日本の住宅の寿命は27年と短くアメリカの44年イギリスの75年と比較して消費型の住宅となっている。資源の無駄使いや環境破壊につながり見直しが急務となっている。平成18年の住生活基本法の制定により作って壊すフロー型の社会から長く使うストック重視型へ転換が図られている。
今後は単なる建て替えから、愛着を持って住み続けて世代を超えて長く使うためのリフォームの時代になっている。若い方の中古住宅を購入リフォームして新居とするのが増えている。
中古での購入にはメリットがある。比較的広めの敷地と庭園や塀があって予算も手の届く金額になっている。全面リフォームではインテリアは新築のようになりコストをかけずに住まいが手に入る。
築20年になるとトイレキッチンや浴室などの設備機器、給排水設備は取り替えになる。外壁や屋根も手直しや交換も必要だ。和風から洋風へのモダンなデザイン変更も可能になる。
リフォームのタイミングとしてはライフステージやライフスタイルの変化と老朽化に伴う維持などがある。機能低下や汚れなどをきっかけに本格的なリフォームになる例が多いようだ。各部分の耐久性や手直し時期は以下の通りになる。
瓦屋根—–50年以上の耐久性がある瓦ですが割れやズレは5年ごとの点検が必要だ。スレート瓦などは20年くらいで寿命になる。
金属屋根—–15年前のカラートタンは錆びや変色で塗り直しが必要だ。それ以降のガルバリウム製はもう少し寿命があるが20年くらいで塗り直しが必要だ。どちらも塗り直すと寿命は短くなり5,6年で再塗装が必要だ。
雨樋—–金属、塩ビ製どちらも20年前後で交換になります。つまりは定期的にチェックが必要だ。
外壁のモルタル—–ひび割れは発見次第補修する。20年くらいで仕上げ材の全面吹き替えも必要です。
外壁サイディング—–セメント系は5年くらいしたらシーリングを10年後には全面再塗装も必要です。ガルバリウム系の鉄板は15年くらいで再塗装が必要だ。
外壁の板張り—–5年ごとの点検と劣化が見られれば再塗装が必要になる。20年くらいは保ちます。
柱梁などの構造—–シロアリの害虫被害や雨漏りは早急に手直しが必要だ。リフォームの場合は耐震性を高めるための追加措置が必要です。
クロス—–個人の趣味嗜好があるので個人差がある。15年から20年で張り替える。
建具—–アルミサッシの寿命は30年くらいあるが断熱を考慮すると高性能樹脂サッシに交換する。
断熱—–一番進歩したのが断熱材だ。グラスウールからウレタンやポリスチレンなどの高性能型に交換する。
設備機器—–トイレ、キッチン、浴室は20年くらいが寿命なので最新型に交換する。仕様により金額の差が大きいので十分な知識と勉強が必要だ。リフォームのメインとなる例がほとんどだ。
耐震性や省エネは一番の目的なので十分に検討し設計しなければならない。耐震性は1981年から2000年の間に建てられた住宅は基礎の仕様、柱梁の接合金物、耐力壁のバランスの検討をしければならない。
省エネは平成26年からポイント制が始まり省エネリフォームで最大30万ポイントもらえる。次世代省エネルギー基準(省エネルギー等級4)には最低でもクリアするようにする。2020年より義務化される低炭素建築物認定には難しいとしても将来的にも省エネのレベルは高くなっていく。