青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

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大工不足

久しぶりの暖かい一日。現場も基礎工事が最後の仕上げに精を出します。なんとか間に合わせて来週からの搬入建て方に合わせます。足場屋も下見に来て準備万端です。明日はトラックを借りて明後日からの搬入に備えます。

来週は私も材木運びや資材発注で大忙しになります。残材やゴミを片付け足りない材料を運んだりしないとなりません。もちろん大工以外の業者の手配やチェックなども大事な仕事です。そうそう上棟式には各業者を呼ぶようにお施主様からお達しがありました。

なにぶん郡部にある現場ですので建物だけでなく建て前も昔風にやりたいと言うことです。一応各業者に連絡をしました。飲み食いは初めてではないですが久しぶりです。皆車ですので飲むわけにはいかないのですがお付き合いはしなくてはなりません。

手間暇をかけた自慢の家をご披露したいのはお施主様としては嬉しいことでしょう。喜んでもらえるのは業者としては大変嬉しいことです。今までの苦労も吹き飛ぼうと言うものです。まだ完成していませんが。

肝心の大工の応援が心もとなくなくなって人集めに苦労しています。予定していたのが来れなくなって少ない人数でやることになりました。皆景気がいいのか抜けてこれないのです。あちこち声をかけて集めなくてはなりません。

景気がいいというより職人が不足しているのでしょう。着工を見ると増えているわけではないのですから。何とか集めて完成させなければなりません。



こだわりの家つくり

一面の雪で冷え込んだ。現場へ行くと積もった雪を基礎屋が片付けている。まずはそこから始めないとならない。型枠を剥がし基礎天端を均す。明日は周囲の整地と基礎の外部のもるたるしあげ。月曜には予定通り完了となる予定だ。

作業場では小割材の加工が進み明日にも良いところまでいく。日曜にはお施主様からトラックを借りて月曜から搬入する。来週は各種業者が入れ替わり立ち替わり入る。電話が頻繁に鳴り図面を見ながらあれこれ指示しないとならない。

景気が良いのか応援の大工がなかなか見つからない。予定していたのが次々とキャンセルされる。手当たり次第電話しまくり探している。まあ、こんな時もある。

足りない小割材を注文しながら在庫を減らしてスッキリさせたい。だいぶ減る予定だがまだまだ残っている。曲がりとか長尺の梁などが多い。小割はほぼなくなる予定だ。それだけでもたすかる。在庫が多いと倉庫整理も楽でない。

どこに何があるかわからなくなってダブって注文したりする。長尺は高いからダブルと痛い。逆に大工は選んで使いたいから在庫を置きたがる。いつも古民家ばかり建てているわけでは無いから置く必要はないのだが。

今回のようにこだわった家であれば材料は選びたい。大工の気持ちも良くわかるから多少の在庫は仕方がないと思っている。その甘さが在庫過剰の原因だったのだが。

プレカットの家創りならこういう苦労はいらない。だから一度プレカットをやると二度と戻れない。資金繰りから利益までとんでもなく違ってくる。手刻みの家つくりはこう言った苦労の上にたったこだわりそのもの家つくりなのだ。


バスツアー

雪が舞い散る寒い一日。来る予定だった大工が急遽不可。仕方なく今日も2人で小割の加工。現場は給排水と基礎の一部が入る。クレーン屋が現場調査に来て予定通り17日から 稼働。材料も月曜の予定が次の日のに変更。

上棟が近づくといつもこんな感じで携帯が頻繁に鳴る。現場でも水道屋と基礎やが少し揉める。私が勝手に変更して水道屋に伝えていなかったのが原因だ。全くもってこちらの責任で不徳の致すところだ。

設計は現場の進行次第でしょっちゅう変わる。各職種に相談したりするとそれぞれが自分の都合を言う。すると変更したくなり関係する職種全てに言わないとならない。言い忘れるとトラブルになったりする。

今回の現場は事務所から20キロほどある。作業場にも寄るから往復50キロ近い。空いている所ばかり走るから燃費は伸びる。しかし距離はあるからスタンドの請求も伸びる。現場に倉庫から運んだりするのでしょっちゅう走る。

昨日県の林業振興課から電話があって今回の現場をバスツアーが来る。県産材の普及活動の一環で2,3年ぶりに実施される。10年前から今度で5回目になる。地域材を使った家を建てたい方などが来る。私が現場の使用材とか住宅のコンセプトなどを説明する。

残念なことにその繋がりで仕事が来たことはない。何度か来場者のところへ訪問をしたことがある。お上が主催なのでセールスが来るとは思っていないらしく門前払いが普通だった。具体的話が進展したところも皆無でわたし的にはいい思い出がない。

知名度を上げる好機とかお施主様にお上とのつながりで信頼を得ていたかもしれない。今回のような古民家風な現場はいつもある訳ではないから見てもらえるのはプラスなことは確かだろう。大工たちにももしかしたら励みになるかもしれない。

仕事はいつ何処からどういう経緯で来るかわからない。あらゆる可能性を講じるのは企業として当たり前
だ。培ったノウハウと技術力を見て貰えるチャンスと思っている。


良い家を作りたい

朝起きたら一面霜だらけ。日中は気温が上がり暖かい。その代わり小雨が降る。昨日のコンクリート打設が間に合って明後日ごろから型枠剥がしができる。

作業場の大工の加工が遅れ気味なので応援を頼んでいたが明日からになる。小割関係も材料引っ張り出してチェック。節があるとか割れがあるとか………。毎回のことだが大工はこういう所にこだわる。いくらこちらが良いと言っても聞かない。

息子以外の外注の頃はいつも大工と喧嘩寸前でふてくされる大工に閉口した。経験を積んで大工達の言うことにも一理あることがわかって来た。それでも元請けとしては原価を下げるのも仕事だからいつも揉めた。

見た目だけでなく加工や作業のやり易さなどこちらには理解の及ばないことは多々ある。そのことも含め私も成長した。今では作業効率のことまで気を使うようにしている。加工機械も頻繁に部品を交換するのにも慣れて来た。

材料くらいであーだこーだは言わないようにしている。少なくとも自分の利益になるとやっているのではないからだ。良い家を作りたいのは大工とて同じでそのために遅くまで残業したり早出をしている。手間賃にもならないのにだ。

職人の気持ちがわかり彼らにも信用されるようになったのはここ2,3年のことだ。やはり息子が帰って来てからだろうか。設計者としての言い分と工務店経営者としての管理には矛盾がある。原価を下げ利益を追求するのは企業として当然のことだ。こちらの意図することを察知して段取りをするのは利益のためではない。

原価無視でもないし利益追求だけではない。お施主様に本当に良い家を建てたいと言うのは職人たちにも伝わる。少しでも改善や一手間を掛けて作りたい。コスト重視の現場管理が横行する時代に一手間かけたり細かく打ち合わせをする。これがなかったら真の良い家が作れない。