内外部を塗装する通称ペンキ屋。新しくて古いのが塗装。
京都の方では壁はベンガラとか柿渋で仕上げる。荏油とか桐油など昔は防水も兼ねて油を塗った。壁には柿渋が一番有名だが無色透明のニスとかラッカーが増えた。
硬くて綺麗に仕上がるのがウレタン塗装だ。シンナーを使うと乾燥が早い。水性も増えて学校関係とか指定されるが乾きが遅いのが欠点だ。
最近は輸入品のリボスとかオスモが人気だが亜麻仁油とかひまわり油を使っているがイソパラフィンも少量含まれる。実際使用してみると塗りたては化学製品の匂いが少しする。すぐ消えるが全くしない米ぬか油とか蝋に比べると工業製品だと感じさせる。
米ぬかにしても蜜蝋ににしてもウレタンとかニスよりも値段は高い。材料費も塗り工賃も違うのでこだわれば高いものになる。
オスモやリボスにしても米ぬかでも自分で塗ることは簡単だ。素材によって難易があってマダラになり易いのと粘度があって塗りにくいのがある。
自然塗料は一般に木の表面に染み込むタイプが多くウレタンとかニスは膜を作る。仕上がりの違いは歩いたり触った時にサラッとするかヌルッとするかだ。
特に杉などの無垢のフローリングは歩行感が一番なので自然塗料の方が向いている。耐久性が少し低いので後で塗り直すことも考慮しないとならない。
ラッカーやウレタンしか塗ったことがない塗装屋もたまにいる。無垢でないフローリングや真壁でない家は内部塗装があまりない。
自然塗料を使う家はこだわった家つくりで一般的でないので塗り方すら知らないのもいる。塗装工事は昔内部が真壁の時にラッカーなどを塗っていた。
外部も無塗装のサイディングに吹き付け塗装するのが多かった。今は内部仕事はコーキングだけで外壁も塗装品が増えてコーキングのみが多い。住宅の仕事は激減してただのコーキング屋になってしまった。
塗装屋の職人は修行もあまりなく2,3年で簡単な仕事はできる。コテを使った仕上げやリシン仕上げなど吹き付けも減ってしまった。
スピードが命の住宅会社は1日でできるコーキングだけの仕上げを選ぶ。そうなると余計素人に近いものでもできるようになり競争になる。
リフォームブームに乗って屋根とか外壁の塗装を直接請負が増えた。塗装屋は2,3人規模が多く大型物件になると協業して仲間と組む。ビルの塗装とかになると10人くらい集めないと終わらない。こだわった塗装など縁がないいわゆるペンキ屋がほとんどだ。
似ても似つかない仕事が漆仕上げだ。塗るというより擦り込む感じに近い。ごく一部のマニアックな方でないとやらない。
値段はもちろん工事も埃が大敵なのでガッチリとシートで覆い何日もかけて仕上げる。その間は誰も現場には入れない。家具塗装としてはよく見かけるが工事現場では滅多にない。
展示場は下駄箱カウンターとキッチンを漆にした。耐久性も耐水性も日焼けも素晴らしいがとんでもない金額になるのは間違いない。