今日から大黒や大梁の加工に入る。お施主様には長く待った関心ごとである。何度も大黒の加工を見たくて作業場へお越しいただいた。刻みは横の加工が済み縦に入る。刻みは土台から始まり2階床2階天井、小屋と続く。横が済めば柱など縦に入る。
製材の頃から何度も見学に来ていただいてこだわりの部分だ。大黒とか梁はもちろん床材天井材や仕上げ材に至るまで興味は尽きない。ほぼ手つくりと言っても良いくらいなんでも作る。下駄箱や玄関内部のデザインなどは何度も繰り返し検討した。
カウンター材に使うヒバ材もあちこち探して見て歩いた。納得いくような材料が見つかるまで何度も繰り返す。その熱意は今まで経験がないほどだ。5,6年前から見学に歩き見て歩いた。自分のこだわりは何が何でも妥協はしない。
こちらもそれに応えるべく在庫であるものは全て使うつもりでいる。勿体無いとか後で使えるとかは考えない。今が全てでできるものは全て使い切る。幸か不幸か溜め込んだ曲がり材や大黒は何本も修正挽きして選んだ。
材料だけでなく大工技術に関しても歯止めがない。手間をかけて良くなるものは何でもやる。難しい技術でもできるものは全てやる。複雑な仕口を駆使し手斧で削って複雑な仕上げもやった。毎日のように遅くまでかかって仕上げをしている。
今回の現場は当社の集大成だと思っているので時間をかなり掛けている。コスト無視ではないが相当頑張っている。私も息子もこれが最後と言うつもりでいる。大黒や梁の加工は肉体的には相当な負担になる。体中が痛くなるほど重労働である。