青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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良い家を作りたい

朝起きたら一面霜だらけ。日中は気温が上がり暖かい。その代わり小雨が降る。昨日のコンクリート打設が間に合って明後日ごろから型枠剥がしができる。

作業場の大工の加工が遅れ気味なので応援を頼んでいたが明日からになる。小割関係も材料引っ張り出してチェック。節があるとか割れがあるとか………。毎回のことだが大工はこういう所にこだわる。いくらこちらが良いと言っても聞かない。

息子以外の外注の頃はいつも大工と喧嘩寸前でふてくされる大工に閉口した。経験を積んで大工達の言うことにも一理あることがわかって来た。それでも元請けとしては原価を下げるのも仕事だからいつも揉めた。

見た目だけでなく加工や作業のやり易さなどこちらには理解の及ばないことは多々ある。そのことも含め私も成長した。今では作業効率のことまで気を使うようにしている。加工機械も頻繁に部品を交換するのにも慣れて来た。

材料くらいであーだこーだは言わないようにしている。少なくとも自分の利益になるとやっているのではないからだ。良い家を作りたいのは大工とて同じでそのために遅くまで残業したり早出をしている。手間賃にもならないのにだ。

職人の気持ちがわかり彼らにも信用されるようになったのはここ2,3年のことだ。やはり息子が帰って来てからだろうか。設計者としての言い分と工務店経営者としての管理には矛盾がある。原価を下げ利益を追求するのは企業として当然のことだ。こちらの意図することを察知して段取りをするのは利益のためではない。

原価無視でもないし利益追求だけではない。お施主様に本当に良い家を建てたいと言うのは職人たちにも伝わる。少しでも改善や一手間を掛けて作りたい。コスト重視の現場管理が横行する時代に一手間かけたり細かく打ち合わせをする。これがなかったら真の良い家が作れない。


加工

今日やっと修理に出していたパソコンが帰って来た。早速 設定をするのだが時間がかかる。半日かかってもできない。CADとメールが使えるようになった。ブログはまだできないのでiPadで書いている。小さいので使いにくいこと夥しい。

朝から現場でコンクリートの打ち込みがあって自宅を7時過ぎに出た。現場に着いたら生コン車が来て始まった。スランプや強度を確認後写真を撮る。内部の仕切りとタタキを打つので今日でほぼ終了という感じだ。

アンカーボルト位置を確認して作業場の方へ移動する。現場と作業場は距離にして10キロくらい時間は15分かかる。距離の割にはかからないのは山道で空いているからだ。大工たちもモノを取りに行くにも早くて助かる。

刻みも完了して小割や内法材を加工する。これがないとサッシを付けられない。ほぼ外付けなので内側が丸見えになる。内障子つきなら都合がいいのだが材木が丸見えなので節のない材料を使う。4寸角の無節材は高いのだが40本ほどで40万以上になる。

これをプレーナーに通し仕上げる。大壁の家だとまったくいらない材料だが現しでは高級材をふんだんに使う。いやコストがかかるとも言える。材木代が途方も無い金額なのでびっくりされることが多い。大工工賃と材木代がトンデモナイのが真壁の家だ。

大工はお盆過ぎからやっているがもう少しで完了する。明日から1人増えて小割の加工も間に合いそうだ。今週中で加工は一区切りつけて現場搬入となる。内部の仕上げ材など加工自体はまだまだ続く。


職人不足

今日も朝から現場。ほぼ日課が決まって来た。現場と作業場へ行く毎日だ。現場は管理のためだが作業場では配達や時にはトラックを運転したりする大工が結局二人で刻みを完了しそうだ。あと2人くらい応援を見込んでいたのだが。

下請け業者はどこも仕事がつまって忙しい。景気が低迷とか言いながら着工数は悪くない。それにひきかえ職人は確実に減っている。実感として景気が良くなっているように思えなくとも職人不足は続いている。

今日も基礎屋とこの景気はいつまで続くかと話していた。実際に職人のなり手がいないのに仕事があちこちから来るという。このままオリンピックまで続くかもしれない。だとしたら単価も上がって欲しいものだと職人たち。

景気の話はともかく職人不足はまちがいない。リフォームも増えて職人はますます忙しい。リフォームの方が職人が忙しいから住宅会社も断るケースがあると言う。

一つ気になるのが昔だったら職人に直接来る仕事もどこかを経由するのが多いということだ。ほんの小さな仕事も会社とか展示場などの経由が普通になった。逆に言うと職人が直接仕事を取れなくなったという事だ。

郡部の方に行くと大工が家を建てるのが当たり前だったのが住宅会社が増えた。Tホームとか安売りのメーカーも幅を効かせている。都市部の若者向けだった住宅会社がどこでもあたりまえになってしまった。

