青森県八戸市の一級建築事務所 建築組 パックス有限会社

090-1060-9764

超貴重な技術

今日は一番暑い、一日中エアコンを付けて走るのは久し振りだ。現場へ寄って作業場へ行く。今日から1週間応援の大工が来ている。来週から本格的に基礎工事になるので中旬には上棟したい。 
 
先月から始めた刻みも土台から二階の桁周りまで来た。横が終われば柱などの縦になる。柱など縦の部分は現しになるのが多いから仕上げも時間がかかる。 
 
残りは間柱とか下地材を加工し外壁の板まで仕上げる。プレカットと違うのはここまでが工場で加工されるところだ。約2ヶ月一人で墨付けから刻みまでやる。この2ヶ月がプレカットだと無いので安くなる。 
 
なぜ手刻みにするかは真壁だからに尽きる。柱現しの真壁構造は和風や昔の家つくりでは基本仕様になる。これがなかったらプレカットの方が圧倒的に安く早い。国産材にこだわるとか自然素材とか本当は大したことでは無い。 
 
真壁の手刻みと言うところがミソでここに価値がある。そこを大した価値と思わないのであれば手刻みの意味はない。プレカットだって和風は作れるし古民家風だってやれないことはない。 
 
手刻みは製材して乾燥した材木を使う。外材だって使えないことはないが節のない狂わないものはあまりない。しかも角以外にも内法材とか小割材が必要になる。外材でここまで揃えるのは容易ではない。 
 
とここまでは普通の家つくりのことで古民家風で曲がり材をなんてのは別な世界になる。超難しいことは間違いなくてどこでも誰でもの世界ではない。材料だけでなく大工たち職人の腕も超貴重な技術が必要になる。


新聞広告

昨日は久しぶりに仕事がない一日で温泉とか買い物とか。雨も降らずどこかへ行こうかと思ったが何もせず。連休はあちこち出かけたので大人しくしていた。薪を割ったり片付けたりした。 
 
新聞に広告を出しているが決まった原稿を月に何回か掲載してもらう。掲載日は指定できなくて回数が4回以上と決められている。もちろん掲載日を指定できない約束だ。それがここ2ヶ月ほど回数が増えている。 
 
以前から7,8回は掲載されていたが今は10回を超えている。新聞広告が減っているかスペースが空くのか。金曜日、土曜日は現場見学会の案内がよく掲載された。この頃少なくなって来て月に何件もない。 
 
景気が悪いのか逆に仕事が多過ぎてなのか。職人不足は現場の着工数を増やすことができない。安易に契約しても予定通り着工完工ができない。契約違反になるから受注能力以上は仕事を取れない。 
 
全て当てはまるとは限らないが原因の一つにはなっている。当社とて大工が見つからないのに仕事は取れない。しかも手刻みだから工期は相当かかる。プレカットよりは2,3ヶ月長い。 
 
これからの着工数は伸びる要素がないからいくらでも仕事は欲しいはずだ。なのに選んでいるような傾向が出て来た。また建売住宅が調子が良いようだし安い物件も増えている。 
 
自社に向いているまたは強みを発揮できるような物件を選んでいるのだろうか。当社もそこは十分に考慮している。ただ予算だけで選んでいるわけでもないが。CIMG7326


羽目板

昨日までの天気と変わり初夏の暑い一日。上着がいらないほどで作業場で材料運びを手伝ったので汗をかいた。薪用の残材を積んで帰る。午前中は事務所で図面作成、午後から見積もりの現場へ職人と行く。 
 
次の現場が羽目板に栗を希望している。中国製の栗はあるが国産栗それも羽目板は少ない。たまたま加工所に在庫があって分けてもらうことにした。杉材はどこでも在庫があって価格も安い。 
 
木にこだわる方は仕上げ材の樹種を気にする。広葉樹が概ね好まれるがフローリングはあっても羽目板は少ない。販売する側から言うと羽目板とフローリングでは手間が同じで価格が違う。 
 
厚さ15ミリ仕上げは同じで加工する手間も材料費もほぼ同じだ。仕上がったときに板同士がくっつくようにするのがフローリングで羽目板は隙間を開ける。最終仕上げの刃物が違うだけでどちらでも作れる。 
 
