今日は気温が高めで立春らしい。昔からの言い伝えが妙に合点がいくようになった。
暑さ寒さも彼岸までとか言い得て妙だ。午前中は暖房が故障で寒さに震えながら打ち合わせる。
基礎工事が最初になるから彼らができるかどうかが問題だ。なんとか工程を組んであとは四方山話し。
基礎業者は元は左官屋で今でも社名に残る。働いている職人が確か付き合い初めから変わっていない。
一番年上が私より一つ下で今年から年金が出る。残りは60歳前後なのでまだ先だ。
社長はほぼ引退で息子があとを継いでいる。40代でまだまだこれからが頑張りどころだ。
ただ惜しいのは左官の修行をしていない。だから土木専門だ。
岩手の辺境にあるので仕事はほぼこちらに出てくる。出てくる途中に私の自宅があって何となく親近感がある。
住宅会社や大手の下請けはあまりやらず、従って仕事量が安定しない。ある時とない時の落差が大きい。
いつも最初に声をかけるが詰まってくると断ってくる。抜け目のない業者は全て請けてノラリクラリと自分のペースに引き込む。
この業者は正直にできない時はできないと言ってくる。仲間に応援を頼むとか遅らしてと言うところがない。
今時の世渡りの常識だと少し甘い、でなければ儲からない。感覚的に私には馴染む業者なのでいつも最初に声をかける。
左官の仕事は住宅にはほぼなくなって玄関タイルしかない。私は漆喰仕上げや薪ストーブの遮熱壁など仕事が多い。
耐震性の問題から基礎工事は金額がふくらむ傾向がある。内部の工事があるから私の現場は基礎や左官が喜ぶ。
基礎は機械や道具があれば技術もいらないが左官は誰でもとはいかない。だから後継の息子が左官職人の修行がないのが残念だ。
大工のところなども継ぐ気が無かったが仕方なく継いだのにも多い。大工ではなく大工もどきで口で勝負するのが多い。
大工は技術がいらなくなる傾向があるが左官はコテを握れないものは話にならない。
後継者が職人でないところは下請けや廃業など厳しい末路を辿る。職人として使えるものはどんな職種でも働き口は見つかる。
職人として技術がないものは現場監督や営業で食うしかない。職人は不足するが監督はどこでも余っている。
まして営業は職人以上に厳しいところだからすぐ辞める。