午前中は現場と作業場。現場は土留め工事の続き。作業場では大黒の刻みの真っ最中。午後は遅れている図面と打ち合わせ。図面が遅れて業者から催促が来た。
大黒柱周りの納まりはお施主様も立ちあって決めた。曲がりの大梁がどのくらいの高さにくるかが重要だ。二階の桁高さは普通の家なら天井になる。吹き抜けから見ると二階床から上を見上げる高さに来る。曲がりの下端しか見えないし組んだところが見えにくい。
私的には目の高さくらいに持ってきたい。そうすると大梁同士が交差するところも見えやすい。大梁の横腹を見れば太さも実感できる。下端は面白くない。組んだ大梁の間から照明が下がり点灯すると複雑な影ができる。
何より梁の横腹が照らされたらグンと面白いではないか。二階の各部屋は天井がない。その代わり屋根の野地がそのまま見える。つまり勾配天井になる。その下に曲がりが交差して束には抜きが貫通する。その一番面白いところを横から見れると最高と思っていた。
この現場の一番の面白さは多分二階から見た梁にある。その面白さを素人である施主に説明するのは難しい。見たことがないのと太さや長さに現実感がないからだろう。見たことがないものを説明するのはしんどい。
岩手の山奥にどんぐり村というイベントがあって行ったことがある。なんの変哲のない板張りの蔵に入ってびっくりした。梁が仕上げのない栗の半丸太で組んでその太さと横架材距離の短さが半端でない。太さはともかく低い梁が頭にぶつかる。
その不便さは逆に構造材の存在をいやが上にも印象つける。造り酒屋の蔵を解体しているのを見たことがあってその時も太さと低さにびっくりした。その印象が強烈でいつかはその構造をやってみたかった。頭がぶつかるほどでなくともかなり低く抑えたい。その分梁などの存在が強烈に感じる。