ところが価格はフローリングの方が高い。羽目板は天井や壁に使うので狂いや隙間が目立たない。フローリングは隙間や段差が出るとクレームになってしまう。だから価格が高く売られている。 
 
羽目板はそもそも需要が少なく安くないと売れないので杉とか手に入りやすいものしか作らない。だからこそ広葉樹が欲しいとなるのだが板を持ち込んで加工するとか探すのに苦労する。しかも安いとくれば需要が少ないし狂いが出やすいので業者も敬遠する。 
 
曲がりや柱現しの真壁造りや材料を手に入れるのに苦労して仕上げ材も加工して手間をかけると採算が難しくなる。建材で既製品を使うのに比べ気が遠くなるほど苦労する。しかも基本的に材料は引き取りが原則だから大きいトラックが必要になる。


伝と付き合い

今日は晴れて気温も上がり初夏の陽気。ただ風が強く現場のゴミも飛んでいくし仮設トイレも心配になる。昨日打設の済んだ土留めは来週まで養生する。刻みも進んで来週から一人応援が来るのでさらに捗る。 
 
解体の見積もりがあって現場へ行く。2坪ほどの小さな小屋だがものがいっぱい詰まっている。片付けに時間が取られそうだ。強風で屋根のトタンが飛んで処分することになった。 
 
来月着工のリフォームの現場の材料の発注が始まる。サッシもトリプルなので時間がかかる。羽目板もフローリングも国産栗の特注品だ。2,3週間は見ておかないと間に合わない。 
 
最近はリフォームにもこだわり方が増えている。特に素材には関心が深い。中高年にはビニールクロスとかよりも漆喰や本物の羽目板を好まれる。定番ものの杉であれば在庫は心配ない。 
 
栗とか栓とか木にこだわれば作ってもらうよりない。板材が在庫であればすぐだが生で乾燥するのであれば時間がかかる。製材所とか在庫を持たない傾向になってすぐ作れない。 
 
同じことは現しに使う曲がりとか梁材にも言える。生の木は山に行けばいくらでもある。程よく乾燥したものが必要だから手に入れるのは難儀する。いやどこにもないと言う方が正確だ。 
 
素材も板材や梁材の在庫がどこにあるかが問題だ。どこの製材所にあったか記憶して使うときに思い出す。加工所に持ち込んで特注で作る。そう言う伝と付き合いがものを言う。


建物の検査

今日も寒い一日、現場の職人もフードなんか被って寒そう。昨日に続き土留めの配筋と打設。来週には型枠を剥がし本屋の基礎工事に入る。来週半ばには遣り方を出して位置極めをする。 
 
早ければ20日過ぎにも配筋の検査がある。建物は確認申請を受けると住宅瑕疵担保保険の検査がある。配筋検査、中間検査、完了検査と続く。それぞれ別に検査員が来る。最初の配筋検査は保険の検査で主に鉄筋ピッチと継手を見る。 
 
中間検査は通称金物検査と言うが躯体の金物の種類と数量のチェックになる。配筋検査は写真判定で金物検査時に提出する。工事途中は以上で後は完工後に完了検査を受ける。中間検査では指摘があったりするが完了検査は何事もなく終わることが多い。 
 
もちろん業者によってはいろいろあるところもある。行政や検査機関も完了検査が不合格となると手間暇がかかる。中間検査で問題点は指摘して問題なく終わらせたい。あれもこれも問題だらけでは仕事が増えるだけだ。 
 
お施主様は建物は私有物だから自由に建てられると思っている。ところが実際には規制だらけで想い通りにできる部分は少ない。住宅会社や工務店は規制に引っかかるようなことはできるだけ避ける。建てたものがどこも似たり寄ったりなのは規制のたまのものである。 
 
色とか素材の組み合わせでデザインとか言うところも多い。中身はどこも似たようなものなのに。国産材を使って真壁や板貼りをやろうとすると面倒な処理が必要になる。そして手間と素材が高いから儲からない。 
 
人口減の時代には新築住宅の需要も減っていく。注文住宅が減って建売が増える。文字どうり家は買うものになる。需要としては少ない客の要望に応えるべく難しい家つくりをする業者は激減するだろう。最後の一社になるようにと頑張ってはいるのだが。CIMG7322