれなりに仕事は取れる。 
 
親戚や知り合いをまわれば仕事が来た時代にメーカーに乗せられれて利益率なんてのを覚えた。儲けることに夢中になり技術や体制を作ることを忘れた。今売れていると言う住宅会社風になって建材とプレカット以外はできなくなった。 
 
着工数は確実に減っていくのに大手が進出してくるから大工ははじき出された。張り合う技術もなく客に満足な提案もできない。近頃はさらに進んで大工不足になり下請けの仕事がいっぱい増えた。猫も杓子も下請けの仕事に走って職人不足は深刻だ。 
 
かく言う当社も大工が簡単に探せると思ったら全く見つからない。住宅会社の下請けが忙しくて大工集めが決め手のようだ。大工は仕事が切れてもすぐ見つかるから少しも困らない。息子が大工と言うのは安心して仕事が取れる。CIMG5761


ささら

昨日は現場や何やかやで忙しくブログを書けなかった。で、朝書いている。午前中は現場で打ち合わせ後業者との打ち合わせが急に入って戻った。昼食後製材所へ修正挽きの残材を引き取りに行った。修理に出したチェンソーで切ってトラックに満載した。その後また現場へ戻りお施主様と打ち合わせ。残材を下ろしたらもう7時過ぎ。 
 
現場は鎧張りのささらを付けている。板張りはすぐだがささら付けは時間がかかる。段々に斜めにカットしたものを付けるだけなのだがうまく合わない。板の厚みや貼るときにの重ね寸法や簡単に合わないのだ。45センチピッチでグルっと外壁に付ける。 
 
下地の板の厚みや出入りなどで平らになっていないと上手く行かない。そもそも柱自体がまっすぐで平行でないとダメだ。素人は外壁はまっすぐ貼っていると思いがちだ。しかし現実はかなり出入りがある。糸を張って見るとすぐわかる。別に手抜きや下手なのではなくどうしてもなる。 
 
その歪みが板を張ると出入りや上下に出てくる。ささらは板の重なり成りに斜めに切ってある。それがピタッと板につかないと見苦しい。そこで大工は一山ごとに削ったり切ったりして合わせる。合計90本近く削ったり切ったりを繰り返す。一人が一日がかりで4,5本しかできない。 
 
こう言う作業に大工の性格が出てくる。きっちりとやるタイプは一心不乱にやる。粗末なタイプは隙間だらけを平気で作る。別に雨が漏るとか耐久性に影響するとはかない。見た目だけだ。息子がきっちりタイプの典型なので皆が合わせる。で、いつまでたっても終わらないってことになる。 
 
昔の家、古民家に限らずなんでも手間暇がかかるものが多い。人件費が安かったからとか建材が普及していなかったとかあると思う。そう言う時間とか経費とか効率一辺倒の家つくりとは一線を画すのが昔の家つくりだ。手間暇をかけたからと言って素人目にはわからないかと思う。しかし住んでいる方には少しずつわかってくる。 
 
手抜きや省略はすぐわからないのが普通だ。クレームになってやり直しになるからだ。10年とか時間の経過で他と違うのがわかってくる。そんな先のことより近場の利益と言うのが世の流れだ。現場監督が念仏のように”早く早く”と唱えるから大工たちもいかにスピードアップするか夢中になる。割りを食うのは施主で安いから良いかと納得するのだろうか。CIMG5750


羽目板

朝から羽目板の引き取りに行く。初めての取引でとりあえず今の現場で使う。軒裏に使うのだがまだ内装がある。加工の仕方が各種あって今回は目地が小さいタイプを買った。 
 
工場本社へ行ってから別なところにある加工工場へ行った。以前に社長と一度行ったことがあった。なんとか思い出しながら着いた。もちろん注文の羽目板はできていてすぐ積み込む。工場の方に在庫の板や仕掛品などを見せてもらう。 
 
こちらの製材所は中央の問屋に一定の材木だけを作って売っている。品種を決めて特化しているわけだ。その過程で出た節のない板を溜めて羽目板に加工する。選んであるから無節だけで値段も安い。 
 
地元にあった加工屋も次々と廃業し少し遠くまで行かないと加工できない。今は片道2時間かけて持ち込んだり引き取る。今度は少し近くなって小一時間ほどでいける。 
 
今まではネットで買うこともあって価格も運賃込みになると安くない。今度からは引き取るから運賃は発生しない。そのぶん安くなるからコスト的には有利だ。しかもモノも悪くない。他社は節なしはほとんど白太で割れやすく厚みもない。しかも出来幅も12センチあって10センチ以下のものとは違う。 
 
いい家を作るためには良い業者と良い材料が必要だ。大工は息子だし作業場も完備している。あとは乾燥した材木と仕上げ材があれば良い。大家でもある製材所は宮大工相手なので良材の在庫がたくさんある。選んで買えるのでわざわざ在庫までする必要もない。 
 
羽目板やフローリングは材料を持ち込み加工していたが高品質なものがすぐ手に入るのであればその方が良い。持ち込み加工は金も時間もかかるし必要量以上に作るから無駄が出る。使う量だけ買うのであれば資金繰りも良くなる。
 


工業化製品

今朝は冷え込んでウッスラと棉のような雪が積もった。最低気温がマイナスの5度以下になるとの予報だった。挙句に雪が降り出して来た。大工たちは外は諦めて内部造作に入る。 
 
午前中はお施主様も現場へいらして細々と説明をしたり変更をしたり。現場は毎日のように様々な決め事が出てくる。監督が適当に判断して進める。たまにお施主様に説明をすると意外な好みがあったりする。例えば床下点検口、業者が出入りしやすい位置に付けると反対される。 
 
施主様の見る目とこちらでは概ね違ってくる。その辺の感覚がズレると後で不満が溜まって大ごとになる。この頃多い神経質な客だと全てが微妙に違ってくる。そこをどうやって満足させるかが監督及び設計者の仕事だ。 
 
仕上がり感覚もズレるなんてのはよくある。こちらは外壁は節のあっても塗装でごまかせると思い気にしない。塗装後のことを言ってもすんなり納得してもらえるとは限らない。 
 
自然のそのものの手刻みの家は赤身と白太の違いすらも問題にされる。節の有無だけでも大変なのにだ。フローリングも作るものは素材の目がそのまま出る。そこを魅力と思わない方にはただの不良品になる。工業化された家つくりは仕上げ材も印刷されたものと同様のチェックがされる。 
 
自然素材の家とか古民家風は写真や展示場のイメージだけが印象に残る。実際に建てると勝手口もあれば裏側の外壁もある。そう言ったところまで完璧な仕上げをイメージする方が普通になった。工業化製品のように均一でないものは不良品という考え方だ。 
 
手つくりとか自然を生かした家つくりとは言うがあくまでイメージや思い込みという可能性がある。事前によく説明しないと意外な評価が待っていて交換してほしいとなる。建材の家では裏表のある仕上げ材はなくて品番が同じであれば使用箇所に限らず皆同じだ。 
 
板張りなどだと節のない赤身の部分を玄関に節ありや白太は裏側に使う。それが当たり前と思うのはどうやら私だけのようでよく説明しないとトラブルになる。割れる確率の高い曲がりを使うより集成材の梁現しの方があとでクレームがこない。こんな仕事なんてしたくはないが世の趨勢がそうなって来たCIMG5745