青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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建て方2日目

気温も上がって大工たちもやる気満々。何と言っても無風が一番。体温が奪われるだけでなく吊った材木が回転して危険です。その意味では最高の日和な訳です。cimg5426 

昨日は一階を終了し今日は二階の梁になります。二階から見ると床の4寸角の根太が一面ズラリと並び壮観です。今日はここから曲がりの6mの大梁をかけるのですがここの現場での最難関になります。クレーンでゆっくり吊って両側の柱と真ん中の梁を一度に合わせないとなりません。cimg5423 
   
ケヤキの梁は重いので仕口が合えばストンと入ります。逆に合わないと荷重で柱か梁かどちらかが欠けたり割れたりします。どっちにしても大ごとなので慎重にやる訳です。壊したものは修復もままならずみっともないことになります。吊り上げた梁を柱に入れる時が一番難しいのです。cimg5439 
 
真剣な顔の大工たちに緊張が走ります。今日は都合4本の大梁と2本の梁を組み立てました。明日はうまくいけば小屋周りまで何とか行きたいところです。小屋ができれば根太を敷いて屋根下地ができます。こうなると防水のフェルトを張れますから雨が降っても大丈夫です。天気は明日も何とかもちそうですが夕方から雨の予報です。間に合わせたいところです。cimg5444


建て方 初日

朝から小雨がパラツキながらなんと晴れて建て方の開始。大工4人でクレーンもスタンバイして始まります。クレーンはいつもお願いしているので運転者も顔見知り。全員ヘルメットを被って装備も問題なし。
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昨日建てて置いた土台に一階から柱を立てます。一通り済んだら細かい部分から胴指しをかけていきます。梁をクレーンで吊りながら慎重に柱に差し込んでいきます。ここが一番緊張する瞬間なのですね。墨付けをした息子の顔が引き締まります。何点かズレたり穴が小さかったりはあったが何とか一階は決まります。 
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一階は45センチの大梁が四方に回す形式で受ける柱も5寸か6寸角。複雑な穴に慎重に差し込み見えない部分でボルトで止めます。差し込んだ穴の周囲はもちろん全て現しなので叩いて入れるとか無理に押し込むとかはできません。慎重に本当に慎重に組んでいきます。 
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応援に頼んだ大工はベテランばかり。私と同年代なので息子と親子みたいなものです。間違いがあっても優しく教えてくれます。ここら辺がベテランの良いところで昔取った杵柄ではないが経験豊富は助かります。 
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まだやっと一階を終わったばかりですが順調な滑り出しです。もっと時間がかかるかと思ったのですんなりいきすぎなくらいです。明日は二階の建て方になり明後日には母屋とか屋根垂木まで行けそうです。職人もどのくらいかかると聞くと長目の工期を言います。私的には十分いけると思っているので準備は早目にしてあります。


建て方

昨日の雨で少し濡れたところが残る基礎で建て方が始まります。私も朝早く現場へ行って昨夜積み込んだ資材を搬入。着いたらもう断熱材の直送がきて置いて行った。大工は4人、まずは土台の敷きならし。これが少し緊張するのです。なぜって間違いが必ず出てくるからです。 
 
建て方は基礎屋と大工という別な業者が引き継ぐように工事します。現場はお互いに見ていないのでどうなっている分かりません。土台を敷いた時点で間違いが分かる訳です。原因のほとんどは管理者である私の指示間違いです。 
 
設計者としては便利とかデザイン上とかギリギリまで寸法をいじります。これが間違いの元なのですが変則的な寸法は職人たちも気がつきにくいのです。常識外と言うことなので図面通りに施工します。そして大工が来て土台を敷くとあれってことになります。 
 
今回はたまたまお施主様が来ていた時に発見でした。もちろん怒られましたがやってしまったものは取り返せません。現場管理の難しさでしょうか…..なんて無責任なことは言えません。 
 
明日はいよいよ一階からクレーン車を使って建てていきます。これが壮観で面白いのです。多分建て主様も見にくると思いますが見逃す手はありません。大黒や大梁の組み立てはそういつでも見れるものではありません。一発でうまく入ると良いのですが過去にはきつくて一日がかりのこともありました。 
 
もちろん間違いがあって穴の位置がずれているとかある筈ののところにないとか…..無いことを祈るだけです。何度も経験がある建て方ですが刻み間違いは必ずと言ってあるものです。大工だって神様ではありませんからしかたないでしょう。自分ではそう思っていないのですが私のは間違いやすいと言われます。 
 
良いものを作ろうとするとギリギリの極限まで寸法を拡大したりは良くあることです。それによって見栄えも使い勝手もよくなる訳ですから。職人には災難かもしれないですが。 
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木の在庫

今日も朝からトラックで現場搬入。天気予報通りに午前中は雨で今週はなんとか持ちそうだ。明日からの建て方に必要な分は運んだ。建材も足場も準備万端。

毎度のことながら上棟が近づくと猛烈に忙しくなる。建材の配達が雨でシートも持ってこないので濡れたとか足場のかける位置がちがうとか……….。現場シートを買いに走るのも足場屋を呼び戻し再組み立てをさせたり、全て私の仕事だ。

合間にお施主様と打ち合わせたり資材発注をしたり足場板を取りに行ったり仮設の筋違を届けたり何でも屋だ。逆に言うと職人たちには余分な仕事をさせないようにしている。これもコスト削減の一環だ。

実はこういう雑用の中に仕上げなどの重要なヒントがあるのだ。倉庫を引っ掻き回していると思わぬ在庫を発見したりする。在庫があれば大きな追加もなしでいい仕上げができる。そしてデザイン的にも良いものができる。

今日も製材所から外壁の板を引き取る際に当社の在庫が出てきた。製材所の奥に間違ってしまってあってみるとなかなかの材木なのだ。在庫管理がしっかりしていないだけと言うのもあるがとにかく次に使える材木が出て来た。

古民家に限らず当社の家つくりには材木が決め手になる。良い素材がないと良いデザインも出来ないしコストばかり膨らんでいく。

良いモノを安くと言うと何処かの売り文句だが当社においても言えることだ。限りなく予算がある現場なんて無いわけだしコストとのせめぎ合いになる。そこに在庫であればコストも下がるし利益率にも影響する。山を買って特寸や変わった木を在庫するとこういう時にいいデザインが思いつく。
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現場搬入

昨日の日曜にお施主様から借りたクレーン付きに刻んだ材料を積んだ。いよいよ上棟に向け搬入が始まった。午前午後2回づつ慎重に傷をつけないように積む。なのでいつもより時間がかかる。

やはり上棟前が一番緊張する。もちろんそれはお施主様とて同じことだ。ご夫婦で現場に寄って声をかけていただいた。作業場にも何度か来ていただいたが現場搬入となると別だ。作業場で見るのと現場で見るのでは違って見えるものだ。

作業場は天井が高く広いので太い柱も華奢に見えるものだ。加工前の材木は少し太く長い。30センチの角は加工すると24センチくらいになる。他の材料も概ね細く短くなる。だから作業場では太いのと比べるから細く感じる。

それに組み立てるとガッチリ見えて迫力が増すものだ。作業場では5mくらいでも長くはないが現場搬入すると置く場所に困るくらいなのだ。小さめの家だったら梁材も4m以下だが曲がりは5・5mもあって数も多い。

通し柱も大黒も皆長いから長ものだけで家を建てているようなものだ。トラックも5mまで積めるから丁度良い。しばらく休んでいたクレーン操作で疲れてしまった。以前は運転もしていたからもっと疲れたはずだ。これが最後の古民家の現場かも知れないといつも思っている。