宣伝の力は大きくてどこでもテレビに出てくるようなところへた頼む。ユニクロのように日本中どこでも安く流行の最先端が手に入るようになったのだ。親戚の大工なんぞに頼むより展示場に行くとテレビに出てくるものが手に入る。

こう言った傾向は強くなる一方で職人のなり手が減ってますます工業化が進む。でないと現場を取っても建てることが出来ないのだ。職人も営業をする時間が勿体無いから手間賃を稼ぎたい。

景気が良くて職人不足とは言っても中身は少しずつ変わっていく。確実なのは大手などの仕事をたくさん取るところと直接取れなくなった職人に変わったという事だ。手間賃がそのままで忙しいなんて変な時代になってしまった。


瓦割り

朝から現場で基礎工事が月曜の打設に向けて急ピッチで進む。何だかんだと言いながら予定より2週間遅れで建て方ができる。午後からはお施主様も立ち会い最終決定が出来た。ボルト位置の確認とか下げる寸法の打ち合わせも出来て後は待つだけ。

合間に自宅倉庫の在庫を運んだり仕上げのチェック。刻みもなんとか間に合いそうで来週から小割材の加工に入る。来週中で完了させて運ぶ。トラックをお施主様から借りる予定でいる。クレーン付きから普通車まで各種の車をお持ちだ。

来週ははめ板の加工品を引き取る。私のトラックで何とかいけそうだ。しかしフローリングは長いので大きなトラックでないと無理だ。そちらも借りる予定でいる。もちろんタダで借りる訳ではない。

ファックスで瓦屋から瓦割りの寸法が届いた。瓦割りは割付寸法のことで割るわけではない。図面で出してあった寸法にチェックが入って最終寸法が出た。単純な切妻屋根だと簡単だが屋根に欠けがある変形部分は難しい。きっちりと瓦の寸法に合わせて屋根を造らないとならない。

当社は和風が基本なので瓦もおおい。軒先きや妻側の寸法で瓦の枚数が決まる。あらわしの屋根が多いから瓦の枚数に合わせて作る必要がある。他の屋根工事と大きく違うところだ。刀刃と呼ばれる特殊な細工も必要だ。

それやこれやで上棟前はいつも電話が増えて打ち合わせがひんぱんになる。材料の搬入から手配だけでもめちゃくちゃなので図面が間に合わなくなる。パソコンの故障で忙しさに輪がかかる。もう少しで上棟なので頑張るよりない。


パソコン

朝から雨で遅れている基礎工事が心配になる。幸い少しずつ雨は上がり何とか作業は続けられる。作業場では大工たちが最後の仕上げに 余念がない。来週末には現場搬入の予定なので力が入る。

休日なのもあって電話が鳴らず図面を描くには最高なのだがパソコンが使えない。ブログやメールはiPadでなんとかできるがCADは流石に無理で今週中は無理だろうと覚悟している

手描きからパソコンに移行してかなりになる。今も事務所の二階には手描きの図面が残っている。事務所を建てて22年になるがその頃より本格的にCADに移行した。今思うとお粗末な機械でチャチな図面を描いていた。

印刷もワープロが主な機能だったこともあり歪んでとても図面と言える代物でなかった。いつの間にか技術の進歩で線もまっすぐで文字もギザギザが消えた。さらにカラーも使えるなど格段に進歩した。

手書きと違ってパソコンは何度も描いたり消したりできる。何度も時間をかけてかんがえるのが設計なのでしかも前のが残せるので慣れると戻れない。前のを見たい時があるものですぐ出せるのは便利だ。

私は家一軒の設計だとプランだけで何十と描く。ほんの少しずつ違うのだが新しい図面に描く。そして膨大な図面が溜まっていく。手描きだったらどれほどの量になるやら。しかも以前の図面を見たい時もあるものだ。

20年も描きためていてもCADのバージョンアップやHDのクラッシュで見れなくなってしまった。2000年以降しか見れなくなってしまった。写真は残っているのでそれで確認するしかない。

それを思うといくらコンピューターが進歩しても人間の記憶力はすごいもので前の現場の細部を結構思い出せるものだ。大工たちと打ち合わせで納まりを思い出して指示できる。コンピュターほど鮮明ではないが。

iPadを買ったのは現場でも図面を確認したり描いたりできると思ったからだ。現実はまだまだ難しく少なくとも私の要求するレベルではない。ちょっとした確認ぐらいしかできない。メールや写真とかは使えそうだ。何より図面の修正とかメモなどもこなせるのはいつになるだろうか。そうなるとパソコンが要らなくなって膨大なデータ類はクラウドに置いて……….。まだ夢物語に近いなあ。