青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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大黒や梁の加工は今日も続く。作業場では曲がり同士の交差する刻みが進行中だ。レベルの位置から曲がり具合の寸法を出したり相当難しい。職人たちは自分のイメージで高さや深さを決める。設計者としてのこちらのイメージと食い違うこともままある。 
 
こんな時は無理な押し付けでなく妥協点を見つけたり別な方法を模索する。経験を経ると大工の考えていることがわかってくる。大工には知識と技術という点でプライドがある。 
 
完成イメージよりも工事しやすさに重点をくのは止むをえない。実際に工事するのは彼らだしトラブルも自分たちに来る。技術は時として工事のしやすさが進化の素になる場合がある。必ずしも出来上がりイメージ優先ではない。 
 
逆に彼らの持つ知識や技術にはこちらの意図を超えるものがある。時に間違って作ったものが意図するよりも素晴らしいこともある。それがわかると大工たちの意見は設計者の技術向上のために大きな要素を持つ。 
 
古民家を見ると現代の建築技術が忘れているものがある。基準法では認められないことでも長年の経験で有効な方法である場合もある。それを認めるか否かは設計者の判断だろう。 
 
作業場で大工たちと打ち合わせを重ねるとお互いの意図がわかって来る。こちらのつまらない意図が技術的に難しいことはよくある。逆に大工が端折ったことが大きなイメージダウンにつながる例もあった。大事なことは現場でよくコミュニケーションをとることだろう。 
 
何度も大工の技術に期待を超えた仕事を見てきた。持っている技術を遺憾なく発揮できるようなやり方は取っている。設計者半分大工半分くらいになるととても面白い家つくりになる。なんとかそういう環境を作りたいと思っている。